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依頼
「どうやって俺の仕事場を?」
自身の銀のワンボックスカーの中で、束元は口走った。
「それも自身で捲れるでしょ?」
助手席から返って来た鋭い少女の返しに束元はその横顔を二度見した。
すると、まるで彼の口を蓋するように、自身の学生鞄の中から分厚い封筒を取り出し、それをぶしつけに彼の目の前に突き出す。
「ここに100万入ってる。仕事をしてほしいの」
警戒を解かずに間を置くと、束元はそれを徐に受け取り、蓋が開いたままの封筒の中身を外から見えないように自身の膝元で取り出した。帯封されたその束をパラパラと指でしごく。
少女の横顔を穴が開くほどまじまじと見つめると、彼は言った。
「で? 誰を捲るって?」
「クラスメイト」
その返答に目を眇める。
「私、苛めに遭っているの。その首謀者である一軍女子を捲って欲しい」
結論を急がないように束元は間を置くと、聞き取りを開始した。
「苛めってどんな?」
その問いに、少女の表情が初めて揺らいだ。
「一人で弁当を食べてると、中に……」




