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リア充から独り身でいる覚悟を決めた女の話

作者: 一色

二人目の恋人だった。

初めての恋人は恋人と言っていいのか分からない関係で、幼馴染の延長線上で付き合ったみたいだった。

だけど、私ははなから長続きさせる気は無かった。

今だけならいいのかもしれない。顔は好みではないがまあ優しいし、こちらを尊重してくれていたから。

けれど、それが将来まで続いたら?彼の家は普通ではない。跡を継がないといけない。妻となったものはそれを支えないといけないだろう。

私にはそれが耐えがたかった。私は私の力で生きていたいから。自分の力で生きていたいから。

だから私は早々に見切りをつけた。


二人目の恋人は後輩だった。私にとって居心地がいい空間での初めての後輩。ちょうど同じ時期に友人ができてとても浮かれていたのもあるだろう。私は自身の判断を間違えてしまった。

恋愛感情を持たないことに気づいたのは中学生の頃だった。小学生の頃は恋愛について想像がついておらず、それでも周囲が話す恋愛話が正しいのだろうと思ってそう思い込みながら生きて来た。だからこそあんな悲劇が起こったのだろうとは思うが。

恋愛感情を持たないからこそ持っている人の苦悩は分からない。人を好きになるって何なんだ。いとおしく思うって何なんだ。恋煩うとは何なんだ。人は本能で子孫を残そうとする。その中で番となる者に快感を持った方が都合がいいのだろう。私はこれが恋愛の本質だと思う。

ああ、話がそれてしまった。

彼はノーマルではなかった。しかして、アセクシャルでも無かった。少しばかり対象が違うだけの持つものだった。

私は彼の気持ちを否定してはいけないと思った。当時はそれを自覚はしてなかったが振り返ってみてその思いを自覚した。

私に思いを寄せてくれているのは幸せなことだ。私はそれを否定してはいけないのだ。何せ人が付き合うこと、恋をすることはとても素晴らしいものなのだから。

私は、今でもそう思っている。

けれど、だからと言って受け入れられるものではなかった。


私は愛されることが苦手だった。一言でいうのならばこれに尽きるのだが本質は少し違う。

私は極端に言えば私と私以外という世界で生きている。

これを踏まえて、私は、私を知られれば知られるほどその相手を嫌悪するのだ。

この思いを無くそうと頑張った。だって傲慢にもほどがある。

嫌悪するまではいくら知られようが至極どうでもいいのに、一線を越えてしまうと排除対象になってしまうのだから。

けれど、この思いを無くすことはできなかった。何か月も頑張った。一切悪くない彼に申し訳ないから。同じ思いを返せないのだから、せめて誠実であろうとしたのだから。

でも、できなかった。嫌悪することを止められなかった。

だから、決めた。たった20という若さで。

残り80年を一人で生きる覚悟を。

もしかしたらシェアハウス的なノリなら付き合い結婚することができるかもしれない。

けれどそんな未来はあまり想像できなかったから。

だから、私は一人で生きていく。

恋人がいないだけ。将来を誓う相手がいないだけ。友人はいるし兄弟もいる。

ただ、ともに支え合って生きていく人を作らないで生きていくだけ。


彼には申し訳ないが、それと同時に感謝している。

アロマンティック・アセクシャルであることを自覚していただけで深くそれを理解していなかった。

恋愛感情を持たないだけなのか、恋愛感情に嫌悪感を持つのか。

私は自分に向けられる恋愛感情が恐ろしい。

何故恐ろしいのかは分からない。けれど、漠然と私は恐ろしいと思う。

それを知れたのは彼のおかげだから。



恋愛感情を持たないからなのか、それ以前に私が鈍感なだけなのか。彼に言われた。

「気を持たせるような言動はやめてほしい」と。

私にはそれが分からなかった。

だって分からない。教えてくれない。

人は何をしたら恋愛感情を持つの?人はどういう風にしたら気があると思うの?

顔が赤くなったら?じゃあ赤面症の人はどうなる?

視線をそらされたら?目が合うのが苦手だったら?

体を寄せてきたら?無意識なら?

最後のはまあ少しは分かるけど他は分からない。

誰も教えてくれない。だって皆言う。「分かるでしょ?」と。

当たり前の蔓延る世界で当たり前じゃない人はとても生きずらい。

恋愛感情なんて生きる上で必須じゃない。耳が聞こえない人、目が見えない人、四肢がない人。こちらの方がよっぽど配慮がいる。

なら、私にそれはいらない?いらないのかもしれない。

苦しくてもそれは受け入れないといけない者なのかもしれない。


思春期を引きずった女の戯言だと思って流し見してほしい。

文章がまとまらずぐちゃぐちゃのまま投稿してしまうことをゆるしてほしい。


何が言いたいのかもわからない。何がしたかったのかもわからない。

けれど、一つだけ言えるとするのならば。


私はこんな苦しみを抱いて今を生きている。

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