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第十話:傭兵退治

 村長は逃げ出したが、俺やエミール、ガストンは仕方なくアンナについて行くことにした。

 貴族の連中だけでなく、アンナたちからも追いかけられるのは嫌だったからだ。


 村人の案内で俺たちは森の中に入って行った。

 しばらく奥へ行くと小屋が見える。


 農民の一人を偵察に行かせると、連中は酒を飲んでどんちゃん騒ぎをやっているらしい。

 人数は十人。鎧などの防具も脱ぎ捨てているそうだ。


 アンナが皆に言った。

「連中が酔いつぶれて、疲れて寝静まるのを待つのよ」


 夜になって静かになった。

 ゆっくりと全員で近づいていく。小屋はランプが点いたままだ。

 俺はそっと窓から中を覗いてみた。傭兵どもがだらしなく眠りこけている。

 農民全員で小屋を取り囲んだ。

 

「じゃあ、あたしが小屋に入って連中をこのナイフで刺しまくる。あんたらは続いて入って袋叩きにして撲殺すること。一切同情の必要はなし。殺せ!」

 そう言うと、アンナが小屋の扉を開けて中に飛び込んだ。


 アンナはいきなり扉のすぐ近くで眠り込んでいた傭兵の顔面にナイフを突き刺した。

「ウギャア!」と絶叫する傭兵。

 アンナがナイフを引き抜くと大量の血がほとばしる。

 その傭兵は思わず両手で顔を覆った。


 アンナの襲撃に気付いた隣にいた傭兵が逃げようとする。

「逃がすかよ! このクソ野郎! 地獄へ落ちろ! ウヒヒヒ!」

 アンナは追いかけて傭兵の背中を刺す。

「ヒイ!」と傭兵は悲鳴をあげる。


 アンナはかまわずそいつの全身をめった刺しにする。

「くたばれ、このクソ野郎!」

「助けてくれ!」とその傭兵は叫びながら床に倒れた。


 他の傭兵も起きだした。

「どうしたんだ!」と血まみれの仲間を見て驚愕している。

 アンナは血まみれの死体を踏み越え、一番先頭にいた奴に襲いかかる。


「誰だ、お前は!」と叫ぶ傭兵の腹にぐさりとナイフを刺してグリグリと回した。

「ウヒャア!」

 アンナはえぐって、ナイフを抜く。

「グエ!」そいつは腹を押さえながらあおむけに床に倒れこむ。

 馬乗りになるアンナ。

 傭兵の全身を刺しまくる。

「お前も死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! ギャハハ!」

 床に血の海をつくりそいつは絶命した。


 残った傭兵たちが剣を持ってアンナに襲いかかろうとした。しかし、その時、農民たちが大勢小屋になだれ込んできた。驚いている傭兵たちの隙を狙ってアンナは近くにいる奴から片っ端からナイフで刺しまくる。ゲラゲラと笑いながら。

「ウヒャヒャ、死ね! ウジ虫どもが!」


 アンナはナイフで一人の傭兵の右手四本の指を叩き切る。

「ウギャー!」とそいつは絶叫をあげた。

「わかったか、クソ野郎、切られると痛いんだよ、怖いんだよ、ああ、わかったかって言ってんだよ! 暴力は痛いんだよ。全然、かっこよくないんだよ。なんで、こんな目に会うかって。お前があたしにこうさせたんだよ。わかってんのか! おい、クソ傭兵! わかってんのか!」


 アンナと農民たちは暴れまわった。


 小屋の外にいたエミールがおどおどしながら俺に聞いた。

「あ、兄貴。ぼ、僕たちも参加しなくていいの」

「参加したくても小屋は満杯で全員は入れないよ。だいたい、村の人たちと傭兵との問題だろ。俺たちは関係ねーよ」

「じゃあ、な、なんでついてきたの、と僕は思うんだ」

「アンナが怖いからだよ。狂人だよ、あれは」


 不意を襲われた傭兵たちは大勢の農民たちになすすべもなく惨殺された。

 小屋から逃げ出した傭兵もいたが、外に残っていた農民に袋叩きにされて撲殺。

 突然、ナイフで刺されたうえ、大勢で殴る蹴るされて傭兵たちはまったく抵抗できずにアンナたちはあっという間に傭兵たちを制圧した。


 俺は小屋に入らず窓から見ていた。隣にガストンもいる。

「ガストン、傭兵ってあんまり強くないんじゃないか」

「うーん、こんな不意打ちを食らったら強い傭兵でもしょうがないんじゃないか。それにアンナの暴れっぷりには恐怖を感じるよ」

「あんたでも怖いのか」

「うん、あの女、狂ってる」


 アンナが突然叫んだ。

「待って、そいつはまだ殺すな」

 一人の傭兵が農民たちに組みしかれている。


「あんた傭兵たちのボスじゃん」

「……お前誰だよ」

 そいつが虫の息で答える。


「あんた、あたしのこと覚えてないの。つい昨日あんな酷いことしたのに」

「へ、農民なんてウジ虫は大勢殺してきたからな。いちいち覚えてられるかって」

 傭兵のボスはいきがってアンナの顔に唾を吐きかける。

 ひょいとよけるアンナ。


「あっそ、じゃあ思い出させてあげる」

 アンナはいきなりその傭兵の左目にナイフをブスッと突き刺した。


 傭兵のボスだった男がヒイヒイ泣き叫んで床を転げまわる。

 それを見て農民たちがゲラゲラと笑った。


「ちょっと、あんたらちゃんとそいつを押さえてろって!」

 アンナが吠えて、その傭兵は農民たちに再び床に押さえつけられる。

 

 床に転がっていた鉄製のフォークをアンナが拾ってボスに言った。

「さて、あんたも命が惜しいでしょう。このフォークで自分の顔に『ろくでなし』って文字を刻んだら許してあげる」

「も、文字なんて書けねーよ」

「ふーん、それは残念ね」


 アンナはナイフを振り上げて傭兵のボスの鼻をそぎ取った。

 悲鳴をあげる傭兵。

「ずいぶん美男子になったわねえ」とアンナはゲラゲラと笑う。


 アンナが傭兵のボスにナイフを突きつける。

 凄まじい拷問が始まった。


「さーて、次は耳、その後は手の指の爪を一枚一枚剥がして、終わったら指を一本ずつ切り落とすわね。今までお前のやったことを思い出させてあげる。ありがたく思いなさい。おい、ありがたく思えって言ってるだろ。おい、ありがたく思え、ボケ野郎! おい、聞いてんのかよ、このクソッタレ! ありがたく思えって言ってるのがわからねーのか、ボケ傭兵! お前があたしの家族を殺したからこんな目に遭うんだよ。ああ、聞いてんのかって言ってんだよ。あたしがこんな酷いことすんのはお前が原因なんだよ。わかってんのかよ、わかってんのかって言ってんだよ! わかってんのか! このカス! わかってんのかー! あたしの家族を勝手に殺すな、最低の屑野郎! おら、右耳を切り落とすよ。どうだ、気分は。ああ、聞こえなくなったの。聞こえるでしょ。聞こえてんのか。聞こえてんのかって言ってんだよ! 聞こえてんのかー! もう聞こえなくてもどうでもいいわよ! ウヒャヒャ! ご感想をお聞きしたいわね、ウヒヒ! お前が今まで殺した人たちがどんなに苦しかったかわかってんの。どんなに涙を流したのかわかってんの。どんなに悔しかったかわかってんの。どんなにつらかったかわかってんの。おい、わかってんのかよ! このクソボケ! わかってんのかって聞いてるだろ、このクソバカタレの屑。わかってんのかー! このカス野郎が! 次は左耳。ああん、騒ぐな、この人間の屑が。両耳無くなってすっきりしただろ、このバカタレ! うるせー騒ぐな、口を思いっきり何度も踏んづけてやる。オラ! オラ! オラ! オラ! オラ! アハハ、歯がほとんど折れたじゃない。笑える。爺さんね。硬いものは食えないわね。ウヒャヒャ。次は爪を剝がしてやる! 一枚目、二枚目、三枚目! おらおら、痛いか、もっと痛がれ、このクソ野郎! 簡単には殺さないからね、じっくりじっくり、じっくりじっくりと猛烈に苦しませて殺してやる。おら、四枚目だ、なにヒイヒイ泣いてるんだよ、泣くくらいなら最初からあんな酷いことすんな。ああ、聞いてんのか、この馬鹿野郎! おら、五枚目だ。痛いだろ、もっと痛がれ! ざまあみろ! 次は六枚目、七枚目、八枚目! もっと泣き叫べ! 九枚目、十枚目! もっと苦しめ、クソ傭兵! 苦しめ! 苦しめ! 苦しめ! 苦しめ! 苦しめ! ああん、なにちょっと剥がした爪の部分を触っただけで悲鳴を上げてんのよ、おらおら、ガンガン指先を叩いてやる。もっと悲鳴を上げろよ、このゴミクズ! グリグリと足で踏みつけてやる。痛いだろ、痛いだろ、どうなのさ、ああん、痛いだろ、痛いだろ、痛いだろ、痛いだろ、痛いだろ。ウヒャヒャ、痛いのかよ。だったら、村を襲うなんてすんな、この人間汚物。暴れるな、足を折ってやる。うりゃ! 何とか折れた。こんなことあたしにさせんな、ボケ! 疲れるだろが! バカ! 騒ぐな、ボケ! さあ、次は指よ! 左手の一本目、うわ、お前の不潔な血であたしが汚れただろ、あやまれ、この豚! あやまれって言ってんだよ! はい、二本目。これはとうちゃんの恨み。とうちゃんはあたしを殴ったことなんて一度もないよ。他の人にだって。村では尊敬されていた。なんでそんな人を殺すんだよ、バカタレ。次は三本目。これはかあちゃんの恨み。叫ぶなって、クズ、うるさいんだよ! かあちゃんは毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、何年も、何年も、何年も、何年も、何年も、朝早く起きて働き通しだった。あたしらの家族のためだよ。あたしを一生懸命育ててくれたんだよ! 本当に愛情を込めて育ててくれたんだよ! そんな人を簡単に殺すな! わかってんのか! このキチガイ傭兵野郎! 四本目だ。これは殺された村の人たちの恨み。どうだ、地獄に落ちろ、このカス傭兵が。普通の人たちだぞ、何にも悪い事してねーよ、ふざけんな! 普通の人たちだよ! 普通だって言ってんだ。そんな人たちを襲うな、クソ野郎! 果樹園を燃やすな。どれだけあたしらが苦労して育てたかわかってんのか! わかってんのかよ、この野郎! わかってんのかって言ってんだよ! そんな果樹園を遊び半分で燃やすな、キチガイ! 殺したかったら、お前らだけで殺し合ってろ! バカ傭兵野郎! 五本目よ。これはあたしの左目をくり抜いた恨み。なんであんなことすんだよ。すごい痛いんだぞ、わかってんのか! このマヌケ! うわ! 汚い! 失禁すんな、ボケ野郎! 性器を切り取ってやる。どうだ、もう女を乱暴できないでしょ、感謝しろ、変態野郎! うるさい! 汚い声で騒ぐな、肛門にぶっ刺してやる。ウヒャヒャ、一生、痔だねえ、けど、もうすぐ死ぬけどね、あんたは。だいたい、なんでこんな酷いことをあたしにさせるんだよ、ああん、なんでこんなことさせるんだって聞いてんだよ、なんでさせんだって聞いてんだあ! なんでだって聞いてんだよ、馬鹿野郎! なんでだって聞いてんだ、このクソバカアホタレキチガイ傭兵が。どうなんだよ、お前が全部悪いんだろ! 聞いてんのか、この野郎! ああ、むかつく! 左腕を振り回すな、血がそこら中に飛び散るだろが、ボケナス! 引きちぎってやる! お前ら引っ張れ! なんだよ、ちぎれねえじゃん、クソッタレ! もっと引っ張れ! お前の剣で腕に切り込みを入れてやる。そりゃ! ウヒャヒャ、やっとちぎれた。笑える。ギャハハ! なに転げ回ってんだよ! 血が大量に出てるわね。嬉しいのか、ウヒャヒャ。でも、まだ、死なせないよ。もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、苦しませてやる。さて、暖炉の火掻き棒で切断面を熱してあげるわね。ありがたく思え。ヒヒヒ! なに悲鳴あげてんだ。出血止めてやったのに。クソ野郎が! ああ、もう面倒だ! 次は右手の指五本まとめて切断よ! これはジャンヌねえちゃんの恨みだ。ねえちゃんを辱めやがって! あんな優しいねえちゃんを酷い目に遭わせやがって! いつも笑顔で優しいねえちゃん、誰に対してもいつも優しいねえちゃん、あたしを虐めたことなんて一度もない、そんなねえちゃんにあたしの顔をナイフで無理矢理傷つけさせるなんて、なんであんな酷いことさせたんだよ、なんでだ、やい、ゴミ野郎! なんであんなことさせんだ、ボケ! なんでだって聞いてんだよ、このバカヤロー! とにかくねえちゃんを返せ! 返せって言ってんだよ、やい、このウジ虫! 返せ! このボケ! やい、ねえちゃんを返せ! すぐに返せって言ってんだよ! 返せ、返せ、返せ、すぐに返せって言ってんのが聞こえてねーのかよ! 聞こえてねーのか、返せ、返せ、返せ、返せ、ボケ傭兵。ああん、返せないって。そりゃそうだよな、あんたが殺したんだからな。だったら、あたしは、お前が死んでも許さない! 地獄に落ちても許さない! 神様が許そうが、悪魔が許そうが、そこら辺這いずってるゴキブリが許そうが、あたしが許さない! 絶対に許さない! おい、聞いてんのか! 聞いてんのかよ! 聞いてんのかって言ってんだろ! 聞いてんのかー! クソッタレ! もう、あたしは何がなんだか、何をしゃべっているのかわからなくなってきた、お前のせいだ、クソ傭兵! 狂った、狂ったよ、狂っちまった、もうあたしは狂ったんだよ! どうしてくれる、どうしてくれるんだあ! ウギャー! お前は地獄行きだよ、おめでとう! しかし、あたしはどうすりゃいいんだよ、この野郎! 天国の神様もあたしを見放した! 地獄の悪魔もあたしを追い出した! あたしはどこへ行けばいいんだよ、このクソ傭兵! 死ね!」

 

 アンナが傭兵を切り刻んでいく。

 悲鳴を上げ続ける傭兵を見て、再び爆笑しながら周りではやし立てる農民たち。

 ますます盛り上がってるぞ、こいつら。


 凄惨な拷問が続くのを小屋の窓から見ていた俺は気分が悪くなった。

 隣に立っていたエミールが小屋から離れると近くの木の根元にゲロを吐いている。

 そのままへたり込んでしまった。

 ガストンは無表情で、小屋の中で繰り広げられているアンナと農民たちのキチガイ沙汰をただじっと見ている。


 俺が窓から見ているのに気づいたアンナが言った。

「あら、そこにいたの。あんたもやってみる」

「……遠慮しておくよ」

「ふん、意気地なし」


 こんな酷いことをするなら意気地なしでいいと俺は思った。

 片目で血まみれになってナイフを振るう狂った化け物が目の前にいる。

 

「もう、悪魔も逃げ出す化け物になっちまったな、お前」

 俺が声をかけるとアンナはニヤリと笑った。




「あたしは化け物じゃない、人間よ。ただの平凡な女よ」




 傭兵がついに命乞いをした。

「た、頼む、助けてくれ……」

「わかったわ。じゃあ、あんたらが今まで略奪してきたものがあるでしょ。それどこに隠してあるの」

「喋ったら許してくれるか」

「もちろん。拷問も飽きてきたからね」

「こ、この小屋の床下だ……」


 農民たちが床を探ると金貨や銀貨、装飾品などの財宝が隠してあった。

「けっこうあるわねえ。これは軍資金にするわ。さて、次は足の指だったかしら、その後は全身の皮膚をこのナイフで剥いでやる。楽しみに待ってろ、このクソ野郎、イヒヒヒヒ」

「おい、助けるって言っただろ、もうやめてくれ」


 泣きながら命乞いする傭兵のボスを見てアンナはニヤニヤ笑う。

「そんなこと信じてたの、傭兵さん。傭兵のくせに甘いわね。馬鹿じゃないの」


 再び凄惨な拷問は続いた。

 その光景を見て、この世の地獄だと俺は思った。


 しばらくして傭兵が虫の息で言った。

「……も、もう一思いに剣で刺し殺してくれ」

「はーい、わかりました。おい、お前ら、こいつを暖炉に放り込め!」


 傭兵は農民たちに担ぎあげられ暖炉前まで連れていかれる。

「お、おい、頼むよ。剣で一気に殺してくれよ」

「うるせーんだよ、このクソ野郎! わかったよ、剣じゃなくてナイフで刺してやるよ」


 アンナは傭兵の残った目にナイフを突き刺して目の玉をほじくり返す。

「や、やめてくれえ」

 再び悲鳴を上げる傭兵のボス。

「ウヒャヒャ、ざまあみろ。さて、この世の地獄を味わいな」


 アンナが農民たちに命令した。

「ほら、あんたたち、さっさと叩き込め!」

 暖炉に叩き込まれる傭兵のボス。

「ひい、助けてくれ」

 泣き叫ぶ傭兵のボス。農民たちはそれを指差してあざ笑う。


「そうね、ちょっとかわいそうかしら。水で冷やしてあげましょう」

 暖炉から大火傷している傭兵を一旦引きずり出す。

「塩を持ってこい!」

 アンナが命令する。


「……お、おい、何するんだよ……」

 怯える傭兵。

「火傷には水でしょ。水と言っても塩水だけど」

 アンナは農民に命令して傭兵の火傷に塩水をすり込ませる。

 そいつはさらに悲鳴をあげた。

 またもや爆笑する農民たち。

 何度か繰り返したのち、ほとんど動かなくなったそいつは暖炉に突っ込まれて、絶叫をあげながら焼き殺された。


「あたしらは傭兵どもやっつけた。勝った、勝った、大勝利!」

 アンナは大声でわめいている。農民たちもみな興奮して大声を叫んでいる。


 連中の狂態を見て俺はガストンに聞いた。

「残酷さでは農民も傭兵も変わらないんじゃないのか」

「まあ、もともと村のはぐれ者が傭兵になったりするからなあ」


「こんな事をして後悔とかしないのかね」

「……そうだなあ、後悔する奴もいれば、平然としている奴もいるし、記憶をなくす奴もいる。もっと狂暴になる奴もいるな。そもそも自分が何をやっているのかわからなくなってくる奴もいる。それに、体がデカくていかにも強そうな奴がいざという時、体が震えて何も出来なかったり、逆にチビで瘦せた貧相なのがもの凄く残酷なことをしたりと、人それぞれだよ」


「……あんたも傭兵をやってたころあんなことをしたのか」

「うーん……」

 俺の問いにガストンは答えなかった。

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