事件1 フラグ探偵最初の事件
題名を見て想像出来た方がほとんどだと思います。
よければ読んでみてください。
短編もあります。同じ内容ですが・・・。
「犯人はあなただ!」
そう言って、探偵は1人の男性を指差す。
この事件は探偵が初めて解決する事件。
この事件は、とある山の中にある別荘で起きた。
名のない探偵、如月 柚薇樹が金持ちの親戚である哲弘叔父さんの誕生日パーティーに呼ばれた日のことだった。パーティーを楽しんでいると、
「きゃあああああああああぁぁぁ!!!」
という悲鳴が聞こえた。如月を含む数人が、急いで悲鳴の聞こえた方へ行くと、そこは哲弘叔父さんの部屋だというのが分かった。メイドが膝を床につけ、
「あ…あぁ…ご主人様…?」
と泣いていた。部屋の中を覗くと、ナイフで滅多刺しにされた様な哲弘叔父さんの姿があった。息はなさそうだった。そこで柚薇樹が気付いた。
(あれ?奏次叔父さんがいない。)
この時点でもう、柚薇樹には犯人が奏次叔父さんが犯人であるという事が分かっていた。
「哲弘叔父さん…」
「なんであんな事に…」
皆が大広間泣いていると、バァン!!という音と共に柚薇樹が入ってきた。
「皆さん、ご安心を。犯人はもう分かっています。警察にも通報しました。」
「は、犯人が分かった⁉︎」
「だ、誰だ!誰が殺ったんだ⁉︎」
柚薇樹はすうっと息をし、
「哲弘叔父さんを殺した犯人は……。あなただ!奏次叔父さん!」
そう言って柚薇樹は奏次叔父さんを指差した。
だが、犯人が簡単に認めるわけもなく、
「しょ、証拠はあるのか!」
と叫ぶ様に言う。
「いえ、ありません。」
「「「「「え」」」」」
この場にいる柚薇樹以外の全員が絶句する。
「ですが、私はあなたが犯人だとしか思えないんですよ。」
「しょっ、証拠もないのになにを根拠に言っている!」
「………ですよ。」
「なんだ?はっきり言え!!」
「フラグですよ!」
「「「「「は?」」」」」
この場にいる柚薇樹以外の全員が硬直する。
「私の犯人フラグランキングは、
『自分が犯人だと言われた場合「証拠はあるのか」』が1位!
『他の人が遺体を見つけた時、その場にいない』が2位!
『私はなにも知らない』が3位なんですよ!」
「し、知るかそんな事!ただフラグが立っただけじゃないか!」
「あ、今フラグ立ったって認めましたね。フラグは立ったもん勝ちなんですよ!」
この場にいる柚薇樹と奏次叔父さん以外の全員が、フラグって立ったもん勝ちなの?、と思っていた。
「ぐっ、そうだよ。私が哲弘を殺したんだ。哲弘は、私の妻を殺したんだ。だから、哲弘が妻を殺した方法で……。ナイフで滅多刺しにして殺したんだ。」
この場にいる柚薇樹と奏次叔父さん以外の全員が、なんでフラグ立てただけで犯人分かるんだろう、と思い、そして、奏次叔父さん諦めるの早すぎだろう、と思っていた。
しばらくすると警察が来て、奏次叔父さんを連れて行った。
「いやあ、ありがとう如月君!君は将来名探偵になるだろうなあ!」
と警部さんが言う。
この場にいる柚薇樹と警察以外の全員が、推理(?)を見ていた全員が、それはないだろう、と思っていた。
あの事件から2年経った今、如月 柚薇樹は世間を揺るがす名探偵になっている。
『ゆらぎ』だけに、ね。
そんな柚薇樹の『名』探偵としての活動を覗ます!