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天地開闢  作者: 白銀 蒼海
序章
1/8

『二人なら』

「私、地球が滅んでよかったって思っちゃったの」


 面食らってしまった。まさかそんなことを思っていたなんて。


「どうして?」

「だって、貴女に逢えたから」

「なんだ。それは私も一緒だよ」


 私は左手で握った彼女の右手を、より強く握り返した。


「ねぇ、こわい?」

「…こわいかな。」


 私は目をつぶる。


「こわいけど、でも――」


 あの時とは違い、諦めるためじゃない。やるべきことを、思い出すために。

 目を開けて、笑いながら答える。


「みんなが守ってくれる。それに、隣にはエルがいる」


 彼女は少し下を向いた。そして、優しく微笑んだ。


「じゃ、私も隣にミキがいるから平気かな」

「そっか。よかった」


 私たちはお互いに、握った手を離す。

 もう大丈夫だから。手を繋いでいなくても、隣にいるから。


 二人で空を見上げる。天候は最悪だ。


 天を穿つ雷鳴。

 地を抉る暴風。


 それでも行く。二人なら行ける。

 私は剣を、彼女は拳を握る。


 セカイを取り戻すため?

 大切なものを守るため?


 建前はもう十分だ。


 だから、ここにいる理由は。


 あのイカれた男を。


 理不尽をぶった切るッッ!


 覚悟は決まったか?進む準備はできたか?


 じゃあそろそろ…


「行こう」「行くか」


 ――身体の震えは、いつの間にか止まっていた。




 これは序章。


 私たちの物語の始まり。


 長い長い長い人生が、いざ開幕。

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