硝子のパズル
何かが足りない気がする。
しかし私には、その何かがわからない。
「腹が空いているのかもしれない」
そう思ったから、飯をたらふく食べたが、どうやらそうではないらしい。
「睡眠時間がいるのかもしれない」
そう思ったから、半日以上眠っていたが、どうやらそうでもないらしい。
「貴方を求めてるのかもしれない」
そう思ったから、貴方の心を盗んでみたが、どうやらそうでもないらしい。
なぜだろう、足りない気がする。
何が足りないというのだろう。
私はどうしても満たされない。私はどうして満たされない?
何かが足りないのに、わからない。
食っても寝ても、貴方と居ても。私は何かが足りていない。
それはまるで硝子のパズルのようなもの。透明で小さくて、見つけにくくて完成しにくい。
バラバラに散らばる硝子のパズル。その数は未知数。どれだけあるかも、わからない。
私は大きなパズルの枠に、ぱちぱちとピースをはめていく。
しかし、ぽっかり隙間が空いている。透明硝子の残りのピースがどこにあるのかは、わからない。
ピースの足りないパズルは、完成という名をもらえない。
私は、はまったピースたちを、ただ茫然と眺めている。
完成できない私は、今日も街に出る。
透明硝子でできた小さなパズルのピースを探すために、街に揺蕩う。
しかし、私のパズルは終わらない。
綺麗な綺麗な硝子のピース。お前は、一体どこに落ちている?
聞く相手がいない言葉は、夜空を見上げる吐息に溶けた。
硝子の様に綺麗なあなたへ。