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愛×哀集  作者: 緋和皐月
22/24

究極理系×恋愛+a



「「……はっ!」」



 とあるイタリアレストランから出てきた男女2人が、驚いたような声を上げた。



「どったの、○ちゃん?」


「どうしたんだ、◇くん?」



 心配した友人たちが、声をかけると。



「今、私の脳内の化学物質のバランスが崩れていることが分かったわ!」


「僕も同じだ! 何かに反応して、僕のドーパミン、セロトニン、ノルエピネフリンのバランスが崩れていた!」



 そんな2人の言葉に、友人たちの目が点になる。

 が、2人はそれを気にも留めない。



「まさか、この動悸は、目の前にいるあなたのせいで起きているものなのかしら?」


「いや、それは恐らく君のドーパミンのせいだ!そして僕は、僕のノルエピネフリンが増えたせいで、君のことで頭がいっぱいだ!」



 ああ、◇! ああ、○!

 2人は、お互いの手をしっかりと握った。



「君のことが気になって、僕はたまらない!」


「あなたのセロトニンが、わたしに恋しているのね!」



 互いの瞳の中を見つめて、2人は叫ぶ。



「「これはまさか……運命の恋!」」



 きらきらとした、2人の瞳。これを見てしまった友人は、『あ、詰んだ』と悟った。



「この恋の始まりは何だろう?」


「きっと一緒に食事をして満腹度も高まり、ドーパミンとエンドルフィンが分泌されたのね!」



 ちなみにこの2人は、先ほどまで友人たちとイタリアンレストランの食事を楽しんでいた。



「チーズの乗ったピザと赤ワインを共に飲食したものだから、それによってPhenyl(フェニル)ethyl(エチル)amine(アミン)、通称PEAも分泌されたに違いない!」



 確かにこの2人が食べた料理の中には、パルメザンチーズやカマンベールチーズなど、様々なチーズが乗せられたピザも含まれていた。

 そして、それと共に赤ワインを口にしていた。



「ときめきホルモンと呼ばれるPEAが分泌し続けるのは3〜4年、つまりこの恋は長くても4年間しか続かないのね!」


「なんて悲しい恋なんだろう?」


「わたしたちの恋は、どこまで燃え上がって、どこで燃え尽きるかしら?」


「それはこれから研究して行こうじゃないか!」


「そうね、恋が始まったばかりのわたしたちがタッグを組んだら最強だわ!」



 完全に蚊帳の外の友人たちは、呆気にとられて酔いも覚め……



「わあ、何言ってんのか、全っっ然、分かんないお☆」


「理系人間の思考回路なんて理解不能めう〜」


「うぇへへパスタ美味しズルルルルルッ」


「ちょっ、お客様!? 店外に当店の食器を持ち出さないでください!」



 皆の酔いは完全に回っていた。


 酔いも加わりヒートアップしていく、極端すぎる理系2人。

 酔うと知能レベルが低すぎて、そもそも話についていけない友人たち。


 ……のちに、唯一素面(シラフ)だった友人は、こう呟いたという。



Re:酔いから始まる究極理系恋愛。〜+カオスな友人たち〜









しとしと真面目な短編でしたが、コメディ入れずには、いられなかった。

すんまへん。

許してくれんめす☆〜(ゝ。∂)

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