(78)安心
今回はアイルとロイの回です☆
アイルは暗い表情で表を眺めやった。
さっきまで育ての親である伯父の様子を見ていた。
自分が消えたことで非公式だが伯父の家も調べられたし、伯父にも色々取り調べが入ったのだ。
だが当然伯父は能力のことも研究所のことも何も知らないので取り調べは何も得ずに終わった。
逆に伯父は色々な質問で知らなかったことを聞かされ、初耳、寝耳に水で初めて知った事実に頭を抱えていた。
恩人に余計な心配をかけてしまっている。
本当は今すぐにでも伯父の元へ行き、たとえ取り繕いでも説明して詫びたい。
だがそうすると伯父に迷惑がかかってしまうだろう。裏で既に殺されることに決まっている人間が訪れてそのまま帰したとあってはもしバレた時かくまったことになり何らかの責を負わされるだろう。
「伯父様…申し訳ありません」
そっと呟く。
全て隠していて悪かった。
だがあの失敗さえ無かったら隠したままで全て成し遂げられる筈だった。
あの失敗さえ無かったら。
魔物の力も巫女の力も侮っていた。両方ともあんなハコには収まらないのだ。
「アイル、どうしたの」
「…伯父様のことを考えていた」
ロイは腕を組んだ。
「会いに行ったら?空間移動で夜に直接寝室に行けばいい」
「しかし」
「仕方ないよ。伯父さんだけにはバレてもいいよ、きっと黙っていてくれる。っていうか、牢屋から逃げた時からもう俺たちは妖術使いなことになっているからね」
「それもそうだが…」
アイルは悩んだ。が、ロイの言う通り、会いに行くと決める。
夜、遠見で伯父が寝室に入ったのを確認して、まずはテレパシーで話かける。
―――――伯父様、アイルです。今すぐ会いに行きますから絶対に声を立てないで下さい
伯父、ラウルは突然頭に直接聞こえた声に驚いて辺りを見回す。
室内の一点に青白い光が生じ、人が通れるくらいになると中からアイルが現れ、人差し指を口の前に立てた。
「ご無沙汰しております伯父様」
光の扉は消滅する。
「おお…アイル、一体どこから…」
「伯父様、私は妖術使いではないけど、確かに不思議な力を使います。今まで黙っていてすみません。
でも仕方ないのです。この所迷惑と心配をかけてしまったことを詫びに来ました。見つからないように術で直接寝室に現れさせて貰いました。どうかこの事と今私が来たことは秘密にして下さい」
「わかった。秘密は絶対に守ろう。
ところでお前は今どこにいるんだ?安全なんだろうね?」
アイルは胸が痛んだ。
「はい、それに安心して。私は何があろうと逃げることは可能だから」
「そうか」
ラウルは優しく笑んだ。その笑んだ顔に疲れが見て取れる。
「それで、最近取り調べられたと思うけど」
アイルは研究所について簡単に、言える範囲を話して言った。
「復讐のためだった。あの実験に成功したら、あいつらにだけ実施してやって、あいつらを滅茶苦茶にして、そして罪を明るみに出してから、順に殺していくはずだった。
そして万朶や研究所の職員達は記憶を操って“心理学の研究は終了した”ことにして解雇するはずだったの」
「どうして失敗したんだ?」
「それは…電気系統が壊れてしまったの」
「そうか、残念だったな。だがそいつらはこないだ謎の死を遂げたぞ」
「それをやったのは…私です。だけど目撃者はいないから原因不明のままでどうにかなるわ。この通り、術を使いました。
私自身も追われる身で、長引かせてはいられず、あのようにしました。だけどもうこれで私達を狙う者はいないから、今は戻れないけど大丈夫」
「そうか、…よくやったよ…仇をとるのはお前の悲願だったからな。これであいつも浮かばれる…。
…だがもう少し目立たないやり方をすれば良かったがな。…まあ何よりお前が無事なことが大事なんだ」
疲れたように言い、両手を広げたラウルは涙ぐんでいた。アイルはラウルとしっかり抱き合った。
「これでこの国の悪玉は消えたし、大きな目で見ればいいのだろう」
「伯父様…」
離れて言った。
「もう帰るわ。くれぐれも今日のことは秘密にしてね?
じゃあまた、そのうちに」
「気をつけてな」
アイルは光の扉に消えた。
戻って来たアイルにロイが笑む。
「どうだった?」
「ああ、会いに行って良かったよ」
そう言ったアイルは久しぶりに柔らかい表情をしていた。
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ノンコノユメはねー、栗毛でやや小柄なオスで、赤いマスクがよく似合うの。直線の豪脚はカッコいい!ゴール前で外側でなければいいのに…!!
出れるかな?百位内では上位だけど、…




