(77)you are like the moon
今回は、いい感じです☆
一夜、言ったね~☆
片付け後、威咲は先に部屋に戻ってしまった。
威咲が何を考えているか大体想像がつく。
一夜は息を1つつくと自分も部屋に戻る。
「珍しいな、居間に寄らないなんて」
「うん…ちょっと考え事したくて。一夜は?」
「俺は別に何も無いけどさ」
「ふうん、でも良かったね。普通に戻れるって」
「ああそうだな。だけど垂華のヤロー久しぶりに意地悪かったな」
「多分昨日の仕返しだよ」
威咲が思い出し笑いをする。
「?何もしてねーけど」
「あのね」
寝たまま垂華の手を払いのけたことを教えると首の後ろをかいた。
「そうか…」
「記憶に無いでしょ」
「まあな」
一夜は威咲のベッドに腰かけた。威咲はベッドの上で膝を抱えている。
「…、一夜は魔物退治が終わったらどうするの?トゥコに帰るの?」
「多分な。タク達もいるし、もう放浪生活もやめどきだろ」
「どこが一番楽しかった?」
「うーん…リタもチタも良かったけどそうだな、クチナでオッサンと暮らしたのが楽しかったかな」
「そうなんだ」
威咲が優しく笑う。
いつも独りだみたく言う一夜にもそんな人がいると思ったのだ。
「お前の考え事ってそれだろ」
「うん…」
膝の前で組んだ手を見ながら言う。
「私はどうしたらいいかなって。また一夜に迷惑かけるわけにもいかないから働いてどこか部屋でも貸りて住もうかなとか、住み込みの仕事を探してみようかなとか」
一夜は聞いて威咲が成長したことを思った。
「そうしたいのか?」
「でもそうしなきゃならないし」
本当はずっと一夜の側にいたいけれど、一夜はどう思っているかわからないしとにかく前と同じでは良くないと思った。それにもう街というものにも慣れた。
「できたら、手紙とかで連絡とり合ってくれるかな?」
少し沈黙が流れた後、一夜が言った。
「あの、さ。もし良かったらついてこいよ」
「え?」
威咲の方を向いて言う。
「お前さえ良かったら、まだ俺と一緒にいていいなら、ついてきてくれねーかな」
威咲がキョトンとして一夜を見た。
「この先もずっと、一緒にいてほしい。出来れば…一生」
「!」
威咲の目が丸くなる。
それって。
ずっと駄目って自分に言い聞かせてきたけど…
もしその時もイサキだったら…
威咲と離れてた間、なんであんなに穴が開いたと感じたんだろうな。
きっとそれには理屈で言える理由なんて無い、自然に、ただどうしようもなかったんだ。
もう威咲が俺の一部になってたんだ。
それはもう、失えないっていうこと。
「どうだ?」
「…一夜?本当に…?」
「ああ、本気で言ってる。お前がいい」
威咲が放心した顔になる。一夜が威咲の目を見ながら続けた。
「ここに戻る前、離れてから分かった。ずっと何かが欠け落ちてしまったみたいだった。何か大事なものを一生失ったような…
こうして今また一緒にいられて改めて思う、もう手放したら駄目だろうなって」
威咲の目に涙がたまる。
「嬉しい…」
ああどうか。後ろめたさはある。
けど私が私でいられる間は、どうか夢を見させて下さい。
「…ずっと、ついてくから…一生一緒にいさせて」
威咲は微笑もうとしたが涙はどんどん出てきて、結局しゃくりあげてしまってなかなか止められなかった。
一夜が威咲の頭を撫でる。
見上げてくる威咲が幼げで頼りないような表情を見せて、一夜は目を細める。
ずっとこのままなら…
しばらくして泣きやんで、二人で月を見上げた。威咲の目尻はまだ少し赤い。
威咲が柔らかく笑んで、上目づかいでいたずらっぽく言う。
「初めの頃ガキになんか興味無いって言ったよね?」
「お前が俺のこと気にしないように言ったんだよ」
一夜が小突いた。真っ白い満月が明るく光っている。
「お前ってなんか月っぽいよな」
青灰色の髪にハシバミ色の瞳。
「そうかな、じゃあ一夜は夜だから、私が一夜を照らしてあげるね」
「バカ言え」
「ねえ、月は昼間も出てるけど夜の方が光ってられるんだよ」
「…知ってる」
威咲ははにかんで、一夜は威咲を抱き寄せた。
…一夜、こここれはプロポーズだよね?よく思いきったよ、おめでとー!!
二人とも、未来ずっと威咲のままか分からないまま、それでも決断しましたね☆その一歩、一線の先に踏み出したのでした。これからも見守って下さい。
さて、明日はcall祝1周年☆ですので、これまでの話の大体の日にちをお教えする特別ページを投稿する予定です。
この話、今何月?とか分からず読んでた人がほとんどだと思います。知りたかった人はそれを見て分かって下さいね!では明日☆




