(76)シャボン玉と、からかい
薄めた洗剤とストローでシャボン玉を吹いてはその行方を追っていた多摩が提案して、威咲も一緒にシャボン玉を量産し始めた。
「見て」
そこら辺はシャボン玉だらけになり、まさしくシャボン玉の海。キラキラ光ってとても綺麗だ。
「すごくキレイ…」
しばらく目を楽しませていつの間にかそれらは消える。
「もう一回しよ」
もう一度辺りをシャボン玉で埋め尽くす。
「できた」
その時風が舞い上がってシャボン玉が逆巻いて高く上がった。そして散ってゆっくり落ちてくる。
そこに一夜が来て出窓から声をかけた。
「珍しいことしてんじゃん」
「あ、一夜、うん。多摩ちゃんが液作ったの」
「へー、久しぶりに見た」
「一夜もやる?」
威咲がストローの端を拭いて渡して、一夜がそれで吹いた。
大きく吹いて割れてしまい、やり直して一気にフーッと吹いた。
「こうやってたくさん作って眺めてたのよ」
3人でひとしきり吹いて眺めた。
シャボン玉を眺める一夜の横顔を見て多摩はあることを言わないとなと思った。
夕飯の時に言うことにする。
今日の夕飯は威咲が作った野菜と肉の汁物に小麦粉で作った団子が入ったものだ。
「いただきます」
「いただきます、…あつ、まだ熱いね」
「俺は食べれるよ」
「ゆっくり食おうぜ」
今言っちゃお。
「あの、言ってなかったことなんだけど、これから先ね、」
3人が多摩を見た。威咲と一夜を見て言う。
「魔物を退治し終わったら、あとは普通に暮らしていけるわよ?今まではね、退治が終わったら皆それぞれの生活に戻ってバラバラになったのよ。
勿論テレパシーで会話出来るから離れて暮らすだけよ?その時々で違ったけど、皆好きなように。
だから、今は退治に全て傾けてるけど、終わるまでなの。終わったら解散なのよ、あたし達。ね、そうよね」
垂華も頷いた。
「皆普通に仕事しないといけないし、それぞれの人生があるからね」
「実は心配してたでしょ?この先どうなるのか」
一夜は威咲を見ると目が合った。
「…そっか、俺本当にその心配してたからさ、安心したわ。普通に戻れるんだな」
だがすぐにあることに気づく。
「お前らはテレパシー出来るけど、俺は何の力も無いから解散したらもう話せないな」
「一夜、俺と離れることが悲しいの?」
「嬉しい、寂しがってくれた」
「あ、いや」
垂華がクスリと笑って言う。
「手紙があるよ。連絡先くらいは教え合おう」
「そうよね。あたしは絶対一夜君に手紙書くからね」
そして垂華が少し意地悪そうに言った。
「まあ、その気になれば今一夜がどうしてるかとか覗き見することも出来るしね」
「そうね」
「お前らそれはやめろ」
「一夜、何を言ってももう一夜と俺は繋がっているんだぞ」
手の平を指して言う。
「あ、威咲ちゃんともだよね」
「う、うん」
「垂華、絶対覗くなよ?」
「冗談さ。繋ぐ時は必ず先に声かけるよ約束する」
呆れたように言ってまた食べ始めるがまた少し意地悪そうな笑みを浮かべる。
「そんなに覗かれたくないの?」
「~…別にいいけど!」
「本当にただの冗談だからね?古くからの仲間内のルールよ」
多摩があっさり言った。垂華も何事も無いように続けて言う。
「それに、実は連絡とれなくなる訳じゃないんだよね。今と同じなんだ。
今は俺が施した術で一夜からも呼びかけられるだろ?まあ俺限定だけど。それは俺が術を解くか、死ぬまで継続されるってわけさ」
「最初からそう言えよ」
「ごめんごめん、面白いからつい」
ドンタコスったらドンタコス
くいたいけど、今日は我慢~…カロリー計算上あと80キロカロリーしか取っちゃ駄目なのだ。
ちょびっとだけ食えばいいけど、やっぱり二分の一くいたいからね…(いつも半分ずつ二日かけて食うの)
また一夜がからかわれてて、各キャラの役割分担が見えてたね☆次回、絶対に見てね!!




