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CALL  作者: スピカ
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●(75)あの雲の味は?

一夜が可愛い?

 夕方、外で一夜(いちや)多摩(たま)がキャッチボールをしていて、威咲(いさき)垂華(すいか)はそれを見ていた。

 夕焼けのオレンジを見て、威咲がおもむろに言い出す。

「ねえ、明日晴れたら皆で出かけない?」

 手を止めて二人が振り向く。

「どこに?」

「山とか」

 ニコニコして言う。

「あたしはいいけど」

「まあ、俺も別に」

「垂華君は?」

「いいよ」

「じゃあ決まりね!」

 嬉しそうに言った。




 翌日、空は晴れていた。なので簡単にパンにバターを塗り、お茶を持って準備完了、移動は直通、空間移動を使った。

 あっという間に山の中腹に着く。

 小鳥の声と風の音に沢のせせらぎが聞こえる。

「いい気持ち。来て良かったね」


 周辺を散策して、日当たりのいい場所を見つけるとそこは泉だった。

 泉を囲む草むらに垂華は腰を下ろして、3人は膝まで水に浸かって遊んだ。

「垂華もこっち来てみろよ!」

「いや、俺はいいよ水は苦手なんだ」

「そうか?」

 少し残念だがそのまま水を蹴り合ったりして遊んだ。

 やがて足が冷えたので水から上がり、濡れた上着を木にかけて干す。

 日向(ひなた)に出て並んで寝転んだ。

「あの雲なーんだ?」

 威咲が指さした。

「うーん、馬かなぁ…」

「そうだよねなんか動物っぽいよね」

 綿をちぎったような雲が浮かんでいる。

「空の馬、ペガサスね」

「あれは天使に似てる」

「天使かぁ」

「こうして手を伸ばしたら届けばいいのに。フワフワしてておいしそう」

「水滴の塊だろ?」

「私もお父さんから教わって知ってるけど、でもそう思うんだもん」

「威咲ちゃんは純真無垢よね。あたしアイスクリーム味がいい」

 虫が寄ってこないように結界を張ってあるから安心して寝ていられる。

 日差しが心地良くて皆無言で目を閉じる。


 しばらくして威咲は起き上がって一夜を見た。本当に眠ったようだ。

 威咲はあることを思いついてそっと一夜の側に移動した。

 顔の横にある手の平に指を乗せてみると、眠ったまま一夜が威咲の指を握った。

 それに気づいた二人が身を起こす。

「あら、赤ちゃんみたいね」

「面白いな。俺にもさせて」

 ということで威咲が指を抜くとまた手の平は開いた。垂華が同じく指を置く。

「う…ん」

 小さく(うめ)くとバシッと指を払いのけた。

「…本当に寝てるんだよな?」

「と思うけど」

 多摩が声を出して笑う。

「一夜のやつ、どこで区別してるんだよ~」

 垂華がガックリ肩を落として見せる。

「ん…?何」

 一夜が目を覚ました。

「なんでもないよ。ほんとよく寝るね」

「?ああ、まーな。ところで飯にしねえ?腹減ったんだけど」

「そうだね。ご飯にしよっか」

 バターパンとお茶だけだが山で食べるといつもより美味しい気がする。


挿絵(By みてみん)


 空間移動で頂上から景色を眺めてから帰った。

「次があっても悪くないわね」

「楽しかったね」

 帰る前に山で摘んだ花をコップに浮かべて居間に置いた。





 あと休みは4日ある。昨日の山登りはちょうどいいレクリエーションになった。採ってきた木苺も美味しく食べた。

 威咲は今日も垂華とあの二人に呼びかけている。

「…」

――――――敵対関係だったことは全部水に流そう?また昔みたいに仲良くしようよ

「…、駄目だ、全然返事してくれない」

 威咲が集中を解いて言った。

「でも諦めたら駄目だよね。頑張らないと。また明日お願いします」

 絶対、見捨てちゃ駄目だと思うから。





腹減った。大福餅とかくいたいかも。今ここに無いけど。


一夜はどこで垂華と威咲を区別したのでしょう?

本能かも。後の危険(からかい)を避けました。

ちなみに一夜はほとんどイビキはかかないよ☆

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