(74)残りの一人
もうすぐ連載開始して1年になるよ…隔日だからまだ74話だけど、もうそんなになるのかにゃー☆
その頃、例の生き残った一人が自室で行ったり来たりしながら考えていた。
「関係者ばかりが死んだな」
顎に手を当てて言う。
「それも二日間で。死んだ弔問客達にも本人にも病気などはなかった。一体どうやって死んだんだ?それも一度に五ヵ所で同じように。まるで人ならざる者の仕業かと皆言っている」
そこで立ち止まる。
実はそれには心当たりがある。
こないだ爆発して職員が皆死んだ研究所。そこで一人だけ生き残った男とその時たまたま外出中だったリーダーの女。
所長だったやつは処刑されたが、捕らえられた二人はなんと牢から消えたそうだ。
そのことは内密で、失踪したってことにされたらしいが。
俺は妖術の類だと思っている。
処刑されたやつが前にこっそり教えてくれたが、なんでも二人は不思議な力を使う一族で、その一族には巫女がいて、詳しくは知らないが物凄い力があるそうだ。
彼らは転生するそうで、今の巫女には魔物がすくっていて、それを使えば戦争も起こせるという。
おそらくそれに失敗したのだよ。
あの研究所は巫女を装置に繋ぎ、禍気を電波にして飛ばして人心を荒廃させ同時に眠っている魔物を目覚めさせるのが目的だったんだ。
「本当か?本当だったら凄い話だ」
否、本当だから爆発したんだ。
おそらく巫女は一度捕らえられて装置に繋がれたが、力を爆発させて逃げたんだろう。電気事故なんて嘘さ。
…兎に角、あの二人、アイルとロイは妖術使いだ。
それに、アイルという女、奴らが消した議員の一人娘らしい。奴らを告発して不正を明るみに出そうとしたバートンの…。仇討ちだとすると辻褄が合う。
研究所は、国内を戦争にして現政権を失墜させるためだったのだろう。そこは万朶の望みに沿ったのか…
…まあ、俺が興味があるのは巫女さ。巫女を捕まえて魔物を使って戦争をコントロールしてやる。
この話を知っているのは俺だけだ。他言は無用だ。
「ねえ垂華君、私から直接話せないかな?」
「…出来るよ」
本当に心底お人好しなんだな、と思い垂華は微笑んだ。
二人向き合って座り、垂華が威咲の手をとり軽く握った。
そうすることで自分の力を伝えて威咲の意識もテレパシーに繋げるのだ。そしてアイルとロイに繋ぐ。
垂華がいいよという合図を出したので威咲は頭の中で話しかけてみる。
――――――こんにちは、私は威咲です。垂華君にお願いして話しかけさせて貰っています。
…あなた達は神官ですよね?どうして私を狙ったのかは知らないけど、私は怒ってないのでどうか戻ってきてくれませんか?できればまた5人揃って仲良くしましょう。ううん絶対、仲間なら今の状態は不自然だと思う。だから、すぐには戻る気になれないような色々なことがあったかもしれないけど、全ては水に流そう?
返事は無いが聞こえていると信じて続ける。
――――――待ってます。いつだってずっと。また一緒に遊んだり笑ったりしましょう?だから、責めたりなんかしないから、戻ってきて。お願い。本当に待ってるから。
言い終わったと合図する。垂華が頷いて手を離した。
「返事、してくれなかったね」
一方的な話しかけは心を萎ませる。
「あいつらだって意地を張るだろうし。目的は果たしたはずだからもう敵対する必要は無いんだけどね。時間がかかると思うよ」
「そうだね。じゃあ、こっちも根気よく呼びかけ続けよう」
威咲が小さくガッツポーズして垂華を元気づけるようにした。
「気長にいきますか」
垂華は苦笑して、かなわないなぁと思った。
サイン入りCD届いた☆生ペン文字が!!!
しかもね、購入時のラップまでついてて(情報がちょこっと書いた丸いシールまで!CDを取り出すための捲る部分しか欠けてない)、超ファンじゃん!ここまでファンなのになんで手放したの???と思い、まさか死んだとかで家族が売ったとか?など考えました。
これ程大切にされていたものなら、私も受け継いで大切にしていくよ‼
宝物だよ‼
という訳で私にとっても大好き!神!天才!なので、大事にする…
木下氏は最近声質がかわってきたかな、と感じますが、出来る限りやっていって欲しいです。




