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CALL  作者: スピカ
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(14)襲撃者

父親が殺された威咲(いさき)一夜(いちや)は自分の放浪生活に連れていくと決めた。色々あり、今度の目的地で生活し始めたが、威咲が謎の声の夢を見始め悩みだす。誰かが呼んでいる…?

 それから数日後の夜8時前、二人で居間にいた時、威咲(いさき)は倒れた。

 その時一夜(いちや)は新聞を読んでいて、威咲は外の虫の声に耳を澄ませていた。威咲はふいにあの声を聞いた。


――――――――…―――――――

 何かを訴えているような声。なんとなくその声に応えてはいけないと思う。なのに不思議と吸い込まれるように引き寄せられる声。

 威咲はぎゅっと目を閉じた。次の瞬間急に心臓が不規則に高鳴り出して目の前がすうっと真っ暗になり威咲はバランスを崩した。

「あ…っ――――――!!」

 胸を押さえて威咲はその場に倒れ込んだ。

「!?威咲!」

 一夜がすぐに抱き起こして頬を叩いたがぐったりしたまま動かない。

 威咲の瞼の裏には真っ赤な光景が広がっていた。



 幸い呼吸もすぐに普通になり、意識が無いだけなのでとりあえず一夜は威咲を部屋のベッドに寝かせた。

 あの夢を訴え出してから威咲の何かが狂い始めている気がする。一夜は頭を振って変な予感を振り払った。

 満月なので部屋は明るい。

 しばらくすると白い顔の威咲は目を覚ました。

「あれ?私…」

「さっき倒れたんだよ」

「そっか…ごめんね」

 威咲は起き上がった。

「お前何か隠してないか?体調が悪いとか」

「え?そんなことないよ全然大丈夫」

 威咲は顔の前で手をパタパタ振った。一夜が心配してくれて嬉しかった。

「そうか?ならもう寝な。明日は俺が朝飯作るよ」

「いいよ私が」

「明日だけ休みな」

「…」

「気がつかないうちに疲れがたまってたのかもな。お休み。ゆっくり休めよ」

 威咲はうつむいて頷いた。


 翌朝は卵粥と野菜スープだった。




 身体が消える夢は続いた。だんだん身体が消えていき、意識だけになった時、中心に光の玉が見える。それが大きく眩しくなっていき、目を開けていられなくなり、光に飲み込まれそうになる寸前に目が覚める。いつもそうだった。

 光の中に髪の長い女性の形があって、その人がこちらをむく。こちらをじっと見るのだ。

 夢の続きはきっと光に飲まれて私が消えてしまうんじゃないかと思う。だがいつも寸前で目覚める。女性はこちらに手を伸ばせないのだ。

 何かに阻まれ、その瞬間全てかききえ目覚める―――――――

 だがいつも同じなのでいつしか威咲もその夢を気にしなくなり、いつの間にか夢を見なくなった。




 11月半ばのある日、庭で洗濯物を干していると、晴れた空から何かがはらりと降ってきて威咲の鼻に当たって溶けた。

 威咲は空を見上げた。キラキラしながらさっきのと同じ粒が降ってくる。

「雪…?」

 すぐにやんでしまったが威咲は喜んだ。


 それからよく雪が降るようになった。冬だ。

 その年初めて雪が積もったので積もりは浅かったが一夜は威咲を雪合戦に誘った。はしゃいだ威咲は次の日熱を出したのだった。




 数日後の夜中、誰かが家に忍び込んだ。

 鍵が落ちるカタンという音で一夜は目を覚ました。静かに起き上がると耳を澄ませた。

 誰かは威咲の部屋のドアを開けた。

 一夜はベッドから飛び下りた。

「誰だ!?」

「!」

 侵入者は短い刀を抜くと一夜に斬りかかった。

 一夜が()けた隙間からさっと出ると逃げていった。

「威咲大丈夫か」

「う、うんでもどうして私を…」

 震えている。

「多分親父さんを襲った奴と関係があるんじゃないのか?」

「…わからない」

 犯人の心当たりなど、無い。




一夜の優しさが見れました。卵粥と野菜スープっていうのは、なんかいいかなという、なんとなくです。一夜は基本ひねくれてるからなあ(本人あまり自覚ないかも)。

BGMはバンプオブチキンのリビングデッドでした★

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