(108)脅し
アイルはまたオオクラに呼び出された。
「今日呼んだのは確認がしたかったからなんだよ」
「なんだ?手短かに話せ」
「そうか。ならば単刀直入に聞こう…アイル、隣国の機械はなかなか変化が無いが今どんな感じだ?」
「それなら正常に働いている。目に見える効果は出て無いが確実に人心を蝕んでいるだろう」
「…嘘をついているな?」
「―――――――」
はったりか?まさか
「惚ける必要は無いぞ。
様子が気になってお前達にバレないように密かに密偵をやったんだ。その報告によれば機械はことごとく消えていたらしい。
なのにお前は今も機械は正常に働いていると言った。いつから嘘をついていた?」
「…」
やられた。
いやこれも予測出来ていたことだ。だがもう少し時間を稼げると思っていたのに。
「俺を舐めているな?ちゃんと言った筈だぞ?ヘタなことをするとラウル議員が危ないと。
事故にでも遭わせてやろうか?」
「やめろ!あの人に手を出したらただではおかない!」
「おや、それも言った筈だねぇ。どうなるのかを」
「く…」
「ふん、私は暴力は好まないんだ。今回は大目に見てやる…その代わりの策を考えろ。そして必ず遂行しろ。変な気を起こさずにな。
もしまた今回のような事をしたらラウル議員に何か起こると思え」
「…少し時間をくれ。必ずやるから」
オオクラはアイルを観察するように見てから言った。
アイルは無表情だった。
オオクラはパイプをポケットから取り出し火を着けた。
「いい報告をな」
煙を吐きながら上からアイルを見て言った。
去っていくオオクラの後ろ姿をアイルは静かに睨んだ。
ラウルはアイルの伯父で、養父です。
スピカん家から見える河原の柳が薄緑の小さな葉っぱをいっぱいにしてるよ☆
スピカん家は河まで50mぐらいかな。この小さな葉っぱの色、好きです!目に柔らかいですよねー




