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第5話





第5話 非日常は突然に



『昨夜、高校二年生の女子生徒が行方不明になり、現在も捜査が行われています』



夏休み明け、リノ達が通う高校の生徒が行方不明になった。

生徒の親から捜査を依頼された色と零士は情報を頼りに駅に向かった。



「とりあえず、天ノ原の生徒中心にいくか?行方不明の生徒はリノ達と同じ学校やし」



「そうだな」



一方、リノは授業を終えて、帰る準備をしていた。その時、クラスの女子が慌てて教室を飛び出した。



「どうしたの?」



「今、SNS見たら、駅前にイケメンの二人組が現れたって!行方不明の生徒の情報を探しているらしいよ!」



女子生徒がリノに画像を見せた。

一緒にいた、シンも画像を見た。



「えっと、この二人って……」



「間違いない。あの二人だな」



一方、色と零士は大勢の女性に囲まれていた。



「ちょっ…何でこんなに人がおるんや!!」



「わからない。ただ、情報収集はしやすいな」



「いや、多すぎて、収集しにくいわ!」



一方、リノとシンは色達がいる駅前に向かった。



「あ!いた!おーい、色兄!零兄!」



シンは大声で色達の名前を叫んだ。



「シン!?」



「SNSで色兄達の画像が貼られていたから見にきたけど、なんか大変なことになってないか?!」



「SNS?まさかそれが原因か?!」



「しかし、仮にそれが原因だとしても、誰が拡散させたんでしょう?」



「いや、色、何でさっきからそんな冷静なん?!」



その時、リノの横を女性が通っていった。女性はフードをかぶっていて、顔が見えなかった。



その後、事務所



「はぁ…ひどい目にあった…結局、これと言った情報はなかったし…」



「お疲れさまです。零士さん」



零士は事務所のテレビをつけた。番組の予告で、一人の女性が写っていた。



『今回のゲストはバイオリニスト、十賀叶子とが ようこさんです』



「へぇー、バイオリニスト。色知っとるか?」



「いえ、見たことない人ですね」



「あ、この人、前にお母さんが取材した人です」



「リノさんのお母さんは記者の方ですか?」



「はい、毎回、演奏者を特集記事を担当していて、その時にこの人も取材したって言ってました」



その時、十賀はバイオリンを披露した。



「この人の奏でる旋律、表現力、一度聞いたら頭から離れなりますね」



「そうなのか?俺なんか、聞いてたら、眠くなるだけなのに」



「そうですね。寝る前に聞いたら、ぐっすり眠れるかもしれないですね」



事務所から帰ってきた零士は行方不明になった女子学生の情報をまとめるため、ノートを開いた。



(今のところ、行方不明になった女子高生の目撃情報はなし…か…)



「はぁ…もう少し駅前で情報収集するしかないか…」



単語を書いただけのノートを閉じると、零士はコンビニへ出かけた。



一方、優子は、行方不明の女子高生を探すため、駅周辺を歩いていた。



「天野原学園は確か、制服と私服の両方。行方不明になった女子高生は制服で下校した途中で行方不明になった…か」



その時、優子の前を一人の女性が横切った。 

黒髪で赤い服を着た女性は人混みの中に消えた。

 


一方、零士は、買い物を済ませ、コンビニを出ようとしていた。

その時、赤い服を着た女性が、零士の前に現れた。

 

 

「こんばんは。今宵は月が綺麗ね」

 

 

女性に言われ、上を見ると、満月が浮かんでいた。

 

 

「確かに、今日は月が綺麗やわ。あんたに言われなかったら気がつかなかった」

 

 

その時、女性は零士に近づいて、零士の目を見た。

 

 

「あなた、名前は?」

 

 

「黒田零士や。あんたの名は?」

 

 

女性は少し笑みを浮かべ、自分の名前を名乗った。

 

 

「十賀、十賀叶子とがようこよ」

 

 

「へぇ、変わった名前やな……って、あんた、確かテレビに出てなかったか?…あれ?」

 

 

そこに十賀の姿はなく、零士は、ただ呆然と立ち尽くしていた。

   

  

 

翌日、零士と色は十賀叶子について調べた。

 

 

「十賀叶子…あ、あった。零士、この人か?」

 

 

「あぁ、こいつだ」

 

 

二人はパソコンに載っていたページを読み進めた。

 


「こいつ、俺らと同じ年やと?!」

 

 

「驚くとこはそこじゃないだろ。しかし、何故彼女は零士の前に現れたんだろうか…」



「さぁ、俺にもわからんわ」



その時だった。突然、リノが慌てた様子で事務所に現れた。



「万屋さん!大変!シンが…シンが!」


 

一方、シンとアオイの前に十賀が現れた。

アオイはシンの服を掴み、後ろに隠れた。



「どうした?アオイ?」 


 

シンが聞くと、アオイは指をさしてこう言った。


 

「この人嫌!怖い!」


 

「あら、失礼ね。私は優しいお姉さんよ?」



そう言って十賀はアオイに近づくがシンがすぐに止めた。


 

「アオイは理由もなしに人を怖がったりしない。あんたの何かに怖がっているんだ」



「あら、そうなのね」


 

その時、十賀はシンの顔をじっと見た。

すると十賀の目が赤くなった。



「あなた、闇をかかえているわね?」


 

「闇?何の事だ?」



「あなた、ご両親は?」



「何で知らない人に話さないといけないんだ?」



「言わなくてもわかるわよ。あなた、ご両親に捨てられたんでしょ?」



「な…!…お前…何でそれを?!」



突然、シンは頭を抱え、苦しみ始めた。



「シンお兄ちゃん!?大丈夫?!しっかり!」



「ねぇ、自分を捨てた両親が憎い?」



苦しむシンに十賀は問いただした。



「…俺は…!」



「憎いよね?だったら私と一緒に行きましょ?」



十賀はシンに手をさしのべた。



「やめて…!!シンお兄ちゃんをいじめないで!!」



その時、アオイがシンを前に立ち、両手を広げて、シンを守った。



「…アオイ…」



アオイの言葉を聞き、苦しみから解放された。シンは十賀に言った。



「忘れていた記憶を、思い出させてくれてありがとう。だけど、俺は、親を憎まない。どこかで会える。そう信じているから」



行こう。とアオイに言って、シンはその場を去った。



その後、色達が駆け付け、シンは十賀の事を話した。



「それは大変でしたね…ところで、シン、十賀に言われた。あなたの過去、詳しく聞いていいですか?」



「あぁ、構わない。いつか、話そうと思っていたから」



そして、シンは話し始めた。

心の奥底に隠していた、自分の過去を








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