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第3話








夜の調査から一夜明けた月曜日



「…痛っ?!…くそ…あちこち筋肉痛なんやけど…」



「そりゃ、あれだけやれば、筋肉痛にもなるだろう…」



二人は筋肉痛だった。

大勢の男相手にたった二人で立ち向かったのだから、筋肉痛にもなるだろうとシンは湿布を貼る二人を眺めた。



一方、リノはアオイと二人で買い物に出かけた。

事務所のコーヒーがきれたためだった。



「こんにちは、アオイちゃん。買い物?」



その時、一人の女性が話しかけてきた。

グレーのスーツに青みがかった黒髪をひとつにまとめていた。

アオイは女性に駆け寄った。



「優子お姉ちゃん!」



「え?知りあい?」



「ちがう。色お兄さんの友達だよ。お巡りさんだって」



「お巡りさんじゃなくて、刑事よ。アオイちゃん。えっと、あなたは?」



「はじめまして、緋川リノです!」



リノは勢いよく頭を下げた。



「そんなに畏まらなくていいわよ。リノちゃん。よろしくね」



「はい、すみません」



「ねぇ、優子お姉ちゃんはどこへ行くの?パトロール?」



「万屋君達のところよ。昨日連絡がきたの」




一方、色とシンは集めた資料を眺めていた。

その時、シンが色に問いかけた。



「万屋さん、どうして、何でも屋になろうと思ったんですか?」



「急にどうしたんですか?」



「リノから聞きました。万屋さんはオーケストラ団体をやめて、何でも屋になったと。どうしてなんですか?」



すると色は資料を机に置き、シンの方を向いて、話始めた。



「話は長くなるんですが…私は学生時代、いじめられていました。この緑の目が原因で…

その時、零士ともう一人の友達が助けてくれたんですが、その時、零士に言われたんです」



「なんて言われたんですか?」



「“何で早く助けを求めなかったんだ。お前が助けてって叫んだらすぐに助けれたのに”って。いじめはなくなりましたが、私はこの時に助けを求める人を救える人間になりたいと思うようになりました」



「へぇ、そうだったんですね」



その時、リノとアオイが帰ってきた。後ろから優子が顔を出した。



「こんにちは、万屋君。例の件聞いたわ」



「お待ちしてました。優子さん。零士はもうしばらくしたら帰ると思います」



アオイがお茶を用意し、色は優子に仮面の男の件を話した。

優子はメモをとりながら、色の話を聞いた。



「なるほどね、その男に関しては、こっちでも調査してみるわ。それより…」



急に優子はシンとリノの方を向いた。



「善良な市民を巻き込むその団体は、本当に許せないわ。あなたも辛かったわね…」



「大丈夫です。万屋さん達が助けてくれたから」



「けど、普通の人間じゃないと感じはしました」



「そう…万屋君、この資料、コピーとって、署に持ち帰るわ。近くにコピー機あったかしら?」



「確か、二階にコピー機があったはずです。やっておきますね」



「わかったわ」



コピーした資料を受け取り、優子は事務所を出た。



(場所は特定できた。あとは奴らの動きを予測できれば…最悪の結果を防げるはずだわ)



事務所から帰ると、部下の白鳥があわてて駆け寄った。



「青木先輩!大変です!」



「騒がしいわね。どうしたの?」



「署にこんなものが!」



そう言って、渡したものは、DVDデスクだった。

場所を移動し、DVDを再生した。



一方、色と零士は同じくDVDが届いていた。再生された映像を見た二人は絶句した。



「な、何だこれ…!?」



再生された映像には、

目隠しをされ、頭に装置を被せられた人びとが映っていた。人びとは悲鳴をあげていた。



「やばい、気持ち悪くなってきた…」



「奴らは本当にこんな事しているのだろうか…人間をまるで実験体のように扱うことなど…」



「リノ達帰らせて良かったな…ちょっと水飲んでくる…」



零士が台所に向かうと、色は映像を止めて、ソファーに座り込んだ。



(映像に映っていた人びとは20代から10代が多い。あの時、もし、リノさんが、シン君が連れていかれたら、彼らもあの映像のようになっていたのか…?)



「理解不能だ…」



「色、お前も水飲むか?さすがのお前もあの映像はきつかったやろ?」



零士がコップを手に戻ってきた。色はコップを受け取り、一気に水を飲んだ。



「きついというより、理解不能だ。奴らは本当に何を考えているのか…」



果たして、これは本当に解決出来るのだろうか?不安しか感じない色だった。




続く


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