第2話
色と零士の出会いをきっかけにリノはたびたび事務所に顔だすようになった。
「こんにちはー」
その時、一人の少女がリノの前に現れた。長い髪に白いワンピースをきた少女だった。
「いらっしゃいませ。お客さま!」
「こんにちは。えっと君は?」
「アオイです。居候です!」
「い、居候?」
その時、二階から色と零士が現れた。二人は謎の団体、幸せの会について情報収集していた。
「おーリノ、今日も来たんか?」
「こんにちは。零士さん、あの、この子は?」
「あぁ、彼女はアオイさん。本人も言ったとおり、ここの居候です」
「よろしくね!」
「よろしく、アオイちゃん。私はリノです」
「よろしくお願いします。リノお姉さん!…あ!」
突然、アオイがどこかに行ってしまった。
「いらっしゃいませ!色お兄さん!お客さまだよ!」
そう言い、アオイは一人の少年を連れて来た。
少年はジャージ姿で金髪のいかにも学校帰りという感じだった。
「そのジャージ、リノと同じ学校やな?君、名前…」
「シン?!どうしてここに!?」
「おーい、リノ、台詞かぶっとるで」
「零士お兄さん、ドンマイ!」
「ごめん、リノ。実はお前の後を追ってきたんだ。前々から、ここの何でも屋に相談しようと思っていたんだけど、道がわからなくてさ…」
「それで、ついてきたんですね。えっと…」
「天野原高校、二年、黄河シンです。お願いします。助けてください!」
色達はシンの事情を聞くことにした。
「俺、ある団体に勧誘されているんです。学校の人達はみんなやってるから君もどうだ?って。けど、なんか怪しく見えて…」
「ちょっと待ってください。黄河君、君が勧誘された団体って幸せの会じゃないかな?」
「はい、確かそう名乗ってました」
「…零士、これはチャンスだ。ここに勧誘された人間が現れた。もしかしたら、重要な情報が手にはいるかもしれない」
「かもな、シン。その団体は他になんか言うたか?奴らが集まる場所とか」
「確か、ここの近くに教会がありますよね?そこで日曜日の夜に集会やってるって」
「日曜日の夜…零士、準備をする。手伝ってくれるか?」
「え?まさか、乗り込みに行くんですか?!たのもー!って」
「たのもー!って、リノ、それは道場破りやろ?!潜入や、潜入調査」
「奴らの実態を知る絶好の機会です。リノさん、あなたは危ないから来ない方が…」
「私も行きます!シンはいつもクラスで助けてもらってるし、私も困った人の力になりたい!」
「わかりました。だだし、何かあったらすぐに助けを呼んでください。できるだけ駆けつけます!」
「はい!」
「リノ…皆さんありがとうございます!俺も皆さんのサポート頑張ります!」
「なんや急展開な気がするけど、アオイ、いつもみたいに色や俺らの為に、祈ってくれるか?無事に帰れるようにってな」
「うん!頑張ります!」
そして、日曜日の夜、先にリノとシンが教会を訪れた。
「おっきい教会だね…」
「奴らはこの教会の地下にいる。行こう」
二人は教会の中に入った。すると一人の男が現れた。
「おや、黄河くん、お友達も連れて来てくれたんだね…えらいね」
仮面をつけ、怪しい雰囲気の男を前にシンはすかさず、リノを後ろに下がらせた。
「この人がシンを勧誘した人?」
「あぁ、こいつだ」
すると男は二人に近いてきた。
「さあ、行こう」
「一つ聞きたい。あんたらは何?噂じゃそこら中で勧誘しているみたいだけど、何が目的だ」
「え?知りたい?知りたいよね!僕らミステリーな存在だし!」
「…リノ、万屋さん達に連絡して。こいつ、ただ者じゃない」
「誰に連絡するって?」
「…っ?!…リノ!!逃げろ!!」
突然、シンはリノを突飛ばした。
突飛ばした瞬間、シンは別の男に背中にスタンガンを当てられた。
「シン!!大丈夫?!」
「俺のことはいいから…お前だけでも早く逃げろ!!」
「けど、シンは?!置いてくなんて私にはできないよ!!」
「いいね!美しい友情!うらやましいよ!」
すると男はリノに近づきと腰に手をまわした。
シンはスタンガンの衝撃で動けなかった。
「くそ…!リノから離れろ…!!」
「え?聞こえないなぁ」
「…ひっ…!?…やめて…ください…!」
怯えたリノを見た、仮面の男は何故か笑っていた。
「いいね!その顔!一番好きな顔!」
「なんだよ…何なんだよ!!お前!!普通の人間じゃありえないだろ!!」
シンはようやく立ちあがり、男に叫んだ。
仮面の男は笑いながら答えた。
「え?だって普通の人間じゃないし」
「そうですね。あなたは普通の人間じゃない」
突然、男の背後に色が現れ、リノを男から引き離した。
「え?!いつからいたの!?つか誰だよ?!」
「万屋さん…!」
倒れそうになったシンを零士が受け止めた。
「よく頑張った。シン、あとは俺らに任せろ」
色は鉄パイプを手にし、零士と背中合わせになった。
「ところで色、その鉄パイプどっから持ってきた?!」
「その辺で拾った」
「拾ったんかい?!」
「私は素手は慣れてないないんだ」
「まぁいい。色、相手は一人。さっさと聞き出すぞ」
「いや、そうでもなさそうだ」
気がついたら、二人の周りには複数の男が囲んでいた。
「これだけの人数、よく集められたもんやな…」
「仕方ない。零士、一気にいくぞ!」
「了解!」
囲んでいた囲んでいた男達は二人に襲いかかった。
色は鉄パイプを振り回し、零士は渡された鉄パイプと蹴り技で応戦した。
「すごい…」
「強いな、あの人達…」
複数の男を倒したあと、気がついたら、仮面の男はいなくなっていた。
「いつの間に…逃げ足早いな…」
「しかし、あの仮面の男が重要人物なのは間違いないな」
「あの、万屋さん…」
「帰りますか。シン、リノさん。手当てもしないといけないですし」
一方
「あの緑の目…間違いない。…奴の息子か…」
路地裏、仮面の男は密かに仮面を外した。
しかし、仮面の素顔は誰も知らなかった。
場所が変り、警察署
「はい、青木です。え?重要人物がわかった?!わかった。今すぐ行くわ」
電話を受けた女性はすぐに飛びたしだ。
果たしてどこへ向かうのか?
続く