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第1話

はじめまして、kobroです。

初めての小説投稿。少しでも、多くの人に見てもらえたらなと思います。よろしくお願いします。


 

 

 

7月某所



「嘘…何でこの人が…!?」



書店で立ち読みをしていた。少女は雑誌の内容にショックを受けていた。


会計を済ませ、少女は書店を飛び出した。







第1話 その名、万屋色









翌日、天野原学園、2年A組




「はぁ…」



「緋川さん、どうしたのかしら?」



「あぁ、この雑誌よ」



女子生徒が見せたのは、オーケストラや吹奏楽の団体が特集されている雑誌だった。



「人気チェロ奏者、万屋色、突然の引退の為所属していたオーケストラ団を脱退。原因は不明…ね…緋川さん、この人のファンだったの?」



すると緋川こと緋川リノは急に立ち上がった。



「そうなんだよ!!お母さんの付き添いで見かけただけだけど、あの人の演奏はすごくて、すぐにファンになったんだよ!コンクールで何度も入賞するほどの実力があるのに…何で…引退なんか…」



放課後、リノは再び、書店に向かった。

きっと、彼は何か理由を隠しているはず、そう思い、引退の理由を探していた。



その時、リノは一人の男とぶつかった。

男は紺色のポロシャツに白のズボンといったシンプルな服装だった。



「すみません!よそ見してたみたいで…」



謝罪のして、頭を上げた瞬間



「いえ、私の方こそ申し訳ありません」



そう言い、男は落とした眼鏡を拾い上げた。

男は茶髪で、日本人では珍しい、緑色の目だった。

男の顔を見た瞬間、リノは男に尋ねた。



「え?…あ!あの、もしかして、チェロ奏者の万屋色さんですか?」



「はい、いかにも、私はチェロ奏者の万屋と言いますが…」



「え?…えぇーーーーー!!!?」



驚愕の声をあげるリノを色は手でリノの口を押さえた。



「驚かせてしまい、すみません。ですが、マスコミに気づかれてしまうので、できれば声のボリューム下げてもらえますか?」



「あ…すみません…」



「それにしても、こんなに外に出づらいとは……」



「あの、それって、この雑誌が原因ですか?」



リノは脱退の記事が載っていた雑誌を色に見せた。



「やはり、そうだったか…しかも、あることないことを書かれているし…」



「え?雑誌に書いてあることは嘘なんですか…?!」



「えぇ、私はしばらく休養するとマネージャーに話したはずだったんですけど、まさか、引退と書かれていたとは…」



「え?休養?」




場所を変えて、ひと気が少ない公園。

色はリノに事情を話した。



「私の父は、元チェロ奏者、万屋仁。しかし、彼はある事件に巻き込まれ、亡くなってしまいました…私は父が巻き込まれた事件を調べる為、休養することにしたんです。、そして、やっとわかったんです」



「わかったって何がですか?」



「それが…」



「やっと見つけた!万屋さん!引退の話は本当なんですか!」



二人の前にカメラを持った男が現れた。



「え…?」



「腕章に書かれた、出版社の名前…この雑誌の編集者ですね?」



「はい!そうです!で引退の話は…」



「引退はしません。しばらく休養するだけです。そして、勘違いもほどほどに」



そう言い、色はリノの手を取り、その場を後にした。



「すみません。見ず知らずの方を巻き込んでしまって…」



「いえ、でもよかった…引退しないってわかったから…」



「おぉ、やっと見つけた。何しとんの?」



その時、一人の男が現れた。

背が高く、金髪に一部を赤く染めた派手な髪型の男は色に近づいた。



(もしかして、またマスコミの人?!ここはなんとかしないと…!)



「あの、取材はお断りです!!」



目の前に現れたリノに金髪の男は呆気に取られた。



「取材…?色、この子は?」



「え?マスコミじゃない…?」



すると、色は一枚の名刺をリノに渡した。



「言い忘れてました。私は今、チェロ奏者を休養する間だけですが、何でも屋を営んでいます」



「え?何でも屋?」



詳しく話を聞くため、リノは色と金髪の男に着いていくことになった。



「ここが何でも屋の事務所です」



「二階建てなんですね。すごい!本もいっぱいあるし、なんか鳥も…え?」



事務所の窓際に鳥が止まっていた。目付きが悪い鳥だった。金髪の男がすかさず説明した。



「あー、そいつはハシビロコウっていう鳥や。こいつの親父さんが拾ってきて、何故か色になついているらしい」



「あ、そうなんですか」



「あ、自己紹介がまだやったな。はじめまして、俺は情報収集を担当している、黒田零士。よろしくな」



「よろしくお願いします」



「で、零士、何か新しい情報はあったのか?」



「それが相変わらず、奴は自分のやったことを覚えていないらしい」



「奴?」



「あぁ、こっちの話。ところで君、名前は?」



「緋川リノです。高校二年です。」



「高校生か…じゃあ、リノは知っとるかな?10年前、教会が放火され、多くの犠牲者が出た事件を」



「はい、母が友人がその事件で亡くなったって話してました…え?まさか…?!」



「はい、私の父はその放火事件の犠牲者の一人。私達はその放火事件の真相を追っているんです」



すると、色はパソコンを開き、ある画像を見せた。



「この人は?」



「私の父です。10年前、彼は知りあいの神父に頼まれ、チェロを弾くことになり、教会にいたんです。」



「けど、突然、教会は燃やされ、教会にいた人間ほとんどが亡くなった。警察は近くにいた男を逮捕したが、男は犯人ではないと今でも訴えているんや」



「なんか怖いですね…」



「リノさん、これも何かの縁だと思います。もし、困ったことがあるなら、ぜひ私達に任せてください。何でも屋として必ずや解決してみせます」



色と零士、二人との出会いで、平凡な日常から非日常に変わる瞬間になったのを、この時のリノはまだ知らなかった。






続く

 






ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

少しでも、色達に興味をいだいてくれたら嬉しいです。


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