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完全爆殺と開始するジェノサイドウォー

 クラン戦開始2分経過。チャット欄に変化が現れる。

 

 

 ラグナロク → ☆ロキ☆

 

 

 これはプレイヤーにより書き込まれたものではなく、システムからの報告だ。

 つまり、この書き込みはラグナロクがロキを倒した事を意味している。

「開始早々1killか。やはり訓練の成果と奴の成長は凄いな」

 白桐隼人はオーディンとしてFBFのチャットに文字を書き込み始めた。

 

 

 オーディン:「どうやら訓練の結果は成功、とはまだ言い切れないが格段に良くなっているな」

ラグナロク:「はい。まだまだ行きますよ」

 

 

 隼人は右手をマウスに、左手を移動キーに合わせて集中する。

 Bキーを押し「一撃」と書かれた武器セットを装備する。

 装備完了すると装備した武器の一覧リストが表示された。

 

 

  メイン武器

 RDI ストライカー12 ◆ A

  サブ武器

 AMT オートマグⅡ ◇ B

  メイン爆弾

 焼夷手榴弾 ◇ A

  サブ爆弾

 クレイモア ◇ B

  接近武器

 ホワイトハルバード A

  ウェポン発動スキル

 白い殺気(接近武器装備時移動速度+5)

  称号発動スキル

 星屑(移動速度、リロード速度、武器変更速度+5)

 

 

 とりあえず街にある教会へ向かう。

 隼人はいつもこのステージで戦闘する場合は教会を拠点として動くのだ。

 教会の入り口で扉の影に隠れて敵の侵入を待ちながらも作戦を考える。

 すると、教会の外から足音が聞こえてきた。

 来た、そう思いオーディンは背負っていた2メートルはあるんじゃないかと思われる白いハルバードを装備する。

 足音が砂の上を歩く音からタイルを歩く音に変わったのを合図に、しゃがみながら無音で扉の影から出る。

 黒いコートを着た敵プレイヤーはどうやらこちらに気付いていないようで、教会の真ん中近くまで歩いていく。

 それを見て、そっと後ろをついていく。

 プレイヤーの動きが突然止まった。

気付かれた可能性もあるので立ち上がり残り3メートルくらいを走って背後から斬り殺しにかかる。

 タイルを蹴り、ハルバードを振りかぶる。

 するとオーディンがジャンプした直後に突然敵プレイヤーが緊急回避し、近くのイスの下に隠れた。

 勿論ハルバードは空を斬りタイルを傷つける。

 タイルが真っ二つに割れる。

 地に刺さったハルバードを抜き取ると足元に何か落ちている事に気付いた。



(手榴弾……!!)



 そう理解した時にはもう遅い。

 死は待ってはくれないのだ。

 敵プレイヤーの方向を見ると、もう奴はイスの影を使って壁際近くまで走りきっていた。

 すぐにオーディンはストライカー12を構えたが、先に死が迎えに来た。

 足元で手榴弾が爆発したのだ。

 画面に表示されるYOU DEADの文字。

 確かに今まで何度も死んだ事はあったがこんなに清々しく殺されたのは初めてだった。

 チャット欄が更新される。



 ラグナロク → オーディン



 (ラグナロク……!!)

 なんて進歩なんだ。

 素直にそう思った。

 普通ならちょっと訓練されただけでもこれ程の事はできない。

 相手にわざとスキを見せて誘いだし、攻撃をタイミングよく回避。更に的確に手榴弾を落とし、反撃として銃で攻撃されないようにイスの影に隠れながら爆発範囲外の壁際まで移動。

 策士。一流の策士だ。

「ラグナロクとは・・・本当に一体何者なんだ・・・?」



「よォし、これで二体。」

 画面に表示された「2kill」の文字。



 FANTASTIC! grenade kill! ×1.5

 GREAT! 2nd kill! ×1.1



「これは……ショットガンか?」

 先程倒したプレイヤーの落とした武器を物色する。

 プレイヤードロップアイテムは死んだプレイヤーが最後に装備していた武器。

 すなわち先程敵は手榴弾に気付いた直後にこのショッガンでこちらを狙っていたという事。

「あっぶねぇ、こんなごっつい銃の弾受けたら一撃必殺で即死しちまうんじゃねえか?」

 確か教会では武器セット変更画面が出せたはずだ。

「おお、開いた開いた。じゃあバトルアイテム装備を押して……」

 バトルアイテムとは、戦闘中に使用できる回復アイテムなどの事だ。

 アイテム「保存袋」を装備。

 保存袋は戦場に落ちている武器を1回の戦闘で最高3回まで武器を拾う事ができる。

 つまり元々装備していた武器を捨てなくても武器が拾えるという活気的アイテムだ。

 だが使用できるバトルアイテムは1回の戦闘で1個。

 もう保存袋以外のアイテムは使用できない。

「ショットガンゲットだど~。ようし、ガンガン行くぞ」

 突如爆発で円焦げになったプレイヤーアバターが消えた。

 これはその倒れたプレイヤーがリスポーンした事を意味していた。

「1人ライフ3つだったっけか、ちょっと長引くかな」

 そう言って教会を出ようとしたその瞬間。

 ダァン!と結構近くで銃声が聞こえた。

 その音の共にチャット欄に変化が現れる。

 

 

 バルドル → ☆ロキ☆

 

 

 銃声は1回だけ。つまり一発で仕留めたという事。

 一発という事は強力なスナイパーライフルを使用したのか、それともヘッドショットしたのか。

 扉の影に隠れながらそっと外を見る。

 いた。「あの」ビルの屋上でスコープが光を反射している。

 この教会からビルまで目測50メートル程。

 ここから銃で狙ってもいいが当たる確立が低すぎる。

「どうすれば……」

 ビルの周りには同じ位の高さの物は無い。飛び移る事も無理。

「やっぱ下から一階ずつ行くしかねぇか……」

 教会を出てできるだけ発見されないように建物の影に隠れながらビルに接近する。

 電柱に隠れた瞬間に良い事を思いついた。

 すぐにその計画を実行に移す。

 

 

 ラグナロク:「バルドルさん」

 バルドル:「はい?どうしました?」

 ラグナロク:「今から貴方のいるビルの屋上に行きます」

 

 

 それだけ書き込み、教会へ走って戻る。

 すぐに武器セットを「最狂装備」に変更。

 装備武器一覧が表示される。

 

 

  メイン武器

 H&K MG43 C

  サブ武器

 †GENOCIDE BLACK† XXX

  メイン爆弾

 焼夷手榴弾 A

  サブ爆弾

 破片手榴弾 C

  接近武器

 BlackMisericorde B

  ウェポン発動スキル

 慈悲(即死攻撃確率+2%)

 完全殺戮(サブ武器でプレイヤーを倒す度に攻撃力30%、生命力25%回復)

  称号発動スキル

 嗜好(精密攻撃+5)

 

 

「さて……始めようかァ、殺戮ッてヤツをなァ……!!」

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