表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/31

決闘の申請と妹のコール

「オレが……世界1000万人の頂点……!?」

 全身を襲う鳥肌。

 全身を奇襲する謎の寒気。

 開始57分。いや、もう58分か。

 その一時間にも満たない少ない時間の間で無意識の内に世界最強プレイヤーの座を奪取してしまった。

 喜んでいいのだろうか。

 泣いていいのだろうか。

 幸運なのか。

 不幸なのか。

 わからない。

 ただただクラン専用チャット画面を見つめていた。

 また新たな書き込みが表示される。

 

 

 ヘイル・ダル:「まあとりあえず入ってくれてありがとう。クランマスターのヘイルダルだ」

 バルドル:「クランメンバーのバルドルです」

 ☆ロキ☆:「上に同じくクラメンのロキだお。ヨロシクゥ!!」

 バルドル:「あともう一人、クラメンはいるんですけど……そんなにゲームにログインしてこないんです」

 ヘイル・ダル:「サブクランマスターとしてオーディンという奴がいる。俺のリア友だ」



オレを加えて5人だけなのか



 ラグナロク:「ついでに、このクランは強いのですか?」

 バルドル:「世界クランランキングは毎日、下から数えたほうが早いです」

 ☆ロキ☆:「順位のケタの数が多い事くらいが他のクランに負けない唯一の自慢だよな」

 バルドル:「↑全然自慢にならないですけどね」



 人数も少なく強くもない。

 こんなのだったら5000以上あるオレを招待してくれる別のクランに入ったほうがいいんじゃないだろうか



 ヘイル・ダル:「皆、早くも我らのクランへの加入申し込みメールが沢山来ているぞ」

 ☆ロキ☆:「キターー!!」

 ヘイル・ダル:「とりあえず黄と赤以外は全員サブメンバーでいいな」

 ラグナロク:「黄と赤とは何ですか?」

 

 

 とりあえずこのゲームの情報が少しでも多く必要だ。

 片っ端からなんでも聞いていくしかない。

 

 

 バルドル:「ゲーム内でチートや違反行為をしたプレイヤーの事です」

 ☆ロキ☆:「ついでにクランには7種類のメンバーがいるんだ。」

 バルドル:「それぞれイエロープレイヤー、レッドプレイヤーと呼びます」

 ☆ロキ☆:「クランマスター、サブマスター、メインメンバー、サブメンバーが主な種類で」

バルドル:「まあ呼び方が違ったとしても最終的にはルール守れない奴なのは変わらないですけどね」

☆ロキ☆:「特殊なメンバーとしてスパイメンバー、スペシャルメンバー、CPUメンバーがいるぞぅ」

 

 

 聞いたのはオレだが同時に文章を交差しながら説明してくるのはちょっとやめてほしい。



 ☆ロキ☆:「まあクランマスターが最高位だって事覚えとけばどうにかなるよ」

 ヘイル・ダル:「皆、hope phageからクランメールが来た」

 ☆ロキ☆:「またまたキターーーーッ!!!!」

 バルドル:「内容は?」

 ヘイル・ダル「5VS5のクラン戦申し込みだ」



 ホープファージとは敵対クランの事なのだろうか。

 わけがわからない事だらけだ。わけわかめ。



 ヘイル・ダル:「どうする?申し込みしてきたのはあっちからだから無視してもいいが」

 バルドル:「やりましょう。なんたって世界一位のクランから直々のクラン戦申し込みです」



 世界一のクラン?

 ……そうか、オレが倒した元最強プレイヤーのいたクランか。

 入ったクランごとオレを世界最強の座から引きずりおろそうとしているのか。



 バルドル:「彼等を倒して俺達が世界一のクランになりましょうよ」

 オーディン:「いや、やめろ」

 ☆ロキ☆:「オーディンキタッーーーー!!!!っていつの間に!?」

 オーディン:「お前等がログインする前からいた。気付かないお前等が悪い」



 突然チャットに乱入してきたオーディンというプレイヤーは確かこのクランサブマスターだったな。



 オーディン:「お前等は頭脳に流れる信号を絶縁体か何かで打ち止められているのか?」



「なんだよその微妙な表現罵倒……」



 オーディン:「世界最強が仲間に加わった。BFB最強のハンドガンが手に入った。だからなんだ」

 バルドル:「いや、ですから5人で頑張れば倒せるかもしれないじゃないですか」

 オーディン:「お前は愚の骨頂という言葉に生命を与えたような存在だな」

 バルドル:「今なんと?」

 ヘイル・ダル:「バルドル熱くなるな。オーディンもやめろ」

 オーディン:「頑張れば倒せるかもしれないとか、勝てたらいいなじゃない。勝たなければならないんだ。今までの話を聞くとラグナロクという奴は始めたばかりで偶然倒したと言っているじゃないか」

 

 

 そう、ただ偶然倒しただけだ。

 

 

 オーディン:「操作方法もわからない。プレイヤーランクもF。武器もほぼ初期。そんな状態のまま戦えるわけないだろ」

 バルドル:「じゃあどうしろと言うんです?クラン戦を破棄するのですか?」

 オーディン:「いや、受ける」

 バルドル:「言ってる事……矛盾してませんか」

 オーディン:「話を最後まで聞け。クラン戦まで少し時間をもらう」

 ☆ロキ☆:「わかった!その期間の間にラグナロクさんを鍛えるんだな!」

 オーディン:「何をバカな事を言っている。お前等全員もだ」

 ヘイル・ダル:「いい案だな。現在このクランで一番強いのはオーディンだ。彼に鍛えてもらえば全員強くなる」

 バルドル:「……まあ、確かにいい案です」

 ☆ロキ☆:「オレっちも賛成。強くなりたい!!」

 バルドル:「ラグナロクさんもOKですよね」



(ハッ……!!チャットに見入っていて書き込む事を忘れていた!!というかこの流れ、絶対にOKって言わなきゃいけない感じじゃねえか!!)

 

 

 ラグナロク:「OKです、よろしくお願いします」

 バルドル:「では次は期間ですけど、どれくらいにするんですか?」

 ☆ロキ☆:「ざっと3日程度でいいんじゃねぇの?」

 オーディン:「どれくらいの長さにしてもいいがその長さに応じた時間割りで鍛えていくからな」

 ☆ロキ☆:「2週間くらいは絶対に必要だとオレは思うけどねぇ!!どうするぅー!?」

 バルドル:「まあ、それくらいが妥当ではないでしょうか」

 ヘイル・ダル:「よし、じゃあ二週間後の今の時間にクラン戦専用サーバーで5VS5、で返信するぞ」

 ☆ロキ☆:「意義無しぃ~」

 バルドル:「意義無しです」

 オーディン:「無意義」

 ラグナロク:「反論は無いです」



 約10分~15分の話合いが終了した。



 オーディン:「とりあえず今からクランサーバー98に部屋を作る。そこで訓練開始だ」



「お兄ちゃ~ん?ご飯だよぉ~」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ