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世界最強と神殺しのビギナーズラック

 クラン招待とは何ぞや。

 とりあえずメールを開封してみる。



「先程のサバイバル部屋にいた者です!私達のクランに入って貰えませんか? GuiltyEaters」



 多分、クランというのは別のゲームジャンルでいうとギルドのような共闘チームのような物だろう。

 だが何故オレを入れようとしているのだろうか。

 始めたばかりで未だに操作などがよくわからないオレを。



 ○クランに入る  ○クランに入らない



 確かに今のうちに仲間を増やしておいても悪くないはずだ。

 でももしもクランに入って皆の足を引っ張ってしまったら。

「……まあ、やはり経験が一番だな」

 今回このクランに入って、合わないと思ったりしたらすぐ退会してこれからはもうクランには入らないようにする。そうしよう、それがいい。

黒葉は考えた行動を実行へ移した。

 

 

 ●クランに入る  ○クランに入らない

 

 

「クラン入会時のあいさつメールを送信します。内容を入力してください」

と表示された。

「足でまといになるかもしれませんが頑張ります。よろしくおねがいします」と記入して送信ボタンを押す。

 これでクランに入会できたのか。

「ん……?あァ!?」

 先程「クラン参加招待メールが来ています」と表示されていたはずの場所が少し変化している。

 それは一瞬鳥肌が立つ程の意味を持った文だった。だがそれはたった一行の文。



「クラン参加招待メールが2498通来ています。」



「なん……だよこれ……!?」

 このゲームではこれが普通の現象なんだろうか。

 というかこのゲームには一体いくつクランがあるのだろうか。

 そう思っていると参加招待着信メールがどんどん溜まってくる。

(2800……3000……3400……5000……!?)

 短時間でなんて数なのだろう。

 そういえばマイルームのページタブの中にクランというタブがある。

 とりあえずカーソルを合わせて左クリック。

 すると、先程加入したGuiltyEatersのクランページとクラン専用チャットというモノが表示された。

 どうやら見ていない間にチャットに何か書き込まれていたようだ。

 

 

 ヘイム・ダル:「クラン入会ありがとう!本当にありがとう!」

 バルドル:「これで俺達のクランも大成長ですね」

 ☆ロキ☆:「だよな、でもなんでこのクランを選んでくれたんだろうか」

 ☆ロキ☆:「あれ?ラグナロクさーん?」

 

 

返答を待っているようだ。早く書き込みしなければ。

 

 

 ラグナロク:「すいません、始めたばかりなので操作がわからなくて手間取っていました」

 ☆ロキ☆:「wwww」

 バルドル:「またご冗談をww」

 

 

 ん?何故か冗談だと思われているようだ。

 

 

 ラグナロク:「いえいえ、冗談ではありません。1時間くらい前始めたばかりなんですが」



 少しの間書き込みのない空白の時間が続いた。



 バルドル:「皆さんラグナロクさんの戦歴見てみてください」

 ☆ロキ☆:「えええええマジか」

 バルドル:「プレイ時間57分。キル数2、デス数0」

 ヘイル・ダル:「いや、サブアカか何かなんでしょう?」

 

 

 何故皆は疑うのだろうか。

 

 

 ラグナロク:「サブアカなどは持っていません。このアカウントが初アカです」

 

 

 また少々の空白の時間。

 

 

 ☆ロキ☆:「じゃあビギナーズラックで神を倒したのかあああ!?」

 ヘイル・ダル:「神だけじゃない、ゲニウスもだ」

 ラグナロク:「神とはなんですか?あとゲニウスというのは?」

 

 

 知らない単語が多すぎる。

 

 

 バルドル:「神というのはこのFBFで世界ランキング1位の一度も死んだ事が無い伝説の最強プレイヤーの事です」

 バルドル:「ゲニウスというのはその神のクランにいる2番目に強いプレイヤーの事ですよ」

 

 

 つまりどういう事だ?

 

 

☆ロキ☆:「つまりラグナロクさんがビギナーズラックで神を世界で始めて倒したんだよぉう!!」

 

 

 正直、鳥肌が立った。

(世界で始めて?一位を?え?マジで?)

 オレはただ手榴弾の投球できる距離をテストしていただけなのに。

 弾切れのスキをついてマウスを長押ししていただけなのに。

 その結果が「無意識の内に世界最強無敵プレイヤーを倒してしまいました」!?

「は……はは……んな、バカな……」



 ラグラロク:「皆さんで私を騙そうとしているワケじゃないんですよね?」

 ☆ロキ☆:「そんなワケ無いじゃないかYO!!」

 バルドル:「あなたは本当に世界最強を倒したんですよwwww」

 ☆ロキ☆:「倒した後にさ、ジェノサイドブラックとかいう銃おちてなかった??」



 確かに落ちてた。そして拾った。H&なんとかっていうハンドガンを捨てて。



 ☆ロキ☆:「あれは世界最強プレイヤーだけに送られる最強のハンドガンなんだけど、持ってないの?」



「……ある」

 あのビルでの死闘の後拾った。

 もう一度武器設定タブを開き、新しく拾った武器を再度確認する。

 ある。やはりある。「†GENOCIDE BLACK†」という文字が表示されている。



 ラグナロク:「はい。持っています」

 ☆ロキ☆:「やっぱ持ってるううう!!という事はつまり」

(つまり……?)

 

 

 ☆ロキ☆:「ラグナロクさんが現在世界最強プレイヤーなんだよ!!」

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