カマキリ幼稚園の悲劇
カマキリ幼稚園はミニィの妹であるミィがよく宿泊学習で来ていた幼稚園でした。ミニィが幼稚園生の時も、ミィと一緒によく遊びに来ていたのです。
「ここの幼稚園に何か用でもあるの?」
「うん、ケンちぃに話すけど、ここは私がクワガタ幼稚園に通っていた時よく宿泊学習で来た幼稚園なんだ。
ミィと一緒に泊まりに来ていたんだよ。またなんか寄りたくなって来ちゃった。」
「そうなんだ!良い思い出だね。折角だけど、ちょっと訪ねて見ても良いんじゃない?」
カマキリ幼稚園の門を潜ると、すぐそばの幼稚園の庭の花壇に水を上げているカバの院長先生らしき人が居ました。
院長先生は、ケンタとミニィに気がついたのか2人に声を掛けます。
「いらっしゃい?どなたですかな?」
「あの私、ミニィって言うんですけど、覚えていますか?」
「あー、君はクワガタ幼稚園からよくうちに宿泊学習で泊まりに来ていたミニィちゃん。いやー、久しぶりだね。
お友達も一緒かい?是非是非今日はここで遊んで行きなさい。」
カバの園長先生はミニィとケンタに優しく声をかけるのでした。ミニィは言います。
「良いんですか?じゃあ今日は子供達と一緒にいっぱい遊んじゃいます。ケンちぃも行こうよ!」
「うん、そうだね!」
靴を脱いで2人は園内に置いてあるスリッパを履くのです。シマウマの女の先生がケンタとミニィに声をかけました。
女の先生はニコニコしています。
「こんにちは、園長先生、小学生のお友達ですか?」
シマウマの女の先生に質問されるとミニィはニコニコ笑顔で明るく答えました。
「はい、昔この幼稚園に宿泊学習に来た事があって、なんか懐かしくて来ちゃいました。それから友達も一緒で、あの覚えていませんか?
私、ミニィって言います。よく、妹と来ていたんです。」
「あーもしかして、あのクワガタ幼稚園の。まあ、お久しぶりね!あの可愛い妹さん、ミィちゃんはお元気?」
するとミニィの表情が曇ります。
「亡くなりました。」
「え?そうなの。ごめんなさい。まあ、今日は、うちでゆっくり遊んで行ってくださいね!」
幼稚園のとあるクラスに案内されるとそこには50人もの園児達の姿がありました。シマウマの先生が声を掛けます。
「皆んな!今日は、お兄さんとお姉さんのお友達が来てくれました!一緒に遊んでくれるそうです!」
すると園児達はケンタとミニィの方に寄って来ます。流石、2人ともあっという間に子供達に囲まれてしまいます。
「お姉ちゃん、黄色いうさぎさんだ!可愛い!私、ルナだよ!」
「ルナちゃんっていうの?私はミニィだよ。宜しくね。
ルナちゃんの方こそ可愛いね。」
「ルナはね、将来、ケーキ屋さんになりたいんだ。だからおままごとして!はい!お客さん、美味しいケーキが出来上がりました!」
「はい、店員さん、ありがとうございます!さあ頂きます。」
ルナと言った女の子はリスの女の子です。おままごとが大好きらしくミニィは彼女のおままごとに付き合って遊びました。ルナの所に1人の男の子がやってくると、おままごとを馬鹿にしたのです。男の子はイヌの男の子です。
「そんな子供っぽい遊びなんかやってんのかよ。ルナは、俺は将来ヒーローになるんだからな!」
「マイクなんかにそんなのわからないでしょ!ルナは、おままごとが好きなの!」
「まあまあ、皆んなそれぞれ好きなものあるからね。」
ケンタは子供達と一緒に積み木を作って遊んでいます。
ケンタに話しかけて来たのは、カランとヘレナというレッサーパンダの女の子達でした。
「お兄ちゃん、あの黄色いうさぎのお姉ちゃんの恋人?将来結婚するの?羨ましい!」
「一緒に幼稚園来てたよね!!もしかして?なんかあるんでしょう!!」
「違うよ!訳があって一緒に旅をしているんだ!
僕とミニィは強い絆関係で結ばれている友達だよ。」
ケンタの元に他の園児達が集まってくるとケンタは今度は鬼ごっこをして遊びました。園庭に出るとポカポカとした気候の中沢山子供達と触れ合いました。
ケンタとミニィは園児達50人とさよならします。
「今日はお泊まり会なんです。」
その時ケンタは血相を変えて言いました。
「駄目だ!お泊まり会は中止してください!危ないんです!
園長先生、最近幼稚園を狙った放火が、起きているんです!危ないから!!」
「大丈夫だよ!そんな怖い事起きやしないよ!大丈夫、うちはしっかり僕が守るから、心配しないで!」
園長先生は火災が起きた時のマニュアルもしっかり頭に入っていました。そう自信があったのです。
「そうよ、ケンちぃ、もう大丈夫だから。」
「でも、」
「「「「バイバイ、ケンタお兄ちゃん、ミニィお姉ちゃん!!!!」」」」
ケンタとミニィはカマキリ幼稚園を去っていきます。だがここでミニィは気が付きました。おかしい何か忘れているような。
「ミニィ、デージーの奴が、ここを狙うかもしれないんだぞ!良いのか?」
「大丈夫だよ。デージーだって、流石にここを狙いはしないよ。カマキリタウンにまで付いて来ている訳がないじゃん。」
しかし悪夢は再びやって来ました。その日の夜、コンドウ園長が園児達を寝かしつけて職員室にやって来たその時。
デージーが立っていたのです。
「なんだ君は?」
「へえ、随分無防備な園長さんだね。じゃあ、燃えちゃって、子供達と一緒に。さよなら。」
そう言うとデージーは催眠術を園長にかけました。催眠術をかけられた園長の意識が朦朧として来ます。そして次の瞬間、デージーは園長を殴り付けました。園長はその場に倒れました。デージーはポリタンクからガソリンを出すと園長に掛けました。そして園内の至る所に撒くと、カマキリ幼稚園に火を放ちました。あっという間にカマキリ幼稚園は燃え広がり火事になりました。
「あははははは、皆んな、燃えちまいな!!!!!!
あははは!!!!!」
ケンタとミニィはカマキリタウンにあるホテルでくつろいでいましたが、ニュースを付けました。すると速報が流れて来ます。
「速報です!カマキリ幼稚園で火災が発生しました。」
「そんな、嘘でしょ!皆んなは、あそこにいるんだよね!
助けなきゃ!!!!」
「急ごう!!!!」
ケンタとミニィはカマキリ幼稚園に向かいます。皆んな無事でいてくれと必死に走って行きます。だが向かった先で待っていたのは、想像を絶する地獄でした。カマキリ幼稚園は火災により激しい炎が園全体を包んでいました。消防車が来て必死に消化活動を行いましたが、火の手は行手を阻んでいます。
「助けに行かなきゃ、皆んなを!!!!」
ケンタが走って止めに行こうとしているのをミニィは止めました。ミニィは泣いていました。
「もうやめよう、無理だよ。分かってた。でも、もうこういう運命なんだよ。誰かが助けてくれるよ。ケンちぃが死んじゃったら、私は、生きていけない。」
「止めないでくれ!!!」
ケンタは燃える園内に向かって走って行こうとしたその時、園の屋根が崩れ落ちて来ました。そしてケンタは行手を阻まれたのです。ケンタは悔しがって地面に崩れ落ちました。
翌朝、ニュースが報道されました。カマキリ幼稚園に宿泊していた園児58人が火事により死亡したというニュースが流れたのです。ケンタとミニィは現場を訪れていました。現場にブルーシートが掛けられていました。ブルーシートの中には焼死体が何人も並んでいたのです。
「うううう、カランちゃん、ヘレナちゃん、それに皆んな、あんまりだよ。こんなの酷すぎるよ!!!!」
カランとヘレナ、ルナはそれぞれ抱き合うように亡くなって黒焦げになり下半身はありませんでした。他の園児達も変わり果てた姿で発見されました。
そんな泣き崩れるミニィにケンタは言います。
「ミニィ、君だってわかってんだろう。こうなる事が、だったら止められんじゃないか?こうなる運命だって分かってたんなら何で助けようとしないんだよ。あれだけ助ける助けるって言ってたのに、どうしちゃったんだよ。」
「へえ、そうやってまた私を責めるんだ。またこないだみたいに、私が悪いみたいに言うの?ケンちぃ
てめえの力不足だろうがよ。てめえだって助けられなかっただろうがよ。よくも、よくも、私のせいにしやがってよ!!!」
次の瞬間ミニィはケンタの胸倉を掴み、ケンタを殴り飛ばしました。そしてそのままケンタを蹴り飛ばしたのです。するとケンタは言います。
「また、やりやがったな!この野郎!あれだけ、てめえって言うなって言ったのによ。めちゃくちゃな事言いやがってよ。また死んだのも僕のせいみたいに言いやがってよ。
やるんだな、じゃあ相手になってやるよ。」
ミニィは激しく激昂するとケンタの脇腹を殴り付けました。するとケンタはミニィの頬を力いっぱいに殴り付けます。ケンタはこんな事をしたくなかったのです。そしてケンタはミニィの胸ぐらを掴むと2人はそのまま取っ組み合います。ミニィはケンタを殴り飛ばします。だが今度は負けずにケンタもミニィを殴り返しました。ミニィの拳とケンタの拳がお互いにぶつかり合います。お互いの顔が腫れ上がると、ケンタは言います。
「ミニィ、気が済んだかよ。気の済むまで暴力を振るえば、それで解決になるのかよ。そうなんだよ。答えろよ!
言ったはずだ。いつから君の心はそんなになっちゃったんだよ。」
「うるさい、あんたなんかに、あんたなんかに何が分かるのよ。言ったでしょう。あたしは壊れちゃったってもう決めたの。ケンちぃ、私、子供達を守るのやめたから。
次の街からは私が、
子供達を殺すから。」
そして水晶を操りミニィの心を悪に落としたのはデージーでした。デージーの心象掌握術はいつのまにかミニィの心まで支配していたのです。ミニィの目は真っ黒に染まっていました。




