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たましい

 事件が起きた直後ケンタとミニィはクワガタ幼稚園の近くにあるホテルに2人はいました。雨が降っている中どんよりとした空気が漂っています。何か喋ろうとしても何をしゃべっていいのか分かりません。そんな中2人の元にレッサーパンダの女性とクマの女性がやって来ました。


「ミニィちゃんとケンタ君?」


「はい。」


「あのルオンとリオンの母親です。ミニィちゃんはミィちゃんのお友達だって知ってたから、実は焼け跡からこんなものが見つかって、娘達がミニィちゃんに向けて書いた手紙が見つかったんです。ミニィちゃん宛って。」


「本当ですか?どんな事を書いてんだろう。」


『ミニィお姉ちゃんへ

今日は遊んでくれてありがとう。お姉ちゃんはどんな時でも笑顔が堪えなくてその笑顔が私に取って癒しだったよ。

お姉ちゃんの優しい所が大好きだよ。また一緒に遊ぼうね。また来てね。

ルオン』


クレヨンで書かれた手紙は本当はミニィに渡そうと思っていた手紙ですが、渡しそびれたのです。

その手紙を読んだ瞬間にミニィの心が一気に締めつけられました。ミニィは悲しみを爆発させて泣き始めました。


「ありがとう。ルオンちゃん、本当は渡そうと思っていたのに渡せなかったなんて、ルオンちゃんのお母さん、ごめんなさい。私は守る事が出来なかったんです。私は、大勢の子供達を守れなかった。うわぁぁぁぁ!!!」


「ミニィちゃんはルオンと最後に遊んでくれたのよね。それだけでルオンは幸せだったと思うわ。でも、私は犯人だけは許せないし、子供を避難させなかった幼稚園すら許さない。

幼稚園は子供の命を守る立場なのに。」


「私は語り部としてこのような悲劇が起きないようにしていきたいです。これは殺人です。しかも犯人はマリンっていう私を虐めていた奴なんです。あいつは私を精神的に苦しめる為に私の居場所を燃やした。許せない。私はあいつとバスで殴り合ったんです。あの時あいつを。それにコウちぃ、いやコウイチ君だって死んじゃった。」


「ミニィ。あいつは君から全てを奪った元凶なんだ。絶対にあいつを許しちゃおけない。あいつは殺人者なんだ。沢山の子供達を殺した殺人鬼が、死んで終わりだなんで虫が良すぎるよ。復讐をしたくても僕達には復讐する相手がいない。」


ケンタとミニィは旅仲間を失ってしまいました。コウイチの遺体と対面した時に言葉が出なかったのです。彼は全身が黒焦げになり右腕も左腕も焦げて焼失してしまったのでした。

刑事であるケンタの父がやって来ました。


「ケンタ、大変だったな、後はお父さんに任せて、一回家に帰りなさい、旅は中止だ。ここにいてはお前の命が危ないから、母さんがお前の事を送って行くよ。ミニィちゃんもだ。君達は今命が危ないから。」


「お父さん。」


ミニィは何も言葉が出ませんでした。ミニィとケンタは黙って車に乗り家へと帰るのでした。ケンタが家に帰ると母親はケンタに言いました。


「ケンタ何か食べる?何が食べたい?」


「いらない、食べたくない。」


ケンタは言いました。すっかり元気を失い食欲すらも湧きません。旅に出てからショコラやクワガタ幼稚園の園児達が焼け死ぬと言う惨劇ばかり見て来ています。

ミニィも同じように家に帰っても落ち込んでばかりでした。

ケンタの叔母はミニィに言います。


「ミニィちゃん、大丈夫よ。今はあんな事があったから、しっかり休みなさい。食べるものは何でもあるし、おばさん達がいつでも相談に乗るからね。」


「おばさん、ありがとう。」


(私がマリンを憎んだって私だってあいつと一緒なんだ。私はミィを殺したあいつ(母親)を殺した。だから私も同じ殺人者。でもマリンよりは私の方が軽い。だってまだお母さんとミィの遺体は見つかっていない。埋めたからまだ誰にも、でも良いの。私は)


ミニィはそう言うとベッドに横になります。ミニィは旅をする事で自分を忘れようとしていました。自分が過去に犯した現実から逃げたかったのです。逃げればきっと何かが変わる。そう考えていたのでした。ミニィの部屋には妹ミィの写真が飾ってあります。ミニィは目を瞑りました。するとそこには幼稚園がありルオン、リオン、エルサ、カレン、コーダーら子供達が遊んでいます。しかし遊んでいるのはフェンスの向こう側です。そこにはミィがいます。


「皆んなが遊んでいる。皆んな、待って、行かないで、お願い、コウちぃも、コウイチ君も

え??」


次の瞬間、辺りがピカっと光出すと眩しい光が襲います。そして凄まじい爆風が発生していきます。核爆発です。そしてミニィはフェンスで只管絶叫していきますがあっという間にミニィは骨になって焼けてしまうのでした。

ハッと、ミニィは目を覚まします。恐ろしい夢でした。


その時ピンポンとインターホンがなりました。ミニィが出ていくとそこにはマリンと仲が良かったキツネの女の子のデージーが立っていたのです。


「デージー。」


「ミニィ、久しぶり、話があるの。ちょっと来て。」


そう言うとデージーはミニィを連れ出して近くの公園まで連れていきました。そしてミニィをじっと見つめると思いっきり蹴り飛ばしました。そして胸倉を掴むとこう言うのです。


「生ゴミ、あんたのせいでマリンは死んだんだよ。おい聞いてんのかよ、寄生虫がよ。お前のクソ親のせいでマリンの母親殺されてんの。良い加減に気づけよ。寄生虫がよ。

おい、何でお前が生きてんだよ。なあ、強盗の娘なんだよ。

おい、返事しろよ。生ゴミ、ドブ。


「痛いよ、やめて、デージー。違うの、私じゃない、私は悪くない、あいつなのマリンが放火して沢山の子供達を殺したの、マリンは私から希望を奪った。私の思い出の場所を黒焦げにした。どうしてなの?何で酷いよ。辛いよ。もう生きるのが、」


「じゃあとっとと死ねば、お前の死んだ妹みてえによ。

腹でも切って、それか腕でも切って勝手に死ねよ。マリンは大勢の命を奪った、誰のせいかって事件を起こしたのはマリンだけど、そのきっかけはお前の死んだクソ親だろ。お前忘れたわけじゃねえよな、お前の母親、アル中の飲んだくれはよ、酒屋やってたマリンの家に押し入って強盗して殺したんだよ。ミニィあんたはあの最低の犯罪者メニィの娘だろ。」


次の瞬間デージーは金属バットを取り出すとミニィを殴ろうと振り下ろしたのでした。だが次の瞬間、鈍い音が響き渡ると目の前にはミニィにとってのヒーローがいたのでした。


「ケ、ケンちぃ」



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