ボッチ転移
ここは神界。
何もかもあるようで何もかもない世界。
真っ白い景色が永遠と広がり途切れる場所は存在しない。
神界には神が住む。
戦の神。海の神。自然の神。全能の神。
ありとあらゆる神がいる中でも人間社会と同じように上下関係が存在する。
天神、上級神、中級神、下級神。
上の者の命令は絶対。
そして今この神界であるゲームが始まった。
上級神オリポスが始めたゲームそれは、今この世界のどこかに存在する星1つを複製し2つにして、下級神2人に与え互いに星を発展させ決められた期限に複製された2つの星を繋げて戦わせ負けた方の星の神を消滅させるというゲームだ。
このゲームに下級神2人は了承しゲームが始まった。
こんにちは。地球、日本、東京、私立 宇田川学園3年2組、13番。
俺の名前は月宮 龍輝。
、、、もちろん探偵じゃない。
今俺はいつもの日常ってのを謳歌し机で練り消しを作っている。
適当に文字を書いては消し書いては消しを繰り返し出てきた変な消しカスを集め練り消しを作る。
こんな暇な作業をしているとどうしても、どうでもいいことを考えたくなってくる。
俺を物に例えるなら俺はこの練り消しにもなれない消しカスだ。
何故、練り消しの方ではなく消しカスか?
人の出来事を書いた文字と捉えると消され消しカスになった記憶は消えていき消しカスを集め練り消しになれば思い出になる。
簡単に言えば俺は人の思い出に残らないどうでもいい人間ということだ。
ボッチと言ってもいい。
そんなどうでもいいことを考えていると
「キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。」
と授業の終わる合図がなる。
購買に行こうと席を立とうとすると
「悪魔浄化!!」
と声を出し水をかけられる。
「おい、悪魔。悔しかったらかかってこいよ!!」
「やめろよ!悪魔は悪魔でも笑顔しかできねー悪魔なんだし。」
俺が何故悪魔と呼ばれるのか?それは小学校の頃にまで遡る。
俺の家は貧しかった。
その日食べるものすらにも困り今の時代では珍しいほどだった。
お金がない理由はハッキリしていた。俺の父親だ。
父親はお金を貯めるということは全くできずギャンブル、女、すぐに散財してしまう。
そして父親は金を貯められないだけでなく俺達家族に暴力を振るっていた。
母は俺の記憶の最初のうちは父親の暴力を止めていたが俺の妹が生まれてからは疲れてしまったのか父親の暴力を止めずほぼ廃人状態になってしまった。
姉は俺が小さい頃は父親の暴力から庇ってくれたが小学校高学年になった頃ぐらいから暴力を止めたときに体に出来る痣が好きな人に見られたくなかったのか何処かから持ってきたお金を父親に渡して自分に対する暴力をやめてもらっていた。
妹は幼稚園児だった。痣1つで命に関わるくらい体が小さかった。だから俺は父親の暴力から守ったし守らなきゃならない存在だと思った。
そして俺に対する父親の暴力は数年にわたった。
体のそこかしこに痣が出来、常に体の奥に響くような痛みに耐え続けた。
ある日、めずらしく母が料理をすると言ってフライパンを握った。
俺と姉と妹にはお使いを頼み、俺達は家を出ていった。
スーパーから家に向かって帰っていくと異常に消防車の車両が多かった。
嫌な予感がし家に戻ると家は炎に包まれていた。
消防士の人が必死に水をかけているがこれはもう無理だというほどの大火事だ。
野次馬達は携帯で火事を撮影し面白がっていた。
家の中から消防士の人が
「救助者発見!!」
と大きな声がして数分経つと中から体中が焼けただれ誰かもわからないほどにグロくなっていた父親が救助された。
すぐに消防士の人が生命維持を試みるが首を振り無理だということを伝えている。
それを見ていた俺の顔は満面の笑顔だった。
野次馬の携帯にそれが写っていてたまたまそれをテレビ局で流された。
この火事を笑顔で見ている子は誰だ???
ネットは探し始めやがて死んだ父親の息子だということが発覚した。
ネットで晒され一生消えない物となったのだった。
俺は本当に平凡な高校生だ。