表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

22歳OLの戯言

作者: 森山 美紀





日曜日は、もう何度も経験した。




仕事がないからアラームをつけずに寝て、気温が一番暖かい時に目を覚ます。適当にカップラーメンなんかを食べながら、買いもしないネットショッピングをぼーっと見る。


ふと、せっかくのお休みだからと、思い出したように友達に連絡し遊びの予定を取り付ける。


身支度をして外に出ると、辺りは少し暗くなり始めていて飲食店はどこも混んでいる。


友達とたわいもない愚痴や世間話を済ませたら明日起きる時間を考えて終電を調べる。名残惜しい気持ちになりながら酔って千鳥脚になった私はタクシーに乗り込み自宅へ帰る。


そこからあまり記憶はなく、アラームで起きるともうすぐ仕事の時間なのである。



友達がいて、仕事があって、家があるーーーーーー

これはきっと、幸せな日曜日なのだろう。



でも、もう何度も経験しているのだ。



自分の中での日曜日の一番幸せな過ごし方だけれど、もうこの幸せな感情にも慣れてしまった。



どれだけ好きな映画も、週に一回、一生見続けることはできないだろう。刺激がなく、単調な暮らしをしているから、と思われるだろうがそうではない。



一日中家にいたり、いい感じの異性とお出かけしてみたり、旅行に行ったりもする。幸せなひと時だし楽しかったな、また行きたいな、なんて思いながら帰路につく。



けれどふと、幸せな夢をみて朝目が覚めてどうしようもない虚無感を覚えた時、電車の改札で残高が足りず、チャージ機の長蛇に並んでいる時、思ったより酔えなくてシラフで缶ビールを片手に帰るとき。



そんなときにああ、まただ、と、デジャブよりもっと確かな「繰り返し」が頭をよぎって、また来週ね。と去っていく。



気が遠くなるほど人生は長い。私は、一週間という輪廻の中を「繰り返し」生きる。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ