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第八話 エディア緊急会議

緊急会議のシーンです。

領主としてのヨゾラの顔も見せたいと思います。

登場人物は前回の後書きで言ってなかったのですが、バミューダを紹介します。


バミューダ

26歳 (男)

帝国軍兵士兼ゲバラ隊員

192センチ

104キロ

好きな食べ物

ジャガイモのコロッケ

趣味

天体観測


ゲバラ隊員の、筋骨隆々の青年。

帝国軍に潜伏しており、軍事機密をゲバラに横流しする役割を担う、所謂スパイ。

誰とでもフランクに打ち解けられる性格で、フィレアにすらもタメ口で喋る。

ただし、上官には礼儀正しく振る舞っている。

戦闘では意外にも銃を扱う。(ただし、近接戦闘もめちゃくちゃ強い。)

剣も扱えるが、銃ほどではない。

 翌朝。


ヨゾラはエディア領内の重鎮を集めて緊急会議を行った。


それもヨゾラが自宅内で食事をする大食堂で。


ざっと10人は集まっている。


片田舎の官僚なんて、ざっとこんなものだろう。


「すまないな、急に会議に呼び出してしまって。」


官僚が一度に介したこの場を借りて謝罪するヨゾラ。


官僚達は満更でもない顔でこれを受け入れた。


「それでなんだが……まずは私の近況を説明する必要があるな。」


と、ヨゾラは早速切り出した。


「近況とは? ヨゾラ様。」


若い官僚が質問する。


まあ、近況の説明と聞いて、質問をしないバカがいないわけがないから。


「それについてなんだが……私がシンバラエキアの闇を知って……不正を働いた官僚を粛清したのは知っているだろう?」


これに他の官僚は頷いている。


「で、なんだが……私は領民にも、お前達にも内緒で……1人で、フリーの身で『暗殺稼業』を『マド』という名でやっていたんだ。」


これにざわめき出す官僚。


まさか領主自らが暗殺稼業に手を染めているとは思えまい。


なにしろ嘗ての英雄「屍のヨゾラ」なのだから。


今、ここにいる可憐な銀髪の少女が。


「それでつい一週間前くらいのことだ。……私と同じ、帝国を変えたいと、一度体制を壊したいと願うもの達が現れたんだ。私の目の前に、な。その組織の名を……『帝国革命組織・ゲバラ』だ。……今、私はそこに入っている。」


と、初老の官僚がヨゾラに質問をする。


「恐れながら……ヨゾラ様、それは()()()()()()()()()()のでは? ここまで人を殺めているのでしたら……ヨゾラ様が犯行を起こした、と目撃情報があってもおかしくないと思われますが……?」


「……そこは問題はない。……()()、な。……だから皆に言いたい、というか……意見を聞きたいというか……私から直々に頼みがある。」


官僚の言葉に即答で返した後、ヨゾラは頼みを聞いてもらうことにした。


「今ゲバラが……ある島にあるアジトを特定されて、帝国軍に壊滅させられそうなんだ。……だから……私も一隊員だ、ゲバラの皆に入れてもらった恩は報いたいと思っている。……私は……『ゲバラ』のメンバーを、このエディア領内で匿いたいと思っているんだが……どうだ?」


ヨゾラが真剣な目をして皆に問うた。


顔を見合わせる官僚達。


やはり難しい案件だとは思っているようだった。


と、ここで髭面の官僚が手を挙げた。


「御質問よろしいでしょうか、ヨゾラ様。」


「ああ、構わない。」


「……私も、帝国に謂れのない罪で左遷させられたクチですので仰いますが……このエディア領を……『()()()()()』とするのでしょうか。」


これにまた、ざわめき出す他の官僚達。


ヨゾラはこの問いに回答した。


「そのつもりでいる。……あの大粛清以来、左遷されたお前達のような人間しか雇っていないからな、私は。……各々、帝国に思うところはあるだろう……? それは私も同じだ。……彼らの組織に入ったのは、『()()()()()()()()()()』私の意思と、彼らの『()()()()()()()()』という想いと利害が一致していたからだ。私が帝国の公爵の中でアウトサイダーでいるのも……皇帝に面従腹背なのも……全ては先ほど言った『帝国に反旗を翻したい』という意思のもとだ。その心算で賛成か反対かを挙げて欲しい。……どちらがこの帝国にとって……正しいのかを、よく考えた上でな。」


確かに圧倒的武力を誇る嘗ての英雄(ヨゾラ)であれば手出しはしにくいだろうし、皇帝も、嘗ての英雄(ヨゾラ)()()()()()()()()()()()()()思いもしないだろう。


合理的ではあるが、同時にリスクも孕む。


それに、仮にこのことが漏れていれば、革命の準備を整えられてしまうリスクも出てくる。


慎重に事を運ばなければいけないのだが、ヨゾラの周りは左遷させられた人間ばかりだったので、官僚はヨゾラを信頼し切っているし、ヨゾラも彼らを信頼している。



 1時間後、ヨゾラは多数決を取った。


全員、満場一致で賛成。


これで迎え入れる準備は整った。


あとは匿う場所を用意するだけだが……。


エディアは幸いにも海に面している土地だったので、港はあるのだが……。


とりあえず「ゲバラ」を匿える、緊急の納屋を使うことにした。



 ヨゾラはフィレアに向かって電話した。


「ボスですか? 此方は今、全員満場一致で賛成、エディアを革命の許点にすることが出来ました。迎え入れられます。」


『ヨゾラ、助かる。官僚たちは皆分かってくれたようだな。……だがな、ヨゾラ……お前に一つ、()()()()()()()()()()()がある。』


と、フィレアは続ける。


『二日後に、()()()()()()()()()()()()、との事だった。……バミューダが得た情報だから間違いはないだろう。』


「!?」


まさかの展開にヨゾラは驚いた反応を見せた。


まさか帝国が仕掛けてくるだなど、予想外だったからだ。


誰か帝国内に頭脳がいる、ヨゾラはそう思ったが、フィレアは続ける。


『とにかく、何とかして入れてもらいたい。帝国は()()()()()()()()()からな……バレバレの報告は……即アウトだ。私も元々帝国の将軍だったからわかる。潜水艇なのが幸いしているというぐらいだ、しかも軍が各領地に()()()()()()って話なんだ。……何かあるか? ヨゾラ……。しかもバミューダはエディアじゃない場所に着くことになったんだ。』


しかし、ヨゾラは慌てなかった。


何せ()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだから。


秘書の女性___「カトレア」の頭脳があれば、この程度の対策はどうにでもなる。


カトレアとヨゾラは目を合わせた。


カトレアはヨゾラの催促に頷いた。


「資料を送っておきます。それに従って潜水艇を入れてください、ボス。」


『本当に君には世話をかける、ヨゾラ。……それじゃ、よろしくね。』


そういって、一度電話を切った。


ヨゾラはカトレアに話しかける。


「潜水艇の受け入れ口の整備はどうなってる? 問題ないか?」


カトレアは資料を持ってきながらヨゾラにこう話した。


「ええ。問題はございません。ただ、ヨゾラ様、一つ懸念がありまして。」


「どうした?」


()()()()です。潜水艇の音はかなりの轟音を要しますが故。港に兵を構えているということは気づかれるという可能性も孕んでいますが……」


「ああ、カトレア、そこは大丈夫だ。何せ……ライドって奴が、この為に静かに潜水できる()()()()()()()使()()()()()って話だ。」


「? と、仰いますと?」


「『()()()()()()』を使用した……潜水艇って事だ。」


「!! では……!!」


「匿えることに関してはもう、万全の対策で出来るさ。……あとは私の尻尾を掴まれないかどうかにかかっている。……幾ら帝国軍にキレ者が入ったからと言って、カトレアの頭脳に敵うものはいないさ。」


ヨゾラは椅子に腰掛けながら、不敵な笑みを浮かべたのだった。

「リチウム電池の潜水艦」というのは、実際に日本の海上自衛隊でも使用されている技術です。

JAPAN is respect。


ここで秘書のカトレアちゃんについて話します。

カトレアは、ヨゾラと同い年の孤児院仲間です。

ヨゾラがソールワン大戦で大活躍出来たのは、カトレアの作戦が見事にハマった、というのが裏話としてあります。

つまり影の功労者といっても差し支えないでしょう。

ただし、頭脳がキレすぎている分、ヨゾラも自分を裏切らないように注視している人物でもあります。

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