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第三十四話 闇を撫で斬る

今回は決着です。

8093の意味は分かったかと思います。

‘80-9/3 といった感じですねww

 ヨゾラとコージオがぶつかり合う。


剣と刀が交錯し、火花が散っていく。


「何故貴様は……ソールワンを蹂躙する……!?」


ヨゾラは剣と刀を重ねていく中でコージオに問うていく。


「ソールワンは侵略者だ……それを食い止め、滅ぼすことをして何か問題があるのか?」


「それはまやかしではないのか?」


「……何が言いたい? 小娘……」


「シンバラエキア暦1880年の9月3日……ソールワン族の地があった『シーロック公国』……そこが侵略され、大量の住民が虐殺された……そこからだ、ジェノサイドが始まり、それに抗議して彼らはトルメイアで挙兵した……彼らの文化を否定され、蹂躙に耐え切れない彼らが挙兵をしたのも今なら納得がいく……シンバラエキアは世界でも傍若無人に振る舞っているが故にそのようなこともやれると知ったんだ!!」


ヨゾラはコージオの剣を跳ね飛ばした。


「ほう……では、彼奴らが被害者だ、とでも言いたいか? この売国奴が!!」


コージオは構わず剣を振り下ろす。


ヨゾラは二刀で堅くガードを張った。


「確かにソールワンの地は資源が豊富だ……武器の素材になる異形も多い……だがな、他者を蹂躙すること、それはいつか……!! 反動で自分に跳ね返る!! 今の貴様が正にそうだ!! ソールワンが下等種族だと云うのならそれは違う!! 下等種族でも奴隷でもない!! 彼らはジェノサイドの被害者であると同時に……!! 私達となんら変わらない『人間』だ!!」


ヨゾラは右の刀で剣を受け流し、左の刀で突きを放った。


コージオの右頬を掠め、血が流れる。


「むっ……そこから来るか……」


「悪は須らく斬る!! この国の闇を晴らすのが……!! 私に与えられた使命なんだ!!!」


ヨゾラは右の刀を続け様に振り下ろし、コージオを斬り伏せた。


コージオは仰向けに倒れたのであった。




 コージオはもう虫の息だった。


流石にヨゾラもこれは斬る必要もないと、刀を納めた。


「……何か言い遺すことはあるか……?」


「クハハ……まだ……甘いのぉ、貴様は……それで皇帝を討とうとでもいうのか……」


「……勿論だ。何が言いたい? コージオ……」


「陛下は……甘いお方ではない……政治は無能ではあるがな……全盛期は……そうだな、英雄ヨゾラを凌ぐ強さだ。彼奴でも今の陛下に勝つことは難しい……」


自分でも難しいことを言われ、ヨゾラは眉を顰めた。


コージオは続ける。


「陛下はさまざまな権力争いに勝ってきた『修羅』だ……たかが数人の軍人を殺めてきたくらいの貴様では倒せん……ワシでも何を御考えか……全くわからない、それくらいに危険だと云うことは……貴様に遺しておくぞ……」


コージオは息を引き取ったが、その部下達は足がすくんで動けなかった。


ヨゾラは敢えてマスクを外し、髪を結っていたゴムを取った。


「なっ……!! まさか、『屍のヨゾラ』……!? 何故嘗ての英雄が国を裏切る……!?」


「言葉の通りだ。シンバラエキア帝国を滅ぼして……新たな共和国を建国するためだ。それとも……どうする? 逃げるか立ち向かって斬られるか……選ばせてやる。貴様らはどちらがいい?」


ヨゾラの琥珀の目が冷徹の色を帯びた。


“全員抹殺する”ことの現れだった。


「う………うわァァァァァーーーーーーー!!!!!」


部下は一斉に逃げ出した。


だが、正体を明かされては困るのはヨゾラの方だ。


ゾルに連絡し、地下からソールワンの囚人を向かわせることにし、皆殺し態勢を着々と整えた。


「……まったく、逃げられると思っているのか……愉快な奴だ……まあいい、私のことを警戒されては立場が悪くなるだけだ。冥土へ全員送ってやる。」


階段から逃げていく兵達をヨゾラは襲撃して次々と斬り倒していった。


1秒あたり10人は斬り捨てていく。


ソールワン族とヨゾラが合流する頃には、3000もいた兵達は皆、惨殺体になって城内に転げ落ちていたのであった。





「ヨゾラ……コイツらも率いるのか?」


ヨゾラにゾルが、ソールワン族の囚人をどうするかを聞く。


「そうだな……私は先にエディアに帰る。国からの客人を相手にしなくてはいけないからな。」


「シルバーか?」


「違う……町の視察隊だ。皇帝は自分の周りにイエスマンしか置かないからな、その甘い汁を啜る奴らを相手にしなくてはいけない。殺さないように、な。」


「それはわかった。万が一バレたら……」


「その時はその時だ。大丈夫、こういう交渉事には慣れている。だからゾル、指揮権はお前に一任する。だから死ぬなよ?」


「……分かってるさ。ターゲットを皆殺しにする迄だ。」


ヨゾラは刀のワイヤーを伸ばし、先にエディアへと帰還していった。




 そしてゾルとカトレアは、「革命軍」としてソールワン族を率い、悪徳領主の街を次々と襲撃していき、領主及び将軍の首を根こそぎ刈り取っていったのであった。

次回から新章「強制収容所編」です。

ヨゾラは出てきませんので、その分僕もしっかり書こうと思っています。

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