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第二十四話 自分の正義を持つ者と正義を持たぬ者

今回は続き。

登場人物紹介はギマラエスです。


ギマラエス・フォン・オーレイメー

18歳

シンバラエキア帝国少佐・マルーガ領主

184センチ

88キロ

好きな食べ物 動物の内臓

趣味 拷問、解体


ソールワン大戦では拷問部隊の一員だった男で、動物を解体したり、人間をバラバラにしてホルマリン漬けにするなど異常な性癖を持つ。

ヨゾラとは同じ孤児院で育ったが、その異常性から周囲からは浮いていたとのことである。

ただ、戦闘はヨゾラが認めるほどの実力者で、側にあるパイプでヨゾラの急襲を受け止めるほど。


 ヨゾラとギマラエスは、お互いの攻撃を捌いていく展開が続いていった。


ギマラエスもヨゾラもポーカーフェイスを保っていたが、速攻で決めたかったヨゾラは焦っていた。


なにしろギマラエスは持久的な戦いを得意にしているので、速攻型のヨゾラとは相性がこうなればあまり良くはない。


お互いに紙一重で攻撃を躱していくが、ここで鍔迫り合いになる。


「ヨゾラ……どういう風の吹き回しだ? 嘗ての英雄が……ここまで下賤なヤツに堕ちるなんてな。」


「なんとでも言え、ギマラエス……! 私は私の正義のために戦っているだけだ!」


刀で一気に振り払う。


「自分の正義、か……だが俺たち『イグノー』は……そういうものを持たない組織だったのではないか?」


「……確かにそう言われた……けれども……私は帝国の闇を知ってしまった。もうそのただ言われたからやるのは……もう辞めたよ。」


ヨゾラは攻撃を仕掛けながら問いただすかのようにギマラエスに言う。


ギマラエスも体格に似合わぬ俊敏な動きで攻撃を躱していく。


ヨゾラが振った左の刀が空振りしたと同時に、ギマラエスの持つパイプがカウンターのようにヨゾラの右側頭部にクリーンヒットした。


「チッ………」


「正義を口にしていいのは……強い奴だけと相場は決まっている。」


ギマラエスは右に一回転し、パイプ攻撃を放つ。


ヨゾラは右の刀で受け止めて防ぐが、ギマラエスのパワーに吹き飛ばされた。





 「さっきの言葉……お前にそれを言える資格があるのか……? ギマラエス……」


「あ……?」


ヨゾラはフラフラと立ち上がる。


ガードしてもこのダメージだ、ギマラエスの技量が高いのはこの時点で頷ける。


「正義のない奴が……『正義』を語るな。……人の夢や目標の邪魔をするのはいつも……夢や正義……目標を持てない奴だ!!」


ヨゾラはそう叫び、斬りかかる。


ギマラエスもなんとかガードして、ヨゾラの攻撃を防いだ。


「……確かに俺には……そういうのはないさ。だが……お前はあるのか? そのものは。」


「帝国を打倒し……!! 新たな国を作り上げる!! それが私の夢であり、目標だ!!」


「ぬかせ。幾らお前でも一人では限度があるだろう。帝国を舐めるな。」


「私には……!! アレから仲間ができて……領民からの信頼も得て……ソールワンとも和解できた!! 私はもう、独りじゃない……!! 部下を得ても……共にイグノーで過ごしていた日々も……!! それでも尚ずっと孤独だったギマラエスには分からないだろうな!!!」


高速の攻撃が死臭のするギマラエスの部屋に、火花となって散っていき、激しくなっていった。


互角の戦いではあったが、決着が着くのは早そうにも見えたのであった。

次回は決着。

お楽しみくださいませ。

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