第二十三話 鬼の首
今回はサクッと、邂逅シーンまでお送りします。
マルーガの中心街まで集まったゲバラ一行。
聳え立つ居城を前に、決意を固める。
「それじゃあ作戦通り行くか……私たちは中から攻めて敵を削っていく。カトレアは隠れて逃げ道の確保、ヨゾラはギマラエスの襲撃だ。くれぐれも全員……生きて帰るように!! いいな!?」
「「「「オウ!!!!」」」」
フィレアの掛け声に、全員が反応する。
「ヨゾラ、ある程度削れたら指示を送る。それが来たら突撃してくれ。」
「ああ。任せておけ、ゾル。」
こうしてゲバラのメンバーは口々に突撃していったのだった。
一階の窓ガラスを割って侵入していく、フィレア、ゾル、ライドの3人。
「侵入者だ!!! 出逢え、出逢えーーーーーー!!!!」
ギマラエスの部下たちがフィレア達に襲いかかる。
だが。
「ボス、俺に任せとけ。」
剣を構えるゾル。
居合抜きを一瞬で放ち、刺客を一瞬で胴を真っ二つに斬ってみせた。
尚も襲いかかる部下達だが、今度はライドがボウガンで次々と穿ち抜いていった。
階段を駆け上がり、部屋を襲撃しては次々とギマラエス陣営を抹殺していくのだった。
フィレアはヨゾラに連絡を取った。
「ヨゾラ、こっちはあらかた削っておいた! 今なら襲撃に行ける!! 私たちは焼き討ちの道具を何か探しておく!!」
『了解。任せておいてくれ。』
ヨゾラは通話を切り、屋上を見上げた。
「さて……いつも通り、と行きますか……」
ヨゾラは長い髪を結い、いつものマスクを取り付け、ワイヤーが仕込まれている刀の柄を窓に向ける。
バシュン!! と勢いよくワイヤーが伸ばされ、それを収縮させてヨゾラは、窓を思い切り蹴破ってギマラエスの部屋へと侵入していった。
バリャアアアアアアン!!! という音と共に、ヨゾラはギマラエスの部屋へと降り立つ。
これに気づいたギマラエスは、動じる素振りを全く見せることなく近くにあった鉄パイプを手に取った。
ヨゾラは躊躇いなく刀を振るが、ギマラエスも綺麗なパイプ捌きでこれを受け止めた。
「……久しぶりだな、ヨゾラ……ここまで何しに来た?」
「この格好でも私が『ヨゾラ』だと分かるか、ギマラエス……私はお前の首を狩りにに来た、それだけのことさ。」
元・同期の2人が対峙する。
この後、最大の死闘が幕を開けるのであった。
次回はギマラエスの紹介と共に、ヨゾラの過去も少し語っちゃいます。




