第二十話 シルバーの助言
まあ、この回は小話的な感覚でお楽しみ頂ければと思いますww
前回がね、まあ……なんて言うんでしょうか、更新した翌日に100PVをまさかまさかの突破ということで、やっと軌道に乗り始めたのかな、って感じがします。
なんでまあ、ここからブクマとか評価が増えることを祈念して頑張っていきたいと思います。
エディアの名工がブレーキニストの労働の場となる武器工場や縫製場を造っていく間、フィレアはシルバーに話を聞きに行くことにした。
「……まずは貴方に謝罪しなければいけないな、シルバー将軍。すまなかった。表面しか見ていなかった私が愚かだった。」
頭を下げるフィレア、まあ、元将軍とだけあって、古い付き合いだからこそだった。
「ああ……もういいんだ、フィレア。僕も疑われるような真似をしてしまったからね……もう女遊びはしないことを誓うよ。」
シルバーは申し訳なさそうに笑った。
「……本当に帝国を裏切るつもりでいるんだろう? シルバー将軍。」
「そのつもりさ。帝国の情報を流す役割くらい……なってあげるよ。中枢の情報は部下に忍び込ませて得ているからね。」
「助かる。……そうなると色々戦略を変えなければいけないからな……困ったものだよ。」
そうなるとバミューダの役割は被るよな、とフィレアは思い始めた。
フィレアは一息吐いた。
「そうなったらバミューダをこっちに戻すか……シルバー将軍、私の部下にバミューダという大男がいるのだが……万が一があったら困る、貴方の監視役にバミューダを配置させて何かあれば飛んでくる、という形にしたいのだが……受け入れてくれるか。」
「君が僕を疑っているのは重々承知しているよ。それくらいは受け入れられる。」
「ありがとう。……アイツは金の管理もいい。給料の会計の部分はバミューダに頼んでくれ。」
「すまないな。僕なんかのためにそこまでしてくれるとは。」
「で、なんだが……シルバー将軍、私と貴方は古い付き合いなんだ、今の帝国の将軍の情報は何処まで手に入っている?」
シルバーは少し考え、デバイスを開き、ファイルの欄を開いた。
「……今は若い将軍の大半が中枢を占めている。……何故か分かるかい? フィレア。」
「皇帝の思うまま動かせる……若い人材を敢えて置いている……?」
「そうだ。皇帝陛下は自らが絶対的に正しいと思い込んでいる人だ。それも典型的な例で。右大臣や左大臣にも問題があるのはもちろんなんだが……イエスマンしか置かない理由は簡単だ。帝国の闇を知っているのが僕のような世代だ。反乱を起こしても抑えられる準備を整えられるから敢えて遠くに置いているのさ。」
「なるほどな……ヨゾラのエディアが中枢とさほど遠くないのも……英雄としての功労があるから、ということか。」
「そうなるね。報告によると……皇帝陛下はヨゾラが今裏切っているとは夢にも思っていなさそうだった。これで兵力さえ揃えば……」
「二方向から叩ける、と。」
「そうなるけれど、現実そこまで甘くはない。鍛えられていて、且つ忠誠を誓っている将軍がいる。『9083』……皇帝に忠誠を誓う番号だというのは君もよく知っているはずだ。」
「ああ……。」
「だがその意味までは知らないはず。その意味は……『粛清権』だ。」
「!! じゃあまさか……!! ソールワンのジェノサイドだったり麻薬販売だったりをしていたのは……!!」
「ああ。逆らえば殺す、ということさ。……それも若い将軍、自分に心酔している貴族にのみ与えている。無論それはヨゾラにも入っているはずだ。」
「確認してみるか……」
フィレアはシルバーに言われた通り、ヨゾラに電話をかけて確認を取った。
「ああ、ヨゾラか? すまないな、今シルバー将軍と話していてな。」
『ボスか、どうした?』
「お前……『9083』……って番号の事を知っているか?」
『ああ……実際私の左脇腹に焼印として刻まれている。』
「その意味も分かっているか?」
『勿論だ。私は帝国の闇を全て知った。……いずれ話そうと思う。その入れられた訳も。』
「……分かった。手伝いの方、頑張ってくれよ。」
『了解。』
電話が切られ、フィレアは背もたれに体を預けた。
「なんということだ……若い将軍が本当に殺さなければいけない相手とは……」
「目論見が狂うのは分かるよ。不自然しか感じないといえばそこまでだろうし。」
「……シルバー将軍、これを踏まえて……何か助言をくれないか?」
「そうだなぁ……中枢を叩くのと……老年の将軍の協力を取り付けるのとで作業していく方がいいと思うね。ただ最初に狙うのが……若い将軍で唯一中枢から遠く離れた将軍が1人だけいる。」
「それは誰だ?」
「『マルーガ』の将軍……『ギマラエス』。アイツは異常者だ。人間を殺してアートを作ってそれを見て悦んでいるようなヤツだ。危険すぎるから革命を起こすと考えているならコイツだけは叩いておかなければいけない。僕は少なくともそう思っている。」
「……私は知らないやつだが……これはバミューダに一度情報を仕入れてもらうか……」
「その方がいい。経済さえ好循環的に回れば僕も参戦できる。それだけは覚えておいてくれ、フィレア。」
ゲバラ一行はマルーガへ向かうと決めた。
その先にある、地獄のような光景があるとも知らずに。
ギマラエスはドチャクソヤベーやつに仕上げたいと思ってます。
作中屈指のサイコパス野郎かな、と思いますので、その辺も是非抑えていただければと。




