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第十八話 脅迫か、暗殺か

ブレーキニストの実態に迫る回ですが、割とサクッと終わらせたいなと思います。

この章は結構長めになりますので、僕も気を持って頑張りたいと思います。

 「ゲバラ」一行はブレーキニストに到着し、早速シルバー将軍の調査に入った。


表向きは紳士、しかし裏の顔は帝国から賄賂を受け取っていたプラスそれを女性に使うとのことで、かなりの悪辣さが裏にある。


生憎ヨゾラもフィレアも彼の連絡先は持っていないので自分で確かめるしかない。


調査を開始したその時。


教会が見えた。


子供達と雪遊びをしているシルバーの姿が。


これを見たヨゾラは教会の屋根の上に登り、様子を見守っていた。


しかし、特におかしい点はなく、シルバーも年自体はいいオジサンなのではあるのだが、子供のように無邪気な笑顔を見せていた。


やがて完成した雪だるま。


子供達と大喜びしている。


表向きであの笑顔なら裏の顔はどれほど恐ろしいのか……というのはある。


「よーし、次は雪合戦だぞー!!」


シルバーの掛け声と共に、子供たちは一斉に散り散りになった。


遊んでいくシルバーを見て、ヨゾラは連絡をメールで取る。


子供と遊んでいる写真を添えて。




 その後、夜の写真を納めて宿屋へと戻った一行。


バッチリと女性遊びをしている写真が。


しかし、表向きは、とはいっても、紳士的なのはシルバーの性格上も出ていた。


あれが演技とは、とてもではないが思えなかった。


ヨゾラの報告を聞き、一行はフィレアに判断を委ねることにした。


「……作戦は変えない。シルバーを暗殺する。」


これにピリつく一行。


カトレアが何故かと聞くと、フィレアはこう答えた。


「ああいうやつを残しておけば……新興国家のための障害になりかねない。そうなる前に叩き潰しておく必要がある。たとえその紳士性が()()()()()()()()()……賄賂を受け取って町を成り立たせている奴を生かしておくわけにもいかない。だから確実に仕留める。」


この理由に納得はいかなかったのはヨゾラだった。


ヨゾラはフィレアに反対意見を述べる。


「ボス、私が見てきたのは……シルバー将軍と遊んでいる時の……子供達の実に楽しそうな姿だ。ボス、証拠写真は収めているんだ、ここは脅迫という形に出てみないか?」


「それは無理だ。第一賄賂を受け取っている奴は……自己保身に出る場合が多い。脅迫しても自己保身のためなら手を出すだろう。」


「大義名分が町民には取っていないだろう! その状態でシルバーの暗殺に及べば……!! ブレーキニストの町民たちを敵に回すことになる!! だったら私たちの言うことを聞かせるしか……!」


「だがな、ヨゾラ……理想を築くにはな……」


「ボスは……! 新興国家を作るのと子供達の笑顔を守るのと……!! どちらがいいんだ!!! 私は少なくとも……! ブレーキニストの子供達の未来と笑顔を守りたいんだ!!」


ヨゾラの涙ながらの説得、フィレアはヨゾラがここまで意見に反抗することは滅多に無かったので、驚いていた。


と、ここでゾルが口を挟む。


「落ち着け。ここで言い争っていても意味はねえぞ。……ヨゾラ、どうしてもと言うならお前一人で行ってこい。カトレアの話から推測するにシルバーは相当強い。第一お前はエディアの領主じゃねえか。お前の立場なら話を聞いてくれるはずだ。」


ゾルの意見は合理的なものだった。


ゾルの意見を聞いたヨゾラは、ワイヤーが仕込まれている刀をフィレアに手渡す。


「……分かった。みんなは先に戻っていてくれ。カトレアは私が留守だということを部下たちに伝えてくれ。」


「かしこまりました。」


ヨゾラはいつもの仕事の格好になり、部屋を出ていった。




 ヨゾラはシルバーの邸宅に着き、門番に声を掛けた。


「ああ、すまないな、夜分に。……シルバー将軍に明日の朝……話があると伝えておいてくれないか。」


「しかし、ヨゾラ殿……シルバー将軍はお忙しくて……業務に時間を取れるかどうか……」


「お付きの人間に確認を取って欲しいんだ。個人的に交渉したいことがあるんだ。」


「ほう……エディアと、ですか……少々お待ちを。」


門番もヨゾラのことは知っていたようで、シルバーの執事に連絡を取り、アポイントを取り付けた。


「大丈夫なようです。明日の10時に、ということでしたので……」


「ありがとう。では、また朝に。」


ワイヤー付きの刀を失っているので、こうする以外に方法がなかったヨゾラ。


交渉に行けることはわかったことで、宿に戻って一休みすることにしたのだった。




 「ああ、待たせたね、ヨゾラ公爵。」


翌日、客室に招かれたヨゾラ、そこにシルバーが入ってきた。


「すまないな、シルバー将軍。急に夜に予定を取り付けてしまってな。」


「なんてことはないよ。英雄と話が出来るなんてそうそう無いからね。」


室内を二人っきりにし、ヨゾラは交渉を始めた。


「……実はな……」


と言い、ヨゾラはデバイスをオンにし、女性遊びをしている写真を見せた。


「!! それは……!!」


「悪いな、盗撮させてもらった。実はシルバーの調査に来ていてな……私個人の仕事でね。」


「……僕の調査に、か……」


シルバーはやけに落ち着いた顔をしていた。


ヨゾラは続ける。


「領民から信頼を得ている貴方が……もしこの写真を公にされたらどうなるか……分かるよな?」


「……ああ。」


「私は昨日一日で貴方の行動を全て見せてもらった。だからこそ聞きたい。貴方の昨日一日の行動は()()()()()()()()()


単刀直入に質問を投げかけたヨゾラ。


シルバーは少し口を噤むが、ひとつ息を吐いてこう答えた。


「……そうだな……せっかく来たんだ、話しておく必要があるな……」


シルバーは続ける。


「この……ブレーキニストの実情を。」


この後、シルバーの語ったことが、意外な展開を及ぼすことになるのだが、ヨゾラ以外のゲバラメンバーはまだ知る由もない。

長くなる、イコール他にもフィレアがターゲットにしている将軍はいるわけです。

シルバーはどうなるのか、気になる人はいるかもしれませんが、それはまた次回。

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