第十話 キリアVSダヘリアン
一騎打ちとなる回です。
やべーやつとの戦闘って、マジで描写グロくなるんですわ。
まあ、今回はダヘリアンの強さを見せれればいいかなと思います。
登場人物紹介はダヘリアンです。
ダヘリアン・シーファイ
シンバラエキア帝国将軍
24歳(女)
172センチ
61キロ
3サイズ
B91
W62
H89
好きな食べ物
豚のレバー
趣味
動物を切り刻むこと
ソールワン大戦後に頭角を現した女将軍。
整った顔立ちに、左口角の下にあるホクロが特徴。
戦闘では鉤爪状の剣を使用する。
部下の統率には興味を示しておらず、自らは構えて待つという待ち伏せ型戦闘狂。
ジェノサイド賛成派で、ソールワン族を捕らえては内臓を取り出したり、また動物を生きたまま切って内臓を取り出してはそのまま縫い、経過を観察するなどの超サイコパスで、他にも異常行動が目立つ。
性格は享楽主義者。
ダヘリアンに拳や蹴りを立て続けに放っていくキリアだったが、ダヘリアンはスルスルと回避していく。
ダヘリアンは、まだ仕掛けない。
キリアを観察して様子を見ているのだ。
この鎮圧戦を見るからに、ダヘリアンは自分からはあまり仕掛けないタイプの将校なので、長期戦は危険だった。
左フックをキリアが空振りしたと同時に、ダヘリアンは、クロスカウンター気味に右ハイキックを側頭部へと叩き込んだ。
「うぁっ……」
キリアはよろめいた。
かなり重いハイキックだった。
そしてダヘリアンは剣を振り下ろそうとした。
キリアはこの攻撃を、間一髪で転がって回避した。
その後でキリアは足払いを繰り出す。
しかし、ダヘリアンはこれをバックステップして避けたのだった。
「チッ……やるわね、アンタ……」
「フハハ、お主もよ。私の必殺パターンを避けるとはのぉ。」
「……ソールワンの戦士を舐めないことね……アンタの目からは……あの戦争のソールワン族の強さを知らないように見える……」
「ソールワン族など恐るるに足りぬわ。何故なら負け犬なのだからな。」
負け犬、という言葉に反応したのか、キリアは右オーバーブローを繰り出した。
ダヘリアンはボディに右膝蹴りを繰り出す。
一瞬止まる呼吸だが、キリアは怯むことなく反撃する。
左軸、右回転をして、右踵蹴りを繰り出す。
しかし鎧越しなので、そこまでダメージはなかった。
更に顔面へ、上段つま先蹴りを繰り出した。
首が捻れ飛ぶ。
が、膝を突くほどのダメージはなかった。
キリアが右打ち下ろしを放つ。
「おおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
雄叫びを挙げて振り下ろした拳。
が、ダヘリアンは余裕だった。
「お主は中々やりおったわ。だが……シンバラエキアの将軍を舐めすぎだ。」
鉤爪状の剣を横に振る。
無防備になっていたキリアの左腹を深々と抉った。
「うぁぁぁぁぁッッッ!!!」
激痛に悲鳴を上げて、その場に倒れ込んだキリア。
腹部の大動脈を抉られたのだ、出血量が夥しい。
息が荒くなってくる。
激痛で立てない。
早く立て、立て……! キリアは歯を食い縛るが、体はそれに反して言うことを聞かなかった。
「フフ、なに、案ずることはないわ。お主はこれから……シンバラエキアの『医療』の礎となるのだからな。」
「……ッ!!! そのために同胞を……!?」
「自国民のユーフォ族を使うよりも……お主らソールワンの方が安く、しかも知られることなく取引されるからなぁ……『臓物』の一つ一つが、な……」
高らかに笑うダヘリアンに、怒りの気が湧いてくる。
その身勝手な理由のためだけに同胞を殺されたと知り、キリアの怒りは最高潮に達していた。
「き……貴様ァァァァァァァァァァァァ!!!!」
咆哮を上げて、限界を超え立ち上がり、ラリアットの腕を振るう。
が、ダヘリアンはこの最期の抵抗をものともしなかった。
「愚かな蛮族よ……皇帝陛下のための、権威の礎となるが良い。」
ヒュッ、とコンパクトに鉤爪状の剣を、ダヘリアンはキリアの眉間へと正確に振り下ろした。
切先がキリアの命灯を絶った。
(ゴメン……ボス……みんな……私はここまでだ……後はお願いね……必ず……革命を……)
意識が闇へと消える。
そして、うつ伏せに地面へと倒れ込んだキリアだった。
目から光が消え失せ、キリア戦死。
だが、ダヘリアンは衝撃的な言葉を部下に下したのだった。
「ホルマリンを持ってこい、お前たち。」
「ハッ。」
部下は次々と動き出し、ホルマリンの入った瓶を大量に持ってきたのだった。
「さて……シンバラエキアのため、コイツの臓器を取り出すか……クハハハハハ…………」
狂気の目を携えながら高らかに笑い、ダヘリアンはキリアの解剖を始め、臓器を一つ一つ、丁寧に取り出しながらホルマリンの中へとぶち込んで行ったのだった。
これがソールワン族に行われている、仄かに見えたジェノサイドの実態だった。
健康体そのもののキリアは、移植には最適、しかし、このようなことを許していいのだろうか。
非人道的とも言える、臓器の取引が……。
革命をヨゾラ達に託して命を失ったキリアに対して、敬意のカケラは一切なかった。
やがてダヘリアンは全てのキリアの臓器をホルマリン瓶の中に詰め込んだ。
その後で『ゲバラ』の拠点を調べたのだった。
「やはりこの首が……発信器の役割をしていたのか。」
発見したのは、ゾルが斬ったはずの、「ラスティアの首」だった。
ダヘリアンは、頭骨を切り、腐りかけの脳内にあった発信器のチップを取り出した。
「……今後も奴らは同じ間違いを犯すだろうな……クハハ……どんな奴が指揮を執っているか、楽しみだなァ……ククク……ハハハハハハハ!!!」
ダヘリアンの高らかな笑い声が、無人島のはずのサフィルバ島に響き渡ったのだった……。
この回に関しては、「報道されていない真実」を元に書き記しました。
皆様の予想通り、次章の最大の敵はダヘリアンとなります。
序盤で仲間が戦死する異常事態、そして異常なる帝国軍……。
次回から始まる次章は、ヨゾラ達遺されたゲバラ隊員の新たな船出となります。
熾烈なものになるというのは皆さま予想済みでしょうが、それを超えるようなエグいやつを書きたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。




