第九話 サフィルバの死線
今回はキリアにフォーカスを当てます。
ただ状況的にはめちゃくちゃヤバいですけどね。
登場人物紹介は、カトレアです。
カトレア
18歳 (女)
ヨゾラ公爵専属秘書
159センチ
37キロ
3サイズ
B79
W56
H81
好きな食べ物 紅茶
趣味 書類整理
エディアに於けるヨゾラ専属の秘書で、元孤児院仲間。
天才的な頭脳と策略を持ち、「ソールワン大戦」では軍師としてヨゾラを陰で支えた功労者。
ヨゾラ曰く、頭脳で彼女に勝るものはいないとの事で、ヨゾラからの信頼は絶大である。
戦闘力は皆無に等しく、やれることといえば銃を使っての妨害くらいしかできない。
義理堅い性格で要領もよく、人当たり自体は悪くはないが、一歩下がる秘書らしい性格。
ヨゾラが「マド」として活動していることも知っており、ヨゾラ不在の際は仕事をテキパキとこなす。
ヨゾラから絶大な信頼を受けている一方で、頭が良すぎるが故に彼女が自分を裏切らないか警戒している。
現在のサフィルバ島で、殿として、ただ一人島に待機しているキリア。
フィレア達は、もう既に脱出している。
ヨゾラの居る、エディアに向かって。
そうしているうちに、軍が来た。
総勢200人。
多勢に不勢もいいところだ。
キリアはソールワンの伝統衣装に身を包み、戦闘態勢に入った。
「反帝国組織に告ぐ! 大人しく我がシンバラエキア軍に降伏せよ!! さもなくば突入する!!」
兵隊から尤もらしい声が聞こえてくる。
キリアは大人しくアジトの外へ出た。
「コイツ……『ソールワン族』だ!! 構えろ! 殺す気で戦え!!」
襲ってくると予感していた兵士が叫び、槍を構えた。
キリアは一息吐いた。
「我らが絶対神『サッラー』よ……この悪しきもの達を打ち倒すべく……我に聖戦の証を与え給え……」
ソールワン族の間で信仰している宗教の神の名を唱え、気を注入する。
目を見開いたキリアは、地面を大きく蹴り出して、軍の中に突撃していった。
戦闘態勢に入ったキリアは、孤軍奮闘し、次々と兵士の甲冑越しに首をねじ折っていく。
ソールワン族は身体能力が非常に高く、また、道具を作って戦うという器用さも併せ持つ。
並の兵士ではキリアを止めることは出来ない。
「怯むな! 相手はこの女一人だぞ!!」
隊長格の兵士が声を上げて兵士を鼓舞するが、キリアはそんなことで止まるほど安くは出来ていない。
ハッキリ言って仕舞えば、ヨゾラが異常なだけで、キリアも引けは取っていない。
拳や蹴りを甲冑越しに叩き込み、敵兵を次々と倒していく。
弓を放っても全てかわされ、囲っても脅威的な身体能力で悉くねじ伏せられていった。
しかしこのハイペースで懸念されるのはスタミナ。
兵力は最初と比べればだいぶ減ったが、まだ130人はいる。
(とにかく……薙ぎ倒していくしかないけど……前衛の兵士が邪魔すぎる……! こういう時にライドがいてくれたら楽なんだけど、そうも言ってらんないし……!)
キリアは落ちている剣を拾い上げ、目にも留まらぬスピードで兵士を次々と斬り伏せ、後衛の弓使いの軍に向かって突撃していった。
次々と攻撃を躱し、斬り伏せていきながら後衛へと迫るキリア。
後衛さえ辿り着ければ近接戦闘が得意なキリアの専売特許になる。
キリアがたどり着き、弓部隊の首を次から次へと刎ねていった。
そして弓を奪い、軍衆に向かって放った。
大将の首さえ取れれば……と思っていたキリアだったが、その大将がヤバいやつだった。
左口角の下に、ホクロのある女性将校だった。
キリアがその女性を見つけ、襲いかかる。
首をへし折ってやる、という気概で蹴りに行ったのだが、女性将校は、その攻撃を難なく躱してキリアの顔面を掴み、地面へと叩きつけた。
うめき声を挙げたキリア。
そしてその女性将校はキリアを見下ろしている。
冷たく、享楽的な顔で。
「クハハ……ソールワンのネズミが紛れ込んでいたとはな……」
その女性将校は、右手に鉤爪状の剣を持っている。
キリアは左手を振り解き、跳ね起きで起き上がる。
「……アンタが大将ね……私はキリア。ソールワンの気高き戦士よ。」
「クハハ……良き名前よ。我は『ダヘリアン・シーファイ』。シンバラエキアの将軍だ。」
そしてホクロの女性将校、ダヘリアンは剣を構える。
「貴様の骸に刻んでやろうぞ……我という名の絶望を。」
「その言葉……そっくり返してやるわ。掛かってきなさい……!」
ダヘリアンとキリアの熾烈な女の戦いが始まろうとしていた。
キリアに仄かに立つ死亡フラグ。
最凶最悪と銘打ってるんで、皆さんの想像の斜め上の結末にしようと思います。
次回、キリアVSダヘリアンです。
登場人物紹介もダヘリアンです。
来週もまた、お楽しみください。




