02
「えーと、地図によればここらへんなんだが……」
俺はマスターから渡された地図の印を頼りに
向かっていった……のだが
「ええ……本当にここか?」
地図に示された場所は、柄が悪い路地裏だった
不安になりながらもその先を進んで行ったのだが、それらしき建物や人物はいない
しばらく歩いたのだが、その先は壁に阻まれて
行き止まりだった
仕方なく戻ろうと振り返った時、見覚えのある
顔たちがずらりと壁のように並んでいた
「ふふ……やぁ、クビになったレオ君」
そう、ついさっき俺をクビにしたエドガー達だった
「今更なんの用だよ、悪いけどお前らに構ってる余裕はないんだよ」
俺がエドガーの横を通ろうとした瞬間
「ぐぇっ!」
エドガーは、俺の服の首根っこの部分を引っ張って前に投げ飛ばした
「いてて……何しやがる!」
「別に、その荷物を渡してもらおうと思ってね」
どういう事だ、別にエドガーに渡すつもりなら
ギルド内で渡せばいい話だし、そもそも普通
受取人がエドガーだったら、事前に知らせる
「う、嘘だ! お前らじゃない!」
「……ちっ、さっさと渡せよ!」
エドガーは俺の腹部を蹴り上げた
「うぅ、ゲホっ、ゲホっ」
「ぷぷぷ、ダサ〜い」
「エドガー様に盾突くなんて百万年早いのよ」
「エドガー様! そのままやっちゃってくださーい」
取り巻きの女共がそんなことを言っている
そこまで腐っていたとは
そのまま、エドガーは俺に殴ったり蹴ったりを
繰り返した
ロクに装備も無い状態で抵抗もできなかった
「ふはははは! 無様だな、レオ・クローバー!」
そして、ボコボコにされたあげく渡すはずだった荷物も奪われてしまった
「くっ、すぐにマスターに報告しないと……」
俺はよろよろになりながらも立ち上がりギルドに向かった
◇
「マスター! 聞いてください、荷物をエドガー達に強奪されたんです!」
ギルドに戻った俺は、すぐさまマスターにことの現状を話した
「……レオ、貴様自分のミスをよりによって
勇者であるエドガーに擦り付けるとは、そこまで堕ちたか!」
「ち、違うよ本当だって信じてくれ!」
「黙れ! 貴様はこのギルドの恥だ!」
「だ、だから」
「ふふ……レオ、勇者になるであろう私に濡れ衣を着かせるとは、恥を知れ!」
「そーよ、そーよ」
「最低!」
「このギルドの恥だ!」
エドガーは外構えは良いので、このギルドの奴らには信用されていふる
つまり俺の味方は一人もいないと言う訳だ
「レオ、貴様は取り返しのつかないことをした、その荷物の代金は弁償してもらう、それを払ったらとっとと出て行け! 二度と顔を見せるな!」
そうマスターに言われて、俺は有り金全部を
机に置いて、逃げるようにギルドを出た
◇
ギルドを追放されて、途方に暮れていた俺は
目的地もなく歩き続けていると、何やらチラシを配っている男性が目に入った
「はいはい! 新しくオープンしたギルドでーす、良かったら入会してくださーい」
なにやら坊主頭で、髭をはやした男がギルドの
勧誘をしている用だった
ぼんやりと、その男性を見ていると目があって
「おう兄ちゃん! 冒険者に興味はあるかい? この近くにあるアーセナルギルドなんかよりずっといいぜ!」
……胡散臭いな、まぁいいや、行く所もないし
「いいよ、案内してくれ」
「おお! マジで!? よっしゃあああ!」
なんかすげぇ喜んでいるな、こっちまで照れてしまいそう
「俺の名前は、ファント・ヘビーだ、こっちだこっち」
俺は、その男性に付いていった