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ムーンゲーム・リインカーネーション  作者: 剣葉
第一章 混沌ノ拍動ト蓋世ノ血巫女
38/50

黄昏ノ寧日ハ日没ヲ見ル-9

先週投稿出来なくてすみません……!

料理回。料理シーンを別に見なくて良いという人は、下までスクロールして鑑定のデータが出ている所まで飛ばしてください。





 さてさて、【雪月の霞夢】で豪華なキッチンを創造しました。

 コンロ、シンクなどスペースが物凄く広いです。家にもこんなキッチンが欲しい。切実にそう思います。




 ………試してみたのですが、炊飯器、ミキサー、電子レンジ………。

 全 部 出 来 ま し た 。




 家具として判定されたのでしょうね………。それでもしっかり使えました。冷蔵庫とかも出せたのですが、アイテムボックスを持っているプレイヤーからしたら無用の長物でしかないので、即消去。向こうの世界の産物をファンタジーな世界に持ち込んでいいのでしょうかねぇ……?動力が魔力らしいのでセーフ?




 因みに、魔力が活用されている、生活のための人造の道具を魔道具というらしいですよ。






 まずは食材を切るために、包丁、まな板を出します。まな板は木製ですね。【雪月の霞夢】のおかげで使い捨てになるのでお手入れが要りません。

 ………物凄い贅沢。





 同時進行で唐揚げとパエリアの調理を行います。






 まず、エビの下処理。串を使って背ワタを慎重に取り除きます。途中で千切れた時の絶望感。そうなったらとても面倒。足と頭は取りませんよ。

 そしてムール貝の下処理。何気にムール貝食べたことないんですよね……。調べながら行います。水につけて、浮いたもの、口が開いているもの、貝殻が欠けているものを取り除きます。そして、ブラシで貝殻の汚れを落とす。すぐに湯煎するので足糸も取っておきましょう。ムール貝は岩に張り付いて育つので、砂抜きは必要ありません。楽でいいね。






 初めにトマトを処理しなければいけないんですよね。普段、パエリアはトマト缶を使用します。





 しかし、ここにあるのは普通のトマト。ええ、あの瑞々しいそのままのトマトです。この世界にはトマト缶及びその代用品がないみたいなんですよね……。この世界ではプレイヤーが作ってくれたおかげで、現実世界の調味料などはほぼ全て存在するのですが、サービス開始直後は、ケチャップはあるけどマヨネーズはなかったり、味噌はあるのに醤油はなかったり……。作ることが出来ない料理が微妙にあった訳です。はい、運営の嫌がらせですね。




 そのことを嘆いた料理ガチ勢の方が、NPCと協力してあっという間にそのような調味料などを作ってしまったらしいです。運営も苦笑しながらSNSで呟いてましたよ。魔道具という物がこの世界にはあるので、現実世界よりもかかる時間がとても短い。味噌も普通は一年弱かかるのに、一週間あれば完成するそう。





 その料理ガチ勢の方々が作った魔道具がこれ。

 トマトをトマト缶の状態に加工する魔道具。勿論【雪月の霞夢】で出しました。






 見た目は……何と言えば良いのでしょう?小さな深めの赤い鍋ですかね。ボタンっぽい物がついていますが。使い方はトマトを入れてボタンを押して十分程待つだけ。簡単ですね。

 その間に中で何が起こっているかというと、魔道具の構造は結構難解なんですよね……。高名な学者さんが見て発狂するレベルに。かなり勉強しないと私でも理解できません。



 制作時も、国が動くレベルの事業になったとかどうとか……というかおい、その国フットワーク軽いな。





 トマトの収穫時期とかそういうのはガン無視している気もしますが、何が起こっているかは多分普通のトマト缶の作り方とは変わらないと思いますよ。充填はありませんが。





 トマト缶にはカットタイプとホールタイプがあります。それぞれ、実が角切りされた物と丸ごとの物ですね。まあ、どちらも味はあまり変わらないのですが、料理によって向き不向きが存在します。パエリアにはホールですかね。





 へたを取り、蛇口を捻って水で洗います。そしてそのまま魔道具の中へとポイッ。四個入れれば充分ですかね。蝶番で留められていた蓋を閉めてボタンを押します。あとは待つだけ。






 他の食材も切っていきましょう。

 玉ねぎ、人参を高速でみじん切り。今まで培ってきた技術です。ピーマン……あ、赤と黄色なのでパプリカですね。この世界ではパプリカもピーマンも全部ピーマンとして分類されるそう。……色々と冒涜している気がしますね。因みに野菜等の名称は、プレイヤーが混乱しないように現実と同じようになっているんだとか。この世界限定の食材もあるようですしね。


 普通のピーマンも黄色と赤に紛れてあったのですが、パエリアに緑は合わなさそうということで、パプリカの方を選びました。短冊切りです。






 野菜が終わったので、唐揚げに使う鳥肉を切っていきます。光迅翼の怪鳥は、あれはどう見てもニワトリじゃないので鶏肉じゃなくて鳥肉と言っています。

 臭いもキツくないので、唐揚げに充分使えるでしょう。……試食はしていないんですけどね。





 とりあえず一口大に切っていく。なるべく均等になるように素早く、です。

 今回の唐揚げの味は、醤油と塩です。何故か存在したジップ付きの袋にそれぞれ、すり下ろしたニンニクと生姜、料理酒、砂糖を入れます。これも恐らくプレイヤーが作ったのでしょうねぇ……。そして塩と醤油を別々の袋に入れ、鳥肉を半分ずつ入れて揉みます。






 ルナリア様達はお茶会中。ブレませんね、貴女たち。紅茶に唐揚げって合いますかね?

 手伝わせましょうか?いや、でも神をこき使うのは流石に……。ルナリア様なら狂喜してやりそうだけど。






 そして暫く放置。放置と言っても魔道具の中です。小さな冷蔵庫みたいな見た目をしています。この魔道具の機能は、中のものを時間加速できる冷蔵庫ですね。これ、結構高いそうです。王族とか、公爵レベルの大貴族くらいしか持っていないそう。私は【雪月の霞夢】でタダで出しましたが。

 時間加速の程度も弄れるそうですよ。………最高、一秒で五桁年とか恐ろしい数字が見えたのは内緒。見なかったことにします。普通に凶器。もう少し大きくして人とか無理矢理放り込んだらどうなるのでしょう。




 ………物騒な考えは終わり!

 魔道具を起動させて、コンロの前に移動します。




 現実では無縁な鉄フライパンを出します。パエリアと言ったらやはりこれでしょう。大きめの物を出します。



 オリーブオイルをフライパンに引き、中火で熱します。

 そしてみじん切りにした玉ねぎと人参を投入。玉ねぎが透明になるまで炒めていきます。



 その間に、トマト缶製造装置(仮名)の蓋を開けます。はい、しっかりドロドロのペースト状になっていますね。余すところなくボウルに取り出していきます。実が残っていますが、今回は潰しておきます。



 玉ねぎが透明になってきたのでトマト缶を入れて煮詰めていきます。火加減は変えませんよ。しっかりと水分を飛ばします。



 片栗粉の準備もしておきましょう。小麦粉を入れたりするレシピもあるようですが、今回は片栗粉のみです。鳥肉の漬け込みはもう少し時間がかかるようですね。



 そろそろパエリアに魚介も入れるので、先程湯煎したムール貝の一部を残して殻を外しておきます。炊き込みご飯のようにするためですね。殻をつけたままのものは後で上から載せるためのものです。



 フライパンの上から水分が殆ど無くなり、煮詰まったようなのでエビ、ムール貝、ムール貝の茹で汁、水、塩、サフランを入れます。強火にして加熱。煮立ったらエビを取り出します。



 そして最後にお米をサラサラと振りかけるようにして入れていきます。強火で五分程、その後、中火で十分ほど炊きます。今はスープの中にお米が埋もれていますが、暫くすると水分が蒸発し、お米も膨らむので見えてくるはずです。




 さて、唐揚げもそろそろいいでしょう。

 魔道具から唐揚げが入った袋を取り出し、漬け汁から肉を取り出していきます。汁気を切って片栗粉をまぶします。



 そして予め準備しておいた揚げ物鍋に入れます。二度揚げするので一回目は低温。百六十から百七十度くらいになるように調節します。すると、気持ちいい音を立てて鳥肉が油の中で踊っていきます。いい匂いが漂ってきました。



 つまみ食いしたくなる気持ちを抑えて、一度全ての唐揚げを菜箸で取り出します。もうこれだけでも唐揚げと言えますが、私は完璧主義なのでね!二度揚げするために四、五分休めます。その間に油の温度を上げましょう。




「………ルナリア様?」

「ご、ごめんなさい!つい、つまみ食いしたくなっちゃって……」




 いつの間にか横にいたルナリア様が、唐揚げを一つ口の中に入れていました。ここで揚げたてのものをつまみ食いした天罰(火傷)は当たらないのですね。まあ、腐っても神ですから。私が直接断罪しましょう。





「ルナリア様の分、量減らしときますねー」

「あー!ごめんなさい!何でもしますからー!」




 澄ました顔をしてルナリア様を見ずにそう言いましたが……ん?今、何でもって。このネタを神相手にするとは思ってもいませんでした。……いや、ちょっ、目がガチです、これ。まるで思春期の女子にかまって欲しい父親の構図。まあ、そんな構図知らないのですが。




「は、はい!嘘ですから!離れてください!油はねますよ!」

「やったー!というかニーヴィスちゃん、私、神だから火傷しないよ?」

「ルナリア様を見ていると、神というのを忘れてしまうのは否定できんがのぉ……」




 オフェリア様、それ遠回しにディスっていません?私もルナリア様の年齢と精神年齢は反比例していそうとか思ったけど。



 百八十から百九十度の高温になった油にもう一度唐揚げを戻します。二度揚げの利点は、外はカラッと中はジューシーに仕上がること。二回目は時間は短めで取り出します。香ばしい匂いがしますね。



 そろそろパエリアの方も完成しそうです。綺麗にご飯も炊けていました。おこげもできましたかね?火を止めてエビ、ムール貝、パプリカ、を見映えが良くなるように盛り付けます。パセリとレモンも載せて……。




 はい!完成しましたー!





『【料理】のスキルレベルが8に上がりました』





 あ、スキルレベルが上がりましたね。まあ、うん。一度で得られた経験値としては多い方ですが、スキルレベルで言ったら微妙ですね。他のスキルのレベルが高すぎて、感覚が狂ってる。




 片付けをして……というか、全部【雪月の霞夢】で消滅させるだけですがね。

 唐揚げの盛り付けも終わったので、ルナリア様達がお茶会していたテーブルにテーブルクロスを引き、料理を出します。パエリアは鉄フライパンごと。唐揚げは大皿に味が左右に分かれるように盛り付けています。




 ………これ見て思ったけど、パエリアと唐揚げって全く合わないな。色んな意味で。

 太ることなんて気にしなくて良いから開き直りましょう。





「はい!『パエリア』と『唐揚げ』です!」

「おお〜、美味しそう!」

「ほう……」






▼ ▼ ▼


〈料理〉ムール貝のパエリア ★6

 状態  熱

 効果  スタミナ+900

     寒冷耐性 Lv.3 Time.2h

 調理者 ニーヴィス


 ニーヴィスが調理した料理。

 魚介と野菜などをスープと共に炊き込んだスペインの伝統的な料理。

 米一つ一つに食材の出汁が染み込んでいる。

 

▲ ▲ ▲


▼ ▼ ▼


〈アイテム〉唐揚げの盛り合わせ ★5

 状態  熱

 効果  1つ/スタミナ+60

 調理者 ニーヴィス


 ニーヴィスが調理した料理。

 二度揚げされており、ジューシーな味わいに仕上がっている。

 醤油と塩の二つの味が盛り合わせてある豪華な一品。


▲ ▲ ▲






 鑑定できたので出してみました。

 このレア度は……良い方なのかな?スタミナ回復みたいな効果がありましたね。私には無縁なステータスですが。この回復量は結構有能みたいです。食べる暇を差し引けば、ですが。



 思ったよりも上手く出来たのではないですかね?初めてにしては上出来でしょう。

 さあさあ食べますよ。





「美味しいですよ!ニーヴィスちゃん!」

「そ、そうですか……?ありがとうございます」




 取り皿にパエリアをよそって頬張るルナリア様。舌が肥えていそうなルナリア様が絶賛してくれているなら良いでしょう。もっとも、私の作った料理だからという理由かもしれませんが。おこげもちゃんと出来ているようですね。




「そんなことないですよ!美食家の私でもかなり美味しいと感じてますから!」




 顔に出ていたのかな?あ、でもルナリア様が心が読めるということがあり得なくもないのですよね。え、じゃあ心の中でディスっていたのもバレてた……?実は全て分かっていてスルーしていた大物だった……?




「ああ!ニーヴィスちゃんが私の為に料理を振る舞ってくれたなんて!悶え死んじゃいそう!」




 体をくねらせてそう言い放つルナリア様。いや、まあ、間違ってはいないんですけどね。

 ……実は一番謎な()だった。




「ふむ……これは肉のほうに味をつけておるのじゃな?」

「あ、はい。そうです」

「妾が今まで食べたこのような肉は、衣のほうに味が付いていたのぉ……しかも味付けは香辛料が主じゃったな。これはこれで美味じゃ」




 衣の方に味がついていたとなると、フライドチキンみたいなものは存在したのですかね?

 フライドチキンと唐揚げの違いは、衣に味が付いているか、肉自体に味が付いているかの違いです。衣に味が付いているとフライドチキン、肉自体に味が付いていると唐揚げです。




「二つも味が用意してあったんですね!こちらは醤油で、こちらは……塩ですかね?」

「はい、その通りです」



 まあ、流石に分かるよね?どんな人でも食べれば大体分かりますから。

 二人の反応ばかり見ていないで、私も食べてみましょうか。




 まずは唐揚げから食べますか。

 取り皿にそれぞれの味を一つずつ取ります。こういう食レポみたいなの苦手なので、配信中じゃなくて良かったです。




 もぐもぐ。

 

 上手に揚げることができたので、焦がすこともなく見た目は綺麗でしたね。時間短縮の魔道具もちゃんと機能していたようです。……あれ、欲しいですね……。そういえば、この《SOMNIUM》に使われていた技術を使ってそういう道具を作ろうとしていたって話を聞きましたが、どうなったのでしょうか?どうせ完成したって値段がおかしいことになりそうなので、夢のまた夢だと思いますが。


 話がちょっと逸れましたが、醤油の方は醤油の味が染みた香ばしい鳥肉がとてもジューシーです。肉が美味しいからか、家で作ったものよりも美味しいですね。ご飯が欲しい。え?パエリアがあるって?いやぁ、やっぱり日本人なら白米でしょう?

 塩味の方にはレモン汁をかけて頂きます。あっさりとした味付けの中にレモンの酸味が効いていますね。噛めば噛むほど肉汁が出て来ます。





 ふぅ……では次にパエリアです。

 スプーンを出してっと。サフランの風味とトマトのスープが混ざった鮮やかなオレンジのご飯の色。おこげも当然取ります。





 はむっ。……⁉︎




 ムール貝とエビの味がしっかりと付いていて、トマトの酸味も合わさってとても美味しいです。玉ねぎと人参の食感もアクセントになっています。エビとムール貝も海の味がしますね。いくらでも食べていられそうです。









 いつの間にか、鉄フライパンも大皿も空になっていました。

 ………私とルナリア様も結構食べたのですが、オフェリア様が一番食べていたのですよね。あの姿で……意外でした。




 唐揚げのほうは一部をプラスチックっぽい容器に入れてアイテムボックスに入れています。入っている間は時間が止まっているアイテムボックスのおかげで、いつでも揚げたての美味しさが楽しめます。




「美味かったのぉ……」

「美味しかったですねぇ……」







 幸せそうにしている二人。喜んでもらえたのならば嬉しいです。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()







「……あれ?わ、たし……笑って、るの?心の底から……」






 自分自身の感情の機微に動揺してしまった私。永らく感じてこなかった感情に直面して、困惑してしまいました。





「………⁉︎ ル、ナリ、ア様……⁉︎」

「大丈夫ですよ。ニーヴィスちゃん。貴女が自分自身の感情というものを思い出し始めている、ということですから。これからもずっと一緒にいましょう?貴女が自分というものを取り戻せるように」

「うぐっ……ルナリア様ぁ……」

「ふふふっ。やっぱり可愛いわね」




 ルナリア様に自分の心の内を諭され、思わず泣いてしまいました。

 数年ぶりに幼馴染に再会しても何にも心が動かなかった自分に絶望し嫌悪した。

 周りに求められるように行動していた自分を見て、本当の自分を忘れていた。

 ずっとずっと前、両親もいた五歳の頃が一番()()()()()



 このゲーム、いや、この世界に来て、自分というものを思い出し始めた。

 私はこの世界の住人、そして運営にどれだけ感謝すれば良いのだろう。






 その恩返しはこの世界を救うこと。

 こんなに素晴らしい世界、人々を絶対に守ってみせる。

 そんな確固たる使命感が私の中で芽生えた。















 投稿出来なくて本っ当にすみません!

 明日、学校の行事があるんですよね……長期休暇直前なのに。

 月曜が振替休日なので、日曜休んで月曜に投稿するかも……



 料理はこの通りに作らないでくださいね……?

 一応言っておきます。



 ぶっちゃけ、ここまで第零章の延長なんですよね……

 本当にやっと始まります!

 次回はプレイヤーのこの間の進展についての掲示板の予定です!



 面白い、毎秒投稿しろ、『執筆頑張れ』、という方は、評価、感想、ブックマーク、レビュー等、是非お願いします……!(懇願) 

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