抑揚無キ平叙文ト仮面ノ雑踏-2
間に合え……間に合え!
ちょっとシリアス展開。書いた日が違うのでここで絶対書いた日変わったな、という所があります。
友人との食事会も終わり、その後軽い雑談をして解散しました。
集まる時が楽しみです。その間の配信どうしましょうかね。あ、通知を全く確認していませんでした。そういえば進化って文字も見えましたね。
ゲームのことばかり考えていて煩悩塗れのままで授業を受け、放課後になりました。授業の内容はほぼ全て覚えていたので問題ありません。
……ん?定期テストは大丈夫ですよ。学年変わって初っ端からのテストでも満点一位取りましたし…………同率ですが。
「吹雪、あなたも生徒会室に行くの?じゃあ、一緒に行かない?」
「うん。そうしよう」
鞄を背中に背負った千弦が聞いて来ます。私も生徒会の一員です。役職は副会長。昨年先生達から強制的に生徒会長を選出する選挙に出馬させられましたが負けましたね。自惚れている訳では無いけど私もまさか負けるとは思っていなかった。
夕焼けに照らされた生徒会室に向かう廊下を歩きながら千弦と会話します。
「吹雪は配信中にも言ってたけど、《Valkryies》に入るの諦めていないの?」
「うーん………加入条件が全く分からなかったけど、《WMO》に《Valkryies》が出て来るならそこでアピールできるかな?って思ってる」
「でも、世界ランキング上位勢からも良い待遇でスカウトが来てるんじゃないの?」
「あー………」
それは千弦の言う通りなのだ。チラッとメールの欄を見た時、膨大な数の勧誘が届いていた。でも、何故か《Valkryies》に入らないといけないっていう感じがするんだよね……。直感かな?
「なんとなく、としか言えないや。私にも理由が分からないけど、入らないといけない気がするの」
「そう……応援してるわ」
そのまま千弦と話していると生徒会室に着いた。扉にゆっくりと手をかける。
「失礼します」
そう言って入ると、校長先生が座るような大きな机に一人の少女が笑みを浮かべて座っていました。
「何処でも良いから座ってね」
その底が知れない笑みのまま彼女は言う。
彼女はこの学校の生徒会長、如月 水無。私とこの学校で唯一張り合える人間。テストも私と同じく全教科満点を維持しており、運動神経もかなり良い。そして何よりこのカリスマ。アイドルとも言われている私との選挙で勝ったという点でそれがわかるだろう。更に如月財閥の令嬢でもある。
「久しぶりね。二人とも」
「はい、水無様」
あ、千弦が令嬢モードに入った。上下関係がしっかりしているなこの辺。
因みに《月原ジュエリー》は天辻財閥傘下。些細なことで関係悪化は避けたいのが双方の本音でしょう。とか言いたいのだけど……。
「ふふふっ!やっぱり千弦は真面目ね!」
「………もうそんな対応はやめてくださいよ………子供じゃないんですから」
「何を言っているの?まだ私達は成人していないから子供よ?」
「………はぁ………」
はい、かなりやんちゃな方です。いや、普段のこれに巻き込まれている私からすると、悪戯好き、ちょっとSが入ってる、って言った方が合ってるかも。千弦と会長は幼馴染み。天辻と如月の二つの財閥は家族レベルに仲が良いらしい。
「あ、吹雪ちゃん無視しちゃってごめんね」
「あ、いえ、大丈夫です」
彼女の笑みは何処か怖いんだよなぁ……。この目に見つめられると何もかも見透かされて演技もバレている気がする。
「さて、先ずは五月の終わりにある体育祭についてね」
この学校の体育祭は五月にある。昔は秋に開催されていたが、残暑が厳しく時間的にも忙しい時期の為、春に開催するのが主流になった。勿論主導は生徒会。今日はその連絡やその他諸々の為にに来ていたのだ。
………あれ?他の生徒会役員は?
「ああ、他の子達なら用事が入ったらしいから昼に来たよ。それで体育祭は五月二十五日の土曜日ね。あと一ヶ月とちょっとあるわ」
「プログラムなどについても考えてあるんですか?」
「勿論よ……」
その後、連絡などが終わった時にはすっかり日も落ち、あんなに煩く啼いていたカラスの鳴き声も聞こえなくなっていた。
「長くなってごめんなさいね。送っていきましょうか?」
「いえ、大丈夫です」
少し申し訳なさそうな顔をする会長の誘いをやんわりと断る。まだ私にはあのリムジンに乗る勇気がない。一応私は貧乏な方なのでね。アマチュアだとやっぱり出ることができる大会が少ないんだよね。この前の大会の賞金が百万くらいだったっけ?賞金も大きな大会でこれくらい。プロゲーマーの大会とかなら数十億とかする。
「じゃあね、吹雪。また明日」
「うん、また明日」
千弦とも別れて帰路につく。道中の部活動の掛け声も街から漏れる光も家から聞こえる家族の笑い声も全てが哀しく感じた。
「………ただいま」
静かな玄関に響く私の声。この言葉が返ってきた過去は私の中で既に風化してしまっている。薄暗い廊下を照明をつけずに歩く。すると、側に置いてあった写真に目がいった。
ダークブラウンの塗料で塗られたフォトフレームの中で笑う三人の姿。
私とその両親の姿だ。
最後に行った海辺の街への旅行の思い出。
笑顔の父親に抱き抱えられて微笑む白いワンピース姿の少女。
この時の私は心から笑えていたな──────
そう思いつつも視点を戻して通り過ぎる。私の感情の大きな揺らぎは忘れて久しい。昔は紫乃とも毎日遊んでいたな。偽りの表情をしてあなたの前に立つ私はどう見えているのだろうか。
制服から着替え、作り置きしておいた料理を食べる。隣の家から伝わる幸せそうな声も意に介さず無言で食事を終える。片付けも終わり、勉強机に向かってタブレットを開く。表示されている問題は大学生レベルのものだ。学校ではとっくに中学三年生の範囲が終わり、高校での学習範囲を勉強している。それでも私には生温い。黙々とペンを問題を解く速度を変えずにタブレットの上で走らせる。
「今日はこれくらいで良いかな」
ヘッドホンを外し、タブレットの電源を切る。二時間程学習していたようだ。時計は十二時を回っていた。私はかなりのショートスリーパー。このままゲーム、《WMO》にでもログインしようかと棚の上に置いてあるヘッドギアに手を掛ける。
でも、私は夜風に当たりたい気分だった。今日は気分が沈んでいる。こんな時にゲームをプレイしても何もできないだろう。上着を着て外に足を踏み出す。
電灯の光が住宅街を淡々と照らす。辺り一面のコンクリートの鼠色がその光で強調されていた。光源に虫達が集い飛び回る。
私もこの光と同じだな。他の電灯は明滅したり消えてしまっているものもある。世の中の有名人はどうして対応しているのだろうか。
半月の夜に私の足音だけが虚しく響く。車も通らず、閑静な住宅街そのものだ。
暫く歩いていると公園に着いた。日中は子供達の笑顔で溢れている公園は静寂に包まれていた。等間隔に植えられた樹木とあちこちに散在している遊具の真ん中に大きな広場がある。何処からも見ることができる見通しの良い開けた空間。
「……………ん?」
そこに佇んでいる人影が一つ。背丈もそこまで高くない。長い髪をしており、それを見ると小学生くらいの少女に見える。こんな時間に何をしているのだろう。そう思って少し近づいてみる。先程まではかなり距離もあり、ぼんやりとしか姿を捉えていなかった。
「……………まさか」
その少女に近づく程、確信は深まる。それと同時に何でこんな所に彼女がいるのかという疑問にも囚われる。
幾多の方向から少しずつ受けた光に輝く白髪に、処女雪のように真っ白な肌。万物を見通すような赤と青のオッドアイ。黒い衣服を身に纏った世間から恐れられている怪物。
「カムイ、さん?」
幼き見た目をした白い悪夢、原初の厄災と呼ばれる彼女がそこにいました。
ぎ、ギリギリ間に合った……!
まさかのカムイとリアルエンカウント。
作者のシナリオにも予定無し。
さて……どうしようか……
テスト?何それ美味しいの?の精神で急いで書きました。
多分明日は無理。すみませんね……。
面白い、毎秒投稿しろ、『テストより更新だろ』、という方は、評価、感想、ブックマーク、レビュー等、是非お願いします……!(懇願)




