抑揚無キ平叙文ト仮面ノ雑踏-1
新キャラ沢山。
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「えー、であるからして、日本での主な技術革新による影響は、既存の企業がこれについて行けずに主導権が全く新しい企業へと移り変わり、勢力図が一変した。主な例を挙げると、五大財閥と呼ばれている神代・如月・黒瀧・天辻・蒼鳳の五つだ。その他起こった事件として、北海道と西日本の反社会勢力による大規模テロや政党ぐるみの集団汚職事件などがあった」
春の麗かな日差しを浴びながら、仮面を被って教師の授業を受ける。はぁ………学校程憂鬱なものはありません。親友の前でも一日中優等生として演技をしなければならないのですから。
「お?もう終わりか。復習と予習はちゃんとしておけよ」
授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、全員の挨拶でもって終わります。ここは国内でも屈指の偏差値の高い中学校です。ついていけない者は振り落とされる。
先程の静かな教室が一変し、生徒の雑談が始まったガヤガヤとした空間になります。
午前中の授業も終わり、昼休みの時間に入る。この学校では給食が存在せず、弁当を持ってくるか売店で購入するかのような高校のような制度になっています。今日も私は弁当を持って来ていますが……。
「吹雪〜、一緒に弁当食べない?」
「うん、いいよ」
いつも通り紫乃が寄って来ました。大方人がいない穴場にでも行って、《WMO》の話でもするのでしょう。笑顔を作って了承します。
「私も一緒に行っていいですか?」
「あ、千弦。いいよ」
その様子を見てやってきた黒髪のセミロングの少女。彼女の名前は月原 千弦。the 委員長っていうような感じだが、生徒会書記であり、密かに人気を集めている。千弦も私は比類なきゲーム好きだということを知っており、また本人もかなりのPSを誇っている。というか、私の友人全員が、プロゲーマーにスカウトされるのがおかしくないほどゲームが強い。
「いつもの所?」
「うん、そうね」
私はこの学校の何処にいても視線を集めてしまう為、落ち着ける場所が殆ど無い。そんな中、友人が必死に探してくれた場所に私たちは向かっていました。
………廊下の真ん中に人だかりが出来てる。そして更にその集団がこちらを見ています。
これ、もしかしなくてもあれですよね?
「ま、またぁ?」
「人気者の弊害ですね……今日も靴箱にラブレター入っていたんですよね」
「うん、もう数えるのは諦めたよ」
談笑している私達に一人の男子生徒が勇気を振り絞ったように近づいて来ます。もう慣れましたよ。これ。
「白桐吹雪さん!付き合ってください!」
ガチガチに震えた声で名前も名乗らず頭を下げる男子生徒。まあ、はい。この野次馬がたかっている中で告白しようという根性は褒めてあげますが、私は生憎『恋』という感情を知らないのでねぇ……。あなたと付き合う気は全くありません。例えあなたが女子生徒から注目を集めている存在でも。
そんな心の声とは裏腹に申し訳なさそうな顔を作ります。
「ごめんなさい……私、男性とお付き合いしようと思っていないんです……」
しなを作ってそう返答します。野次馬からは『ああ〜、やっぱりか〜』っていう声が聞こえてきます。あ、そんな絶望したような顔しないでね?そんなに自信あったのかな?元々私は告白を全て断ってるという情報は広まってると思うんだけど。
崩れ落ちた彼の処遇は野次馬さん達に任せましょう。ここで私達が下手に手を出すとマズいことになる。散々弄られてください。
「本当に吹雪は誰とも付き合わないつもりなの?勿体無い気がするけど」
「何かこんな人じゃダメだなーって感じがするんだよね。あ、ほらほら着いたよ」
「………」
紫乃が問いかけてきたので上手くはぐらかします。紫乃はまあ、吹雪なら選び放題な気もするしね、と納得していますが、その間千弦は私のことをジッと見つめてきました。?何だろう?
疑問に思いながらも例の穴場にたどり着きました。所謂空き教室。周辺には理科室や被服室くらいしかない為、人は全く通らない。きちんと先生に許可はもらっています。事情を説明したら苦笑されたけど。……穴場でも何でもない気がする。ただの強引な反則技じゃん。
そこには、三名の女子生徒が乱雑に置かれた机を移動させた所に座っていました。
「遅れてごめんねー?」
「大丈夫だよー」
「また告白騒ぎかしら?階下が賑やかだったわよ」
「……懲りない」
三人の女子生徒は勿論全員私の友人。白雪姫のことも知ってます。
ショートカットの少女は月原 奏恵。千弦の双子の妹ですが、性格は全く反対。真面目な千弦に対して奏恵はほんわかしてる。
因みに千弦と奏恵は『月原ジュエリー』のご令嬢。なのに言動がお嬢様っぽくない。『月原ジュエリー』宝石等を取り扱っており、業界トップシェアを誇る企業である。お金持ちの御用達。
スタイルの良い女子生徒は泉並 結伊。面倒見が良くて母性に溢れており、私にフラれた男子生徒は大体彼女の所にカウンセリングに来る。
無口なポニーテールの彼女は御影池 爽香。とにかく器用。私がそう言うレベルで。曲芸か何かですか?っていうことまでできる。
当然この学校にいる時点で成績は良い。このメンバーは帰宅部。なぜならゲームがしたいから。それくらいの廃ゲーマーである。プロゲーマーにスカウトされた経験を全員が持っている。
プロゲーマーについてちょっと説明。プロゲーマーとは何処かの企業にスポンサーとしてバックアップ、つまり生活基盤を保証してもらい、ゲームをプレイして活動する職業です。副業としている人もいますね。昔より企業との関係が密接になり、大企業がスポンサーのプロゲーマーが大きな大会で優勝したりすると名前をかなり売れるようになったわけで、この辺りの人材獲得競争が激しくなった。そして、そのプロゲーマーが所属するプロゲーミングチームが存在しています。
eスポーツの一昔前とは比べられない程大きな世界大会が四年おきに開かれており、そこでランキングが更新されます。開催国の誘致の注力度はどの国も五輪程。テレビでも放映されます。全世界のプロゲーマーが集まります。まあ、事前の地区予選とかがないのでかなりカオスなわけですが、そこで獲得したポイントにより個人、そしてチームのランキングが決まります。番狂わせもあったりするので面白いと言えば面白い。きちんと各部門の試合があります。一人一部門しか出場できませんが。個人のポイントは、ソロからチームでの戦績によって加算され、チームのポイントはメンバーのポイントの平均とチーム競技の得点が大きく加算されます。
因みに私も未だによく理解していません。何処か間違えている所あるかもしれませんね。
さて、全員で仲良く弁当を広げ、食事を始めます。
「そういえば、吹雪の昨日の配信みたよ〜、あれ、ロールプレイ?」
奏恵が手を止めて話しかけて来ました。
………危ない、吹き出す所だった。
昨日の配信時は結構素が出てしまったんですよねぇ……。もうこれはRPということで押し切りましょう。
「うん。クール系のキャラにちょっと憧れててね」
「へぇ〜そうなんだ」
「かなり上手かったわよ」
誤魔化せた、かな?千弦もそう言っていることだし。
「にしても、昨日五、六回はニーヴィスの名前聞いたよ」
「怒涛のワールドアナウンスラッシュだったもんね」
そういえば昨日何回ワールドアナウンス鳴ったっけ?驚愕の連続で覚えていない。
「『ワールドクエスト』……『ブラッディクエスト』のトリガー、時間的にはギリギリだったみたいだしね」
「あの《Valkryies》相手にNPC無しはキツすぎるよ」
「吹雪に感謝」
前作の悪夢がNPCありで一方的な蹂躙だったらしいからね。あの運営は鬼畜だと思う。
「そうだ!週末にでも《WMO》で皆一回集まらない?パーティー組んで冒険しようよ!」
「……私は別に構わない」
「私もいいよ〜」
「いいね。場所は何処にするの?」
全員が紫乃の提案に賛成する。ここは無難に人が一番いる国でしょう。
「そういえば、皆スタート地点何処なの?」
「私と奏恵はカーメルよ」
「私はイルス聖国」
「私はリードガル盾王国ね」
「私はトストーガ雪王国!」
わお。見事にバラバラですね。でも、私を含めればレナシテス王国は三人。聞いた所、月原姉妹がパーティーを組んでいるみたい。それ以外はソロ。このグループ強すぎない?
ちゃんと《WMO》にもパーティーは存在する。最大六人までだったと思う。試行錯誤を繰り返してこの数に落ち着いたらしい。恩恵は……パーティー関係のバフが通ったり、相互の位置が何となく分かったりする。経験値やドロップにも若干ボーナス入るのかな?まあ、ソロよりは少ないと思いますが。
「じゃあ一番多い、週末のリアル正午にレナシテス王国のカーメルに集合ね!」
「分かったわ」
「りょうかーい」
こうして約束をして集まることになった。
素の姿でいられるのはかなり嬉しい。気が楽だ。
『何時か、こっちが本当の私』って話せれば──────────
その機会は意外と早くやって来ました。
修正:2020/12/27
さて、第一章スタートです!
プロゲーマーの設定は作者が勝手にアレンジしている部分があるので文句は一切受け付けません。
世界大会の設定が大雑把な理由はまだよく考えてないかrゲフンゲフン
キャラの設定が《血月の使徒》の30人の方が固まっているという悲しさ。
まあ、これは仕方がないです。
………始まって早々で悪いのですが、月、火がテスト前なので更新できないかもしれません。
21:00になっても出なければ、『あ、今日はねぇな』と思ってください!
面白い、毎秒投稿しろ、『テストより更新だろ』、という方は、評価、感想、ブックマーク、レビュー等、是非お願いします……!(懇願)




