天啓ノ森ノ女王トノ邂逅-3
やっとここまで来ました……!
急展開です!
光迅翼の怪鳥、シャラズトルを討伐しましたが、まだ三体に囲まれています。
「ギシャァァァァァァァァァァ!」
「うわっ!」
大蜘蛛が水色の水晶のような糸を飛ばして来ます。
しかも、綺麗に樹を避けて。さっさと天罰くらってくださいよっ!
数本を剣で弾きますが、いかんせん数が多すぎる。
体に傷がつけられました。
ダークヒールを唱えて回復するけど、魔力の消費が結構多くなってきている。
地面に降りると同時に、鎧が縦に斬りかかって来た。
流石にこれを弾けるとは思っていません。
体重等の力も全てかかっていますからね。
地面が割れる程の剣撃を横に躱します。
「【飛斬】────………ッ⁉︎」
先程新しく習得した剣術のアーツ、名前からして斬撃を飛ばしそうなアーツを放とうとしますが、何も無かった筈の横から大蛇が噛み付いて来ました。
何処から?
直感も探知も反応せずにもろにダメージをくらい、樹に押し付けられる。
体力が……!
「ぐっ…………【身体強化:筋力強化】!」
身体強化魔法を唱え、筋力を強化した状態で固定されていた樹を両断する。
「ギッ!」
「そこでジッとしていてくださいね。【二重詠唱】【ダークバインド】」
「⁉︎」
闇魔法の束縛系らしい魔法、【ダークバインド】を【二重詠唱】で数を二倍にして発動させます。
▼ ▼ ▼
〈魔法〉ダークバインド
消費魔力 20
効果 闇の綱のようなものを出現させ、敵の行動を封じる。
闇魔法 Lv.10で取得。
▲ ▲ ▲
私の知力のステータス量だと、拘束する力も相当強くなります。
さて、来た……。
「【身体強化:器用強化】………⁉︎」
拘束していた大蛇が地面……いや、影に潜るように姿を消して行きます。私に近付けれたのはその力ですか。
それに当てるのは難しそうなので、ちょっと変更!
「じゃあ、こっち!」
蜘蛛の方に角度を調整し、先程樹を斬ったことによるペナルティの落雷をパリィします。
「⁉︎ギャァァァァァァァ!」
身体強化魔法によって成功率を高めたので、パリィは成功。
横に飛んでいく雷が蜘蛛に直撃します。
すかさず距離を詰めます………ん?
「ここに来て全員私狙いですか!」
鎧、大蛇も姿を現し、私の方に寄って来ます。
挟まれたら終わる。ずっとヘイトを上手く利用して戦っていましたが、ここでまさかの全員接近。
慌てて浮遊で逃げます。
「【二重詠唱】【散発付与:アイスランス】」
ついでに徹甲弾の置き土産。
剣を鞘に納め、【二重詠唱】で二つ唱えた【アイスランス】に【散発付与】を使うと、両手に氷の短冊状に分割された立方体が現れました。
周囲に撒き散らせ、十分に広がった所で発射。
さながら雨のように小さな氷の槍が降り注ぐ。雹よりも痛いですよ。あれ。
鎧は漏れ出している炎で溶かされているのであまりダメージを与えられていませんが、蛇と蜘蛛には効いているようですね。
全員がアイスランスの雨の範囲外まで後退します。逃しませんよ。
双剣を再び抜き、一番体力が削れている大蜘蛛に突撃します。
水晶化した前足の鎌を振り下ろして来ますがそれを躱し、素早く走り去りながら鎌一本と足一本を持って行きました。
これが《特殊状態異常:部位破壊》。プレイヤーにも適用されますが、これをくらうと体の一部を欠損し、最大体力値が一時的に下がります。回復するにはそれなりに強力なポーションか、取得した者が遥かに少ない、治癒系の魔法で再生可能です。
右の前足二本を奪ったので、移動に阻害が出る筈ですが……。
チッ……糸で釣って上手く動いてますね……。
地面の影から大蛇が姿を現し、とぐろを巻いて囲んできたので、所謂回転斬りと呼ばれる技を繰り出します。
これは、【剣術】のレベル20のアーツ【回転斬り】が存在するのですが、動きを強制させるだけのアーツなので斬撃の威力の上昇などが存在しない為、自前のPSで撃った方が攻撃の密度も多く、魔力の消費もないのでお蔵入りとなっています。
双剣で無数の傷をつけながら回転していきます。ステータスの精神の値が高いので、酔いはしない。
痛みに耐えきれずに影に戻っていく大蛇。
私は休む暇が無いんだよね。
鎧の剣と大蜘蛛の鎌を同時に相手取ります。
さっき鎌を一本削ったので、大蜘蛛の手数が少ないのが幸いですね。
ジリジリと体力を奪っていく。魔法も活用して同志じゃないけど同士討ちを誘発させていきます。
「【飛斬】×6」
「ギッ………………!」
▼ ▼ ▼
〈アーツ〉飛斬
消費魔力 20
効果 斬撃を発生させ、飛ばすことが可能。
距離が離れ過ぎると威力が減衰する。
剣術 Lv.30で取得。
▲ ▲ ▲
合間を縫って、新しく取得した【飛斬】を探知で判明した場所に向かって放つ。
そこは、あの大蛇が影の中をスイスイと泳ぎ、隙を窺っている場所です。
時間差、偏差を調整し、全発必中するように剣を振ります。
影の中にいるので、横向きの斬撃は当然当たらない。なので、縦向きに撃つ必要があるのですが、蛇は体が長いので偏差さえ気を付ければ、ヒットします。
脳がオーバーヒートしそう。
そんなことを考えながら、鎧と大蜘蛛を一列に捉える。
「ここっ!【一点集中付与:アイスバースト】!」
▼ ▼ ▼
〈魔法〉アイスバースト
消費魔力 50
効果 冷気を放ち、氷の破片を撒き散らす爆発を起こす。
確率で状態異常:凍結・裂傷を与える。
氷魔法 Lv.20で取得。
▲ ▲ ▲
▼ ▼ ▼
〈魔法〉一点集中付与
消費魔力 付与した魔法の消費魔力の50%
効果 魔法を強化する魔法。
範囲攻撃を一点に収束させる。
付与魔法 Lv.20で取得。
▲ ▲ ▲
強化したアイスバーストを敵が一列に揃った所に向かって発射する。
耳をつんざく程の轟音と共に、一方向に収束された氷の塊が発射された。
鎧は大きく吹き飛ばされ、ダウンしている。
蜘蛛もまともに爆発をくらい、体力が3000を切った。
私はそのまま蜘蛛に再び接近。
鎌を振り下ろすけれども《状態異常:裂傷》が入っており、スリップダメージの影響でまともに攻撃できていない。
そして私は、蜘蛛の右目に剣を突き刺した。
部位破壊の欄に右目が追加される。
残り三桁にもなって耐える蜘蛛の目から剣を引き抜いて魔法を唱える。
「これで終わり。【アイスバースト】」
蜘蛛の右の眼孔に魔法を差し込み、爆散させる。
『経験値を取得しました』
『ニーヴィスのレベルが48に上がりました』
『【剣術】のスキルレベルが39に上がりました』
『【氷魔法】のスキルレベルが36に上がりました』
『【付与魔法】のスキルレベルが35に上がりました』
『【看破】のスキルレベルが30に上がりました』
『【直感】のスキルレベルが25に上がりました』
『【並列詠唱】のスキルレベルが25に上がりました』
『【身体強化魔法】のスキルレベルが21に上がりました』
『【闇魔法】のスキルレベルが20に上がりました』
『【鑑定】のスキルレベルが19に上がりました』
『【探知】のスキルレベルがが15に上がりました』
『【体力自動回復】のスキルレベルが15に上がりました』
『【魔力自動回復】のスキルレベルが15に上がりました』
『【氷魔法】の魔法【アイスニードル】を取得しました』
『【闇魔法】の魔法【ダークブラインド】を取得しました』
『【付与魔法】の魔法【増幅付与】を取得しました』
『【身体強化魔法】の魔法【斬撃強化】【流戟強化】【浮速強化】を取得しました』
『【並列詠唱】の魔法【三重詠唱】を取得しました』
『《称号:霜絲の冰蜘蛛の単騎討伐者》を取得しました』
『《称号:連戦の勝者》を取得しました』
『〖ワールドアナウンス〗プレイヤー名:ニーヴィスがルクセンブルク地方のボス、霜絲の冰蜘蛛、アクエニルブを討伐しました』
二度目の通知。
あと二匹……………ッ⁉︎
「………………あ、詰んだ」
目の前には大蛇が噛みつくモーションに入っていた。
周囲には鋭い刺の形をした影が檻のように所狭しと並んでいる。
…………隠してたのか。
逃げ場ゼロ。
攻撃を行う時間も無い。
死を覚悟したその時─────
「ああ、もう!誰じゃ!妾の眠りを邪魔したのは!」
そんな女性の声が聞こえ、目を開くと……。
「え?」
先程まで目の前までいた大蛇の頭が飛んでいました。
驚きから周りの見回してみると───
声の主と思しき、先が尖った長い耳に風にたなびいている金髪の美しい女性が立っていました。
◇
《………》
《………》
《プレイヤー:NivisがNPC:【EDEN】OFELIA・LAMPELS;【GAIA】OFELIA ・LAMPELS・VIRGOと接触しました》
《………》
《………》
《『ワールドクエスト』発生条件を満たしました》
《………》
《………》
《『ワールドクエスト』の名称を『ブラッディクエスト』に変更します》
《………》
《………》
《変更しました》
《………》
《………》
《プレイヤー:所属『Valkyries』のプレイヤーに通知を送りました》
《………》
《………》
《『ブラッディクエスト』ワールドアナウンス待機中です》
因みに【散発付与】の分割された魔法をばら撒くのは高等技術です。
何故かニーヴィスはさらっとやってる。それでも、剣を戻さないと難しいみたい。
やっとここまで来ましたよぉ……。
ようやく書きたかった話が始まります!
別に作者は今後の展開を推理されても問題ない性格の為、考察もどんどんしてもらって結構です!
面白い、毎秒投稿しろ、『続きが気になる!』という方は、評価、感想、ブックマーク、レビュー等、是非お願いします……!(懇願)




