天啓ノ森ノ女王トノ邂逅-2
皆さんお待ちかね戦闘です。
四体のボスと思しき個体の戦闘を見て騒然となるコメント欄。
『コメント:は?嘘だろ?』
『コメント:三つ巴なら目撃情報あるけど……』
『コメント:レベルおよそ80超えがバトロワ……』
『コメント:余波で死ねる』
『コメント:多分ここちょうど四つの地方重なってる』
『コメント:そこに迷い込んだ初期装備の女の子……』
『コメント:くっころ……?』
「これ、絶望的じゃないですかね……多分逃げられませんよ。見つかりましたし。あとそこ、誰が敗北した女騎士ですか」
うん。これバレてる。全員こっち見たもん。
「もうこれは戦いますよっ!【鑑定】!」
腹をくくり、四体を全て鑑定します。
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〈ボス〉アクエニルブ Lv.98
種族 霜絲の冰蜘蛛
支配領域 ルクセンブルク地方
状態 怒り
体力 21907 / 15879
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〈ボス〉シャラズトル Lv.103
種族 光迅翼の怪鳥
支配領域 ナミュール地方
状態 怒り
体力 25658 / 16387
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〈ボス〉ヤルストミ Lv.96
種族 影鱗の大蛇
支配領域 リュクサンブール地方
状態 怒り
体力 19943 / 14879
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〈ボス〉レミスメラド Lv.101
種族 炎天銀の鎧霊
支配領域 グラン・テスト地方
状態 怒り
体力 27963 / 20783
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「レベル100の奴らがいる中で戦うって何なんですかね!このいじめは!」
レミスメラドという名を持つリビングアーマーが、炎を纏う大剣で薙ぎ払ってきました。
「角度はこれで………よし!」
「⁉︎」
パリィ成功。力の差があり過ぎて手が痺れますね、これ。
『コメント:待て待て待てスキル無しでパリィしたぞ』
『コメント:スキル有っても難しいのによぉ!』
『コメント:もしかして……勝てる?』
『コメント:上手く立ち回ればいけるんじゃない?』
『コメント:相討ち狙いで……』
相手は火属性。怯んでいる隙に距離を取ろうとすると、
………?燃えてた樹の火が消えてる?
さっき吹き飛んだ樹木にも鎧の火が延焼してた筈……。
その疑問と共に轟く雷鳴。
「⁉︎……ギ……ガ……」
鎧に直撃した雷は、更に近くにいた大蛇も巻き込み、体力を3000程削りました。
あっこれ勝手に避雷針になってくれるパターンでは?
そして急激な速さで成長して行く樹木。いや、再生と言った方がふさわしいですかね。
「そういうこと……。このダンジョンのギミックは、地形破壊によるペナルティですか」
このダンジョンの主は、よっぽどこの住処を荒らして欲しくないのでしょう。
再生機能も持っています。
地形破壊を行うと、天罰とも言える落雷が起こる。でも、私にとっては好都合。
「それなら、ボス達は大技を撃てません。移動も制限される。私はそのようなスキルを持っていませんから、圧倒的に有利」
ボス達の戦いは拮抗しているように見えましたから、あれだけ体力が削られてるのもこれが原因ですかね。
『コメント:なるほど!』
『コメント:白雪姫のPSなら十分できるだろうな』
『コメント:それにしてもこのダンジョン作った奴誰だろうな』
『コメント:↑ほんそれ』
『コメント:魔物じゃないのはほぼ確定だろ?』
考察も始まるコメント欄。
しかし、私はそんなことしてる場合じゃないんだよねぇ……。
さっきの落雷もお構い無しと言わんばかりに接近して来る鎧。
剣戟を交わします。
地味に体力削られているんですよね。熱気で。そう、熱気で。
暑いのは嫌い。熱い人も嫌い。
日本國に昔から根付いている根性論は大嫌いですから。
怪鳥から鋭い羽が飛んできますが、鎧と蜘蛛を盾にして回避。それでも、いくつか被弾してしまっています。
「【ダークヒール】」
意外と出番の少なかった闇魔法で体力を回復します。
さて、どうしましょうか……。
チュートリアルの報酬の煙玉をアイテムボックスより取り出し、瞬時に破裂させる。
周囲は煙幕で覆われる、
双剣を鞘にしまいます。そして詠唱を開始。煙幕が晴れるまでの時間が勝負です。
「さて、【二重詠唱】【散発付与:アイスボール】!」
先程までの戦いでレベル10に到達した【並列詠唱】が覚醒していました。
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〈スキル〉【並列詠唱 Lv.1】
効果 複数の魔法を同時に行使できる。
1 二重詠唱
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〈魔法〉二重詠唱
消費魔力 20
効果 二つ同時に魔法を行使できる。
消費する魔力量は変化しない。
並列詠唱 Lv.10で取得。
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これを使い、付与魔法も使ったアイスボールを両手に一つずつ出現させます。
優雅に回転し、分割されたアイスボールを周囲に散りばめていく。
こうして、土星の輪のように私の周りに浮いている、細かいアイスボールができました。
「発射」
その一言で全方位に向かってアイスボールが乱射。
ボスに当たった音もします。金属音はしないので、融けましたかね。
【直感】と【探知】を使って大体の居場所を捉え、その方向へ向かって更に詠唱。
「【追尾付与:アイスランス】」
右手に大きな氷の槍に付与魔法をかける。これらも、先程までの戦いでレベルアップした【氷魔法】と【付与魔法】で覚えたもの。
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〈魔法〉アイスランス
消費魔力 30
効果 氷の槍を出現させる。
一点の貫通力に優れている。
氷魔法 Lv.10で取得。
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〈魔法〉追尾付与
消費魔力 付与した魔法の消費魔力の50%
効果 魔法を強化する魔法。
捉えたものを追尾する効果を与える。
付与魔法 Lv.10で取得。
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ご覧の通り、このコンボは消費魔力が大きい。しかし、種族の特徴による魔力の多さでカバーしている。レベルも上がり、今の魔力は500を超えています。
「せーのっ!」
スキルを総動員し、おぼろげながら捉えた影に向かって投擲する。
空中にいますから鳥ですかね。
逃げても無駄ですよ。障害物が多い中、その巨体で逃げ回るのは不可能でしょう。
そこで煌く一筋の光。
「グエェェェェェェェェ!………⁉︎」
「そう来ると思ってましたよ!【詠唱崩壊】!」
あの怪鳥は、私の魔法が致命傷になると判断し、ペナルティをくらうことを覚悟で、大技を出して樹木を破壊しようとしてきました。
アイスランスが通り、煙が一部晴れた所で光が見えた私は、チャージを行ってると判断して【詠唱崩壊】を撃ち込みました。
その結果、鳥の大技が暴発。アイスランスが背に直撃し、追撃に大技暴発による地形破壊の天罰。
私に落雷は来ませんでした。良かった。
でも、魔法を連発したせいで居場所がバレてしまいました。
近付いている音が聞こえますね。
………ん?うわぁ、まだ鳥さん生きていますか。それでも体力残り三桁です。
煙が完全に晴れないうちに剣で追撃に行きましょう。
「【身体強化:敏捷強化】」
一時的な身体強化を行い、脚力を強化。
付近の樹木に足をかけて、一気に加速します。
フラフラと高度の低い場所を飛ぶ怪鳥を捉えました。
左翼に部位破壊が入っていますね。
「【スラッシュ】【スラッシュ】」
【剣術】の新しく覚えたアーツ、【スラッシュ】を二連続で発動し、鳥さんの残り少ない体力を削り切ります。
『経験値を取得しました』
『ニーヴィスのレベルが35に上がりました』
『【剣術】のスキルレベルが31に上がりました』
『【氷魔法】のスキルレベルが28に上がりました』
『【付与魔法】のスキルレベルが26に上がりました』
『【看破】のスキルレベルが21に上がりました』
『【直感】のスキルレベルが19に上がりました』
『【並列詠唱】のスキルレベルが17に上がりました』
『【身体強化魔法】のスキルレベルが14に上がりました』
『【鑑定】のスキルレベルが13に上がりました』
『【闇魔法】のスキルレベルが10に上がりました』
『【探知】のスキルレベルがが9に上がりました』
『【体力自動回復】のスキルレベルが9に上がりました』
『【魔力自動回復】のスキルレベルが9に上がりました』
『【氷魔法】の魔法【アイスバースト】を取得しました』
『【闇魔法】の魔法【ダークバインド】を取得しました』
『【付与魔法】の魔法【一点集中付与】を取得しました』
『【剣術】のアーツ【飛斬】を取得しました』
『《称号:光迅翼の怪鳥の単騎討伐者》を取得しました』
『《称号:格上殺し》を取得しました』
『〖ワールドアナウンス〗プレイヤー名:ニーヴィスがナミュール地方のボス、光迅翼の怪鳥、シャラズトルを討伐しました』
通知が入りましたが、一々確認している暇はありません。
…………残り三体。
全員殺す。
え、えぇ……。倒すのそれ?
予定にないのだが?(作者の腕の暴走)
コメントはニーヴィスが確認する暇がないので途中から書いていません。
おい!蜘蛛!ニーヴィスの落下地点に蜘蛛の巣張っとけ!
………浮遊があった……。
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