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6話:旅商人と少女

「くそっ! こんな時に限って弾切れするなんて!」

 馬車で一日もかからない街だと、準備を怠ったらこの有様だ。


「魔物が増えてるとは聞いてはいたがこんなにとはなっ!」

 そんな悪態を吐きながら、空になった愛銃のグリップで馬車に飛び移ろうとする狼型の魔物を殴る。

「キャウンッ……」殴った奴は地面に転がるが、如何せん数が多い。

 全力で馬を走らせてるがこのままじゃ追いつかれる。


「隊長っ! このままじゃ追いつかれちまいますぜ!」御者をしている男が叫んだ。


「うっせぇ! わかってんだよっ! コッチに話しかける余裕があんならしっかり馬ァ走らせろ!!」

 馬車を囲う様に狼型の魔物が十数頭。

 そいつらの奥で、悠々と走ってこちらを窺ってる馬ほどの大きさの狼魔物が一匹。


「あのボスっぽいやつを殺れば、他の奴らも退くと思うんだけどよ」

「マジこんな時に弾切れとかないっすね」一緒に車体に載っている男が呆れた顔で悪態をつく。

「今弾切れ起こしてなければ、テメェの空っぽの頭に風穴開けてやったのに、本当に残念だよ……」

「うわ、こわっ」


 馬車を囲うように走っていた魔物たちが馬車の後方に集まりはじめた。

(こりゃ、タイミングを見て一斉に飛びかかってくる気だな)

 まとめてかかって来られたら打つ手がない。

 万事急須と思った時だった。

「隊長! 右の方から何か飛んできますぜ!ってあれ人か!?」

 その言葉と同時に遠くから叫び声の様なものがどんどん近づいてくる。

 その声がはっきり聞こえた時と魔物が飛びかかってきたタイミングが丁度だった。

「どうにでもなれだぁああ!!」

 突然飛んで現れた少女は魔物に回し蹴りを決めた。

 履いていたスカートがちょうどめくれ


「白……」


「えっ!!? なっ!!」

 赤面した少女と思わず目があった。

 蹴り飛ばされた狼は他の魔物に衝突し、隊列が崩れる。

「やばい魔法が!?」少女を覆っていた風がふと消える。

 地面に落ちそうだったその子の腕を思い切り引っ張り馬車に放り投げた。


「一体なんなんだよこれ……」


 この時はまだ知らなかった。

 この出会いが俺の人生を狂わせるなんて……。








今回ちょっと短めです。

姫琉、アルカナ以外の新キャラが一気に3人登場です。

キャラの名前は次回出します。

とりあえず隊長と御者ともう一人です。全部男です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 漸く一般人との出会い ゲームで知っていても描かれない風習とかドロドロな裏側も有るでしょうしね ゲームの町だけじゃ人口ヤッバイしねえ さて、勘違いするのはもうすぐかな? 親、注意しようよ …
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