0話:エンディング、そしてプロローグ
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輝く剣は魔物と化した"精霊の神子"の身体を貫いた。
剣からは精霊の神子の赤い血が伝い流れ、少年へと溢れ落ちる。
血で少年の手は赤く染まった。
少年はその輝く剣からそっと手放し、精霊を守ってきた"精霊の神子"に告げる。それはまるで懺悔であるかのように……苦しい声で。
「オレ達は……もう、精霊に頼らない……」
そんな彼の手を"光の神子"である少女が包み込むようにそっと握り、二人は互いに見つめ合う。
この選択が間違いではないと、互いに確かめ合うように。
これまでの旅が、冒険が意味あることだと言い聞かせるように。
少年は息を大きく吸い込み、この精霊の聖域に響く様な大きな声で叫んだ。
「オレ達は!! 人間は……! 人間の力だけでこの世界で生きていく!!」
精霊と人間との決別の誓いだった。
今まで精霊に頼って生きてきた人間の意地だった。
その言葉を聞いた"精霊の神子"は祈るように優しい声で呟く。
「そうか……私もこの世界で……生きて……いた、かった……」
それが彼女の最後の言葉だった。
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はじめまして、悪魔咲と申します。
この作品はゲームの世界に転生した女の子が、推しに幸せになってもらうために冒険するお話です。
といっても推しがなかなか出ませんので悪しからず……。
はじめての小説で文章も拙いですがよろしければ読んでいってください。
評価・感想などもお気軽に……くれたら嬉しいです。