今に至る
「んん!!!!、 」
ちょっと痛かったぞ!!!下手か!!
まー、特に問題ないからいいけどさ。
それよりも、なんだろうか…暖かいには暖かいのだけれど。特に下腹部のあたりが…これは、熱い、??
それに、段々と力が抜けてきて……
触られている感触なんてまるでないのに凄いテクだな…この子。前言撤回。めっちゃ上手い。気持ちいい…
はぁ、、こりゃ、ヤリ⚫︎ンが増えるわけだ。
てか、ヤリ⚫︎ンってどっち指してるかわからんな。
などというどうでもいいことを考えながらふと、下を向いた俺は絶句した。
「あれ、れぇ?…おかしいぞぉ?」
目の前の出来事を処理できずにショートした俺の頭は、どこかの某アニメキャラと同じ台詞でしかこの現状を言い表せなかった。
俺に抱きついてきた彼女の手には、切れ味が良さそうな刃物。そしてその先端から赤黒い液体がとめどなく溢れていた。
あれれぇ…俺服の中にトマトジュースなんて挟んだ覚えないんだけどな…
とはいっても、トマトジュースよりはどろどろしていて、どちらかというと絵の具のように見える。
「え…これ、って…まさ、か。」
俺に考えさせる間も無く、腹部から全身へとてつもない痛みが走る。
「ぐ……ッ、は、、は……ぁ…」
表現できない感情、感覚が俺の中で暴れる。
全身の震えが止まらなくなり、自分でも歯が音を立てているのがわかる。それなのに…そこまで震えているのにもかかわらず、俺の身体はピクリとも動かなかった。
肝心の女の子といえば、いうことを聞かなくなった俺の身体を抱き枕のように抱え、また何かブツブツと言っている。
意外にもこの子に対して、怒りや憎しみといった感情はなく。むしろ、非現実的だなぁ…という考えだけが
俺の頭を埋め尽くした。
次第に、俺の身体は膝から崩れ落ちていった。
刺されてから何分経っただろうか…
「散々だな。」
自分の耳が聞き慣れた自分の声を認識する。
無意識のうちに声に出していたようだ。
そして、段々と近づいてくる睡魔と共に俺はある結論に至った。
あぁ…これ、夢だな。
自分の中で納得のいく答えが出た俺は、眠気に抗うなどということはせず、ゆっくりと瞼を閉じた。
女の子?結局あの子はなんだったんだろうな。
気にはなるが、だいぶ前から頭がショートしている俺には、いまさらどうでもいいことだ。
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そして今に至る。
俺はこの壮大な回想を経てもなお、わからない。
え?何がわからないかって?
自分の部屋で目が覚めるというのはわかる。
それは、全然よかった。夢だったということだからな。でも、そうではなくて…
「夢じゃないぞよ」
うんうん。なるほど。
夢じゃないのかぁ…そっかぁ、、はは!!
「誰だこのくそジジイ!!!!、!?、???」
「誰が、くそジジイじゃ!!!!!!」
殺される夢を見た後は、俺の部屋が老人ホームになるとか…勘弁してくれ、
ガン⚫︎ーに、白くて長いあご髭を生やしたような
ご老人が目の前に立って俺を見下ろしている。
うん。一般的なおじいちゃんだ…ドヤ顔をしてるところ以外は。
不法侵入で訴えたろうかな。
「やめい!」
「え…いや、ホントに誰…?」
ここから俺の人生は幕を開ける。
一応、序章として書いたのはここまでです。
もし続きが読みたいと思っていただけたのであれば
駄目出しても全然いいので!
少しだけでも…感想が欲しいかなと思います。笑笑
えーではでは、
読んでくれてありがとうございました!!