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声の神に顔はいらない  作者: 上松
81/403

81 誰でも可愛いは纏える!!

「はあぁぁ」


 そんな声が意図せずに漏れる。あれからまた数日。久々に私は事務所の方に来てた。なぜかって? それは勿論、色々と謝るためだ。

 何を謝るのか……それはやっぱりラジオの事しかない。ここ最近で一番私のタイムリーな話題はやっぱりそれなのだ。


 私はマネージャーになんとかこの話しが無かった事に……それか台本をどうにかしてもらわないとやることは出来ないーーってスタンスだったわけだ。

 でもそれを一転、やる気に満ち溢れたメールをあの日、送ってしまった。勿論

お察しの通り、それを送ったのは私じゃない。私のスマホを使った静川秋華の奴の犯行である。


 けど、結局私はそのメールを訂正してない。その時間は十分にあったにも関わらずーーだ。それってつまりは、私自身この話が勿体無いと思ってると言うことだと思う。


 ラジオは声優として仕事を受ける様になってからいつかはやってみたいと思ってたことなんだ。それは本当に間違いじゃない。

 そしてこのラジオの仕事を聞いたとき「ウゲッ」て思ったのも正しく間違いなんかじゃ無かった。


 だって私が軽く流し読みしただけで分かるキャラの破綻とかありまくりだったし、口調とかも滅茶苦茶だった。

 しかもなら、私が書けはそれはプロデューサーの仕事放棄だろう。声優には声優の領域が……最近は曖昧だけど、あると私は思ってる。


「すみませんマネージャー」

「いや、確かなかに驚いたが、その決断は悪いわけじゃない。お前も売れない声優から脱却しようと足掻こうと思ったんだろう?」

「え?」


 なんか勝手な想像をマネージャーは膨らませて私の行動を補完してる。いや……ただ静川秋華が怖かっただけですけどーーとは言えない。


「あの……もしかしてやる方向で行こうと考えてました?」

「まぁな」

「ちょーーいつもマネージャーの仕事は担当を信じて守る事とか臭い事言ってるじゃないですか!? あれは嘘だったんですか!」

「おまっ!? 臭いとか思ってたのか!」

「いやいや、貴方の担当してる声優全員が思ってますよ!!」

「………………マジかーー」


 どんだけショックを受けてるのか……この人ぶっきらぼうだけど仕事は真面目で誠実だしこの会社では当たりに入るマネージャーとか思ってたけど、痛い所もあったんだ。

 その台詞ネタかと思ってた。マジの奴だったんだ。


「マネージャーって部活の顧問のドラマとかそれこそ教師物とかに憧れーーーーあるんですか?」


 なんか、そこらへんの熱血的なキャラがいいそうな台詞だなっておもっていってみた。するとマネージャーは体をディスクの方に向けて更に首を回転させる程にそっぽ向いてポツリと言った。


「悪いか……」


 耳まで真っ赤にしてるマネージャーに私は気付いた。どうやら私の指摘はド真ん中を射抜いてたみたい。

 そして、それを気付かせまいと無駄な抵抗わ試みて耳まで真っ赤にするマネージャーの事、不覚にもカワイイと思った。

次回は明日あげますね。

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