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声の神に顔はいらない  作者: 上松
372/403

372 運命の日 7

「ととのちゃんもやっぱり来てたんだ〰ライバル?」

「違う……から」


 フレンドリーに話しかけてきて、いきなり鋭い眼光を向けるのはやめてよね。それに私が静川秋華のライバルになり得るって本当に思ってる? いや、こいつなら先生の事で冗談とか言わないし、本気なのかもしれないけど……でもゴメンだけど、私があの人に釣り合うなんて思えないから……そこは安心してほしい。


 実際立場とか容姿とかを考えると、静川秋華はいい線言ってると思う。けど、もっとアピールの仕方は考えた方がいいと思うけど。


「なんの話ですか?」

「こっちの話よ。宮ちゃんも来たんだね。まあ、先生の作品のオーディションを見逃すはずはないよね」

「えっと……静川さん的には、私は……その……」


 どうやら静川秋華は宮ちゃんとも面識が会った見たいだ。まあ宮ちゃんは今来てるからね。たくさんのアニメにも出てるし、色んな仕事をやってたら同じく……というかそれ以上に忙しくしてる静川秋華と仕事が被るのは考えられる。知り合わないわけがない。

 むしろ静川秋華が私へと真っ先に声を掛ける方がおかしい。だって私はちょっと話題にはなったけど、ここ数ヶ月で再び鳴りを潜めた……その程度の声優だ。周りからも宮ちゃんとかは『あの子ほら』とか聞こえるが、私なんか『誰あのブサイク?』である。

 此の違い……もう慣れたけどね。


「私は静川さんのライバルにはなりえませんか?」


 おお……なんか宮ちゃんが私の服の裾を握りながらそんな事をいいだした。そんなライバルって部分に引っかかってたの? でもライバルっていうか、ここの所、ポスト静川秋華とか宮ちゃん言われてるよね? めっちゃ良い扱われ方してると思う。


「宮ちゃんの事はライバルというか? 妹みたいな?」

「ライバルは私よね静川さん」

「あー、えーと確かととのちゃんの後輩の」

「浅野芽依――何度も……そうそこの先輩よりもお会いしてるはずなんですけど……もう静川さん覚えてくださいよ〰」

「ごめんなさい。なにせ浅野さんそういうキャラだから。そっちのほうが美味しいのかなって」

「私は芸人ですかぁ? やめてくださいよー」


 そんな風に浅野芽依も入って喋ってる。けど……あれ浅野芽依の奴、結構頭きてるんでは? たって芸人扱いだし。口ではキャピキャピした感じを貫き通してるが、絶対に「この野郎潰してやる」とか浅野芽依なら思ってるだろう。


「へくちっ」


 別になんでもいいけど……早く中にはいって温まりたい。そんな事を私は思ってた。

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