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声の神に顔はいらない  作者: 上松
368/403

368 運命の日 3

「奇遇ってそんな訳……ない」

「ええーそんな酷いですよ〰先輩。そんな他事務所の後輩じゃなく、私をかわいがってくださいよ〰」


 浅野芽依の奴が私に抱きつきながらそういってくる。暑苦しいやつだ。いや、こんな寒さが再びぶり返して来た感じの日には本当なら人肌はありがたいのかもしれない。でも浅野芽依だと全く嬉しくない。


 むしろ鳥肌立つよね。だって浅野芽依だよ。気持ち悪い。


「おえ……」

「ちょっと先輩! なんですかおえって!? おかしいでしょ!! 百合百合してるんだからドキドキしてくださいよ!」

 

 それ言うんだこいつ。それに一体私と百合百合してどうしたいのよ? からかってるだけ? それとも……こいつ私の事好きなの? 私は前よりは浅野芽依の事きらいじゃないし、こいつのスタイルは認めてる。上に上がる為になりふりかまってない感じは見習う所もあるかなって思うし。

 でも好きまでいってないから。


「ドキドキ……してほしいの?」

「いえ、考えたら先輩とそういう事やっててもメリットないですね」


 だろうね。はっきり言って百合が許されるのって可愛い子だけだよね。いや、案外女子ってベタベタしてるけどさ、あれを見れるのは可愛い子達なら……だよ。アニメならなおさら。なにせアニメなら皆美少女だからね。だからこそ見ててドキドキするんだし、尊いとか思える。私は浅野芽依じゃ……ね。


「ん……」


 そんな事を思ってると、なんか腕を控えめに引っ張られた。コートの袖を引っ張るその方向を見ると、宮ちゃんがいた。


「えっと……」

「私も寒いかもです」


 そう言って恥ずかし気に下を向きつついう宮ちゃん。はっきり言おうこれにはドキッとした。だって浅野芽依よりも万倍可愛いい。


「そう、そうなんだ……」


 どうしよう。この場合どうするのか正解なの? てかなんで? 宮ちゃんなりに嫉妬したのかな? まあ私は声優としては先輩であり、友達という自負はあるけど……実際私は、友達経験がなさすぎて、どういう風にすればいいのかわからない。私は浅野芽依をみた。するとなんか浅野芽依もちょっと以外そうな……いや、すぐにニタァとした悪い笑みになった。


「なら、温めて上げてください先輩」


 そう言って浅野芽依の奴が私から離れて更に背後に回って私を宮ちゃんへと抱きつかせる。


「よし、いい感じ」


 そう言ってなんかパシャってしてる浅野芽依。


「と、ととのさん」

「あっ、ごめんね宮ちゃん」

「いえ、えっとまだ……」


 流石に早く離れた方が……と思ったけど宮ちゃんはまだ受け入れてくれるらしい。どういう事? 本当に私なんかに抱きつかれて嬉しい? だって私、間近で見たくない顔してると思うよ? 

 てか浅野芽依、お前何スマホに投稿しようとしてるんだ! やめなさい! なんかなかなか駅から進めない私達だった。

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