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声の神に顔はいらない  作者: 上松
317/403

317 こんなお姫様は嫌だ 4

「私、とっても良い事を思いついたんですよ宰相様。私の事を皆が好きに……愛してくれる提案です」


 やけにニコニコと、そして容器で愛らしい声で彼女は言うよ。彼女はこの異常なスタジオで一番以上なんだけど、一番自然としてる。いや、一番不自然でもあるんだけど……もうなんかそこら辺を考えると、頭かおかしくなりそうだから深く考えない事にしよう。


 宰相様……つまりはパリピギャル2に彼女は言ってたようだけど、既に彼女は退場してる見てるみたいなものだ。ここは私がやるしかない。てか私は逃げられないし、私が逃げたらおしまいだ。


「どういう事?」

「御母様、私、優しいんですよ?」

「は? んん、それがさっきの言葉とどう繋がるの? いくら姫でも頭が弱いとただの恥さらしよ?」

「存じております。ですが問題ありません。私はこの通り見窄らしいドレスでも映える程の容姿ですし、御母様ほどにお金をばらまくても、それを補う頭があります」

「いうわね……」

「はい。そんな私の提案は姫という立場の地位向上です。結局、国の道具として使われる姫という立場には夢がないじゃないですか?」

「あんた、頭悪い事を言ってるわよ?」

「ふふ、急かさないでください。私はもっとやれると言う事ですよ。お父様が私をこうやって置いてるのも、その部分に価値を見いだしてるからでしょう」

「わかってるのなら、人形のままでいなさい。それが一番この国の為なのよ」

「私はそうは思いません。お金を使い続けるだけの御母様とちがって私なら、もっと色々できるんです」

「誰もそんな事、おもって無いわよ」

「思いますよ。思わせる事が出来ます。私には心強い味方がいますから」


 そう言って彼女はパリピギャル1の方へと行ってそっちのマイクに顔を近づけてこういった。


「ねえ、魔法使いさん」

「はいいいい!?」


 これには流石にパリピギャル1もビックリだ。いきなり変な役を振られたからね。訳がわからないのはここにいる全員そうだし、とりあえず魔法使いがなにかを聞こう。


「魔法使い? なによその怪しい奴は?」


 いや、まてよ。ここで私はピキーンときた。今、彼女は自分の中で作られた世界の中で生きている。けど、それがもし、自分の思い描いてる世界と齟齬が出たらどうだろうか? 役が落ちるのでは? 今は彼女に圧倒されて、皆がただ、彼女が出す設定に受け身になってしまってる。そうなると、彼女の独壇場……彼女の世界が出来上がってしまう。

 そうなると、どんどんと役に入ってく行くしかない。それはダメだ。なら……こっちのイメージ……設定もぶつける。そうしたら、彼女の世界との齟齬が発生する! これだ!!


「ちょっと、今までその方、居たかしら? 一体どこから……」


 とりあえず魔法がどこまでかわかってないし、そもそも魔法が使える世界もわからないが、なんか凄い奴っぽい設定を足してみた。さあどうする?

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