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声の神に顔はいらない  作者: 上松
312/403

312 最高、最強、自分だし!

「はぁー」


 ふざんけんなし……あの影川め……ラジオなんてメインじゃない。声優はもっとキラキラしてて、そして自分もそんなキラキラの一つになる。そんな予定なのに、ここでこんな事をしてる事自体に不満があるし。

 自分は「チュール」勿論芸名だ。声優として活動してくのに本名は嫌だっからノリと勢いで決めた。なんか語感が可愛いからOKみたいな? 

 

 予定通りに大手事務所に入ってもうこれだけで勝ち組だ。芸能関係は事務所が全て……それは良く言われてる事。だから大手以外に入る気はなかったし。まあ私の才能! そう才能なら、それに心配なんてなかった。まあやっぱり大手に来る子達はどれもレベルがたかい。でもこの中でも頭一つ抜けて、トップになる! それはとても気持ちいい事だって思ってる。


 でも自分の所属する所に何も汚点が無い訳じゃない。自分を高めるには周りにも良い物かないとだめなんだし。それなのに……ちょっと前からクアンテッドで見かけるようになったブス。そして、更に新人として途中から入ってきたブス。これは納得出来ない。

 どっちも才能というなの容姿がないんだからここには相応しくないし。諦めさせる……というか普通は現実わかって身を引くのが才能無い奴らの役目じゃない? まあきっと顔が悪いと、頭も悪いんだろうし、仕方ないのかも? 

 

 でもまさか、自分よりも上のように振る舞われるとは……仕事だから我慢してるけと……終わったら絶対に上の方に文句言ってやる。そもそも打ち合わせと違う事してるし。静川秋華というトップの影……他人の力におんぶに抱っこの声優。

 まあ顔を見る限り、お似合いだけど、お似合いだから自分との違いをわかってほしいし。こっちは光であんた達は影なの。それなのに、こんな自分を試すみたいな……ふん、まあいい。これで違いをみせてやる。それに私は最後にやる予定だし、別に自信が無いわけじゃないし。

 余裕をもってるだけ。目の前の影よりも、同期のドブみたいな奴が早く失敗しないかなって思ってる。どう考えてもアレがまともに役をやれる訳ない。そもそも本当になんで同期としているかわからないし。今日、経緯を聞いても納得出来ない。あれで納得出来る訳ないし。


 まあここでアレは大失敗して、クアンテッドにはいられなくなる。それと対照的に自分はすんばらしい演技をして注目をあびる。ついでにMCのあの影さえも食う。だから私は余裕綽々でその時を待つだけだし。


「ちょっとこれはどういう事なのかしら?」

「あっ、すいません」

「えっと、もう始まってるから」

「す、すみません」


 しまったし。なんかあまりにも鋭い声で自分が怒られたかと錯覚した。ん? え? 更に影のあいつがさっきと同じ台詞を紡ぐ。私はまたまた胸にズキンってまるでママに叱られた時の様な痛みが広がって思わず謝罪をしそうになる口を押さえた。


(これは演技……演技だし


 でも演技と言っても口だけだ。格好も仕草も別になにも変わってない。当たり前でマイクの前からは離れられないから、寧ろ一定の距離を保つことで制限されてる。なのに……今の一言だけで、自分のトラウマを刺激してきた。


(なんなのこいつ)


 そんなおもいが湧き上がって自分は余裕なんて無くなってたし。

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