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声の神に顔はいらない  作者: 上松
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274 熱意が人を動かす事もある

 ボスンとソファーに倒れ込む。それはバッシュ・バレルからプラムさんがいつもと同じようにしてるって聞いたからだ。いや、あの人はそれでいいと思う。それも魅力だからだ。他人に左右されない……そんな強さが彼女の魅力だ。バッシュ・バレルと共にとった彼女達の劇団のプロモーションビデオを何度もみてる。


 プラムさんが出っぱなしだからね。既に五百万回くらい再生されてる動画だ。これでプラムさんの魅力も沢山の人に伝わったのか、彼女にも沢山のオファーが来てるらしい。まあ彼女は他の仕事に興味なんて示して無いらしいが……でもあの劇団のマネージャーである、ミーシャ・デッドエンドさんはそうじゃないだろうな。


 ジュエル・ライハルトと共に、プラムさんだって彼女は売り出したいはずだ。なにせプラムさんにはそれだけのポテンシャルがある。次アメリカに行ったときに、彼女はもしかしたらスターになってるかも……そうなると更に遠くになってしまう。

 まあだが、このままでは再び会う気もないんだが……男は引きずるものなんだ。とりあえず最近は静川秋華が来ないから、仕事ははかどる。


「またか……」


 パソコンの方から通知が届いた音がきこえたと思ったら、見たことあるところからのメールだった。どうやって自分のパソコンの直通のアドレスを知ったかわからないが、かなり熱く今、説得されてる。それは前にもちょっと会ったことがある人物だ。


 たしかどこかのアニメ会社の人だ。自分の作品をどこの会社が映像化するかとか、どことやっていくか……とかそういうオーディションとかの時に、この会社の人も居たはずだ。確かかなり切羽詰まった感じだったな。でもそれも結構前だった筈。


 その時にかなり必死だったけど……まだ大丈夫なのだろうか? あの時協力できなかった負い目って奴もあるが……


(ここまで熱意を見せられるとな……)


 はっきり言って毎日メールは届いてた。最初は流石にぶしつけでは? とか思ってたし、他の仕事をして無視してた訳だが、内容はちゃんとした礼儀があるものだった。ずっとメールが届いてると、流石に一度返信くらいはするか――と言う気持ちにはなってくる。

 

 一応一段落はついてる。やっぱり静川秋華が突撃してこないと、仕事がはかどる。大体あいつ邪魔でしかないからな。まあ賑やかではあるから、少しだけ寂しい気もするが……でもあいつの気持ちに応えられない以上、なあなあでズルズルると今の関係が続くのもダメだとは思うから、今がいいんだと思う。


『幾度のメールありがとうございます。そうですね。すこしだけお話を聞かせて頂ければと思います』


 そんなメールを自分は送る。すると数秒もしないうちに返信が返ってきた。流石に読んで打って返したにしては早すぎる。あらかじめ、用意してたのだろうか? とりあえず自分は彼等の熱意って奴に負けて一度会ってみる事にした。

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