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声の神に顔はいらない  作者: 上松
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209 美女に寄り添われて元気でない男なんていない

 私はとりあえず声を掛けることにした。何せドンドンされてるからね。行き成り開けたら、私にその腕が降ってきそうだ。そうなったらきっと私は大ダメージを受けるだろう。だってドアをめっちゃ揺らしてるほどのパワーがあるんだ。もしかしたら骨折……は流石に無いと思いたいけど……あり得そうと思える程のパワーを静川秋華は見せつけてる。


「えっと……もうやめて。大丈夫、先生とは何も……何もないから!」


 ドン!! ――と一際大きくドアが揺れた。その音と様子に私はビクッとした。そしてその後には静かな時間が流れる。どうやら扉を叩くのは止めたようだ。


「匙川さん……ううんととのさん」

「な……なに?」


 何で言い直したの? しかも今更名前とか……怖い。


「ねえ……私達、友達ですよね?」

「え?」


 友達……うん……まあ友達なのかな? ちょっとよくわからないけど、多分私達は友達と言っても差し支えは無いと思う。なにせLINEもしてるし、時々電話もしてる。一方的に掛かってくるだけだけど。私はとりあえず「うん」と返しておいた。ここで違うって言う勇気……私にはない。


「なら私のお願い……聞いてくれますよね?」

「お願……い?」

「はい、ここ……開けてください」


 ザワッとした。鳥肌立った。私は後ろを振り向く。すると先生がおもいっきり勢いよく首を横に振ってた。まあそれはそうだろうね。何せ先生は静川秋華から逃げてきたのだ。それなのにここで扉を開くとその意味が無くなってしまう。だから先生が否定するのはわかってた。


「えっと……このまま! このままでお話しすれば……何もしてないって伝わらない……かな?」

「そうやって話してる間でも、見えないことを良い事にやる事やってるんですね? そういうスリル、興奮しますもんね」


 ダメだこれ……そういうプレイだと静川秋華は思ってる。扉を挟んでだと、何もして無いって事が伝わらない。手か私がそんなプレイするわけ無いじゃん。そもそもプレイすらしたことないのに! 私は静川秋華みたいな玄人じゃないんだよ。そういうのは玄人がする物でしょ。ノーマルプレイに飽きた人達が刺激を求めてする物だってイメージがある。だから私が出来る訳ないのに……


「そういうことをやるわけ無いだろ! 信じられないのか?」

「先生も私の事、信じられないんですか?」

「いや、お前襲ってきたじゃん」


 既に前科があるみたいな静川秋華。そりゃあね。てかそうでもないと先生は逃げてこないだろう。まあけどなんでここだったのか……トイレにでも逃げてくれれば良かったのに。


「あれは先生が落ち込んでたから……私の体で慰められるならいいなって……」

「方法が極端なんだよ。そんなことを望んだか?」

「イイ女ってのは言われなくても理解して先に動く物じゃないですか」

「理解できてないからな」

「美女に寄り添われて元気でない男なんていません!」


 はっきり言った! こいつ本当に凄い。尊敬したくはないけど、関心はしちゃうよね。いや本当にうらやましい頭してる。

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