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声の神に顔はいらない  作者: 上松
182/403

182 表面だけでも、優しさだけで出来た世界

「お、おはようござんます!」


 その場にいた人達が一斉に私を見る。私は顔を真っ赤にして真下をみた。


(何が『おはようござんます!』よ!! なんでそこで噛むのよバカ!!)


 今年はいい年になりそう? 既に前言撤回したい。皆さんの視線がいたい。するとこのオリジナルアニメで共演してる男性声優さんが近付いてきてこう言ってきた。


「おはよう。髪,分けたんだね。うん、そっちの方が全然良いよ。今年もよろしく」


 なんだこの人……聖人か? 売れてて調子乗ってるとか思っててごめんなさい。私はすぐさま土下座したくなった。とりあえず売れてる奴は調子乗ってるとか思っときたいイヤな性格しててごめんなさい。だいたい、売れてて調子に乗ってるのなんて私、浅野芽衣しかしらないや。あいつは売れてるといってるも、そこそこだ。寧ろ、そこそこ売れてる方が調子に乗りやすいのかもしれない。こうやってめっちゃ売れてて、仕事だってひっきりなしの人の方が現場の雰囲気とか重視してて、様々な所に気を配ってるきがする。

 本当は綿の事なんて「なんだこのブス。顔面晒してるんじゃねーよ」とか思ってるだろうに、そんなことを微塵もださないんだからね。私も売れた暁には「こんなブスでも売れました」とか自虐ネタで現場を盛り上げるとかした方がいいんだろうか? 


(いや、無理、軽く死ねる)


 でもそれが出来る様になるって事が売れて余裕が出来る証なのかもしれない。声優なんて水物だ。下からは常に新しい才能が突き上げてきて、世間……というかネットからは常に監視されてて、不用意な呟きをしようものなら鬼の首を取ったかのように叩かれる。メンタルにくることはそれこそ沢山だ。この人はイベントもめっちゃこなしてて、実は人気声優と付き合ってるんじゃないかって噂もあってそれが真実なのかは私にはわからないが、色々とネットの方では大変なのに、そんなの現場では微塵もみせない。それどころか、こんなブスにまで気を遣う。はっきり言って、この人はそこまでイケメンではない。

 普通である。でも、その人となりはイケメンだ。


(うん、やっぱり今年はいい年かもしれない)


更に速攻で手のひらを返す私。意思がクルクルしててごめんなさい。普段誰からも優しくなんかされないからちょっと優しくされると直ぐにこんな風になっちゃうんです。それから彼のおかげで別にバカにされることばなくて寧ろ前髪を分けて顔を見せる様になったことを褒められた。流石に可愛いはお世辞とわかってるけど、照れる。そんな時現場に一番の華がないことに私は気付いた。


「あの、静川さんは?」

「多分そろそろくると思うんだけどね」


 珍しい。静川秋華は声優界に女王のように君臨してると思われてるが、実際は違う。静川秋華はあんな奴でも遅刻なんて事はしたことない。確かにまだ遅刻ではないけど……そういえば最近はSNSとかも大人しかったな。ウザいからきにしてなかったよ。ちょっとメッセージでも送ってみようかな?

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